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風情あるそぞろ歩きが楽しめる魅惑の温泉街~セレクト5

2017-01-16

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昼間から浴衣と下駄で外湯巡り、食事が済んだらほろ酔い気分で射的場をふらふら。温泉宿だけではなく、温泉街の街歩きを楽しむというのも温泉ならでは。最近は町づくりが盛んになって、温泉街がより魅力的になってきました。全国各地の温泉街の中から、魅惑の温泉街5つと代表的な宿を紹介します。

昭和レトロな温泉街に心癒される「渋温泉」

長野県下高井郡山ノ内町にある温泉夜間瀬川支流の横湯川沿いに温泉街が広がります。石畳の道に軒を並べる木造建築の旅館がノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。温泉街には、温泉まんじゅうにお土産物屋、射的場にスナック、喫茶店とほどよい感じで温泉街らしい店が並んでいます。

歓楽街のにぎわいはありませんが、9つの素朴な外湯があるのが渋温泉のいいところ。泉質は源泉によって異なりますが、単純泉か塩化物泉。豊富な湯量に恵まれている渋温泉では、どの宿の湯も外湯もすべて100%源泉掛け流しです。昔から地元で愛されてきた9つの外湯。それぞれに味わいある湯を訪ね歩くのも楽しいものです。

宿は風格ある木造建築が多く、ことに金具屋は「千と千尋の神隠し」のモデルのひとつともいわれています。昭和11年に建築された木造4階建ての建物は登録有形文化財。夜はライトアップされていて、渋温泉の顔といってもいい建物です。

【金具屋】

宝暦四年(1754年)の地震により敷地内に温泉が湧きだしたことがきっかけで、宿屋に。鍛冶屋が前身だったことから、松代藩主から「金具屋」と命名されたという長い歴史を誇る宿です。全29室の客室はどれも趣の異なる和室。建物は昭和初期の宮大工の手によるもので、和風建築の粋と西洋からとりいれたモダンで華やかなセンスが結実。まさしく「千と千尋の物語」を彷彿とさせます。一見の価値があります。宿の源泉4つに共同引湯をあわせて、源泉が5つ。源泉の異なる露天風呂、浪漫風呂、鎌黒風呂の大浴場のほかに、無料の貸切風呂も楽しめます。

■場所:長野県下高井郡山ノ内町平穏2202
■アクセス:長野電鉄湯田中駅より長電バスで約10分渋温泉または和合橋下車
■URL:http://www.kanaguya.com/

外湯の歴史と温泉文化を感じさせる浴衣の町「城崎温泉」

兵庫県豊岡市城崎町にある温泉。平安時代から知られていて1300年の歴史があります。泉質は食塩泉。源泉の湯はすべて集められて、温度を一定にしたのちに、外湯や宿に配湯されています。志賀直哉の作品「城崎にて」の舞台としても有名です。

城崎温泉の楽しみは外湯めぐり。温泉街も駅から大谿川沿いに点在する7つの外湯を中心として形成されています。川沿いの柳並木、石造りの太鼓橋、木造三階建ての旅館が醸し出す温泉情緒は格別です。城崎温泉で外湯めぐりや街歩きする観光客は、浴衣に下駄が正装とか。夜、浴衣姿でそぞろ歩きする客で賑わう湯の里通りは、温泉街らしい風情があります。町も浴衣で下駄のスタイルを応援。「ゆかたご意見番」の看板を掲げた店では、崩れた着付けを無料で治してくれます。

7つの外湯は、10種類の浴槽がある「さとの湯」、人工の洞窟風呂がある「一の湯」、ガラス張りの天空大浴場と石造りの露天風呂がある「御所の湯」、落ち着いた庭園風呂の「鴻の湯」、檜の桶風呂が露天風呂の「まんだら湯」、打たせ湯と内湯だけの「地蔵湯」、最もこじんまりしたつくりの「柳湯」。泉質は同じですが、それぞれに趣が違うので好みに合った湯を楽しめます。

【西村屋本館】

創業は江戸安政期という老舗の温泉宿。日本の四季の移ろいを繊細に美しく表現する日本庭園が見事です。数寄屋造りの客室からのんびりと庭の景色を眺めれば、日常から離れたゆったりした時間を感じることができるでしょう。

春はホタルイカ、夏はアワビ、秋は松茸と、四季の食材を使った和食は絶品。ことに冬の松葉かにが人気です。これまでに宿泊してきた著名人の書画や陶芸、郷土の民芸品などの展示室もあります。

■場所:兵庫県豊岡市城崎町湯島469
■アクセス:JR城崎温泉駅から徒歩15分 (旅館組合運営の無料送迎バスあり)
■URL:http://www.nishimuraya.ne.jp/honkan/

湯畑や河原露天風呂のある風景が魅力「草津温泉」

草津温泉群馬県吾妻郡草津町の温泉で、有馬温泉、下呂温泉と並ぶ日本三名泉の1つ。江戸時代の温泉番付では当時最上位だった東の大関に位置づけられ、最新の温泉ランキングでもトップ3には入る温泉地です。

草津温泉といえば、温泉が滝のように流れ落ち、硫黄の匂いが漂う湯畑が印象的。湯畑源泉は含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉で高温です。その湯畑を取り囲むように温泉宿や土産品店や飲食店が建ち並び、温泉客が買い物がてら散歩している光景は温泉情緒にあふれています。

草津温泉はグルメも充実していて、おせんべいの名店あり、老舗のお饅頭屋さんあり。プリンや温泉卵、中華春巻きなどの食べ歩きも楽しめます。地元の人が利用している共同浴場がたくさんありますが、白旗の湯、地蔵の湯、千代の湯は観光客も無料で入浴ができます。

遊歩道が整備されている西の河原公園もおすすめの散歩コース。地面のあちこちから温泉が湧き出ている公園で、温泉情緒を堪能できます。西の河原露天風呂では、四季折々の大自然の中でスケールの大きな湯あみができます。

【草津ホテル】

草津ホテルは木造三階建ての風格ある建物で、創業大正2年創業の老舗旅館。手入の行き届いた日本庭園やさりげなく飾られた花に日本の四季と情緒を感じる宿です。閑静な場所ですが、西の河原公園にも湯畑にも近く、温泉街のそぞろ歩きに便利です。

西の河原温泉の源泉を引湯してあり、2つの大浴場は男女入れ替え制。広めの家族風呂が2つあります。客室はすべて和室。夕食、朝食ともに旬の食材を活かした料理には定評があります。コーヒーの無料サービスも人気。片岡鶴太郎美術館を併設していて入館料の割引があります。

■場所:群馬県吾妻郡草津町479
■アクセス:草津温泉バスターミナルから徒歩10分(無料送迎バスあり)
■URL:http://www.kusatsuhotel.com/hotel/

大正ロマンの風情が残る「銀山温泉」

山形県尾花沢市にあり、かつては延沢銀山として栄えた土地です。開湯は寛永年間。工夫が銀山川に温泉を発見したのがきっかけでした。銀山の閉山後は素朴な湯治場となりましたが、大正2年の大洪水で多くの宿が流出。一時は衰退しましたが、昭和元年、源泉のボーリングで湧出量が増えたのを機に、つぎつぎと旅館が建てられて、現在の温泉街が形成されました。

銀山川沿いに、趣ある木造多層構造の温泉旅館が建ち並んでいますが、その多くは大正から昭和初期にかけて建てられたもの。バルコニーがあり当時としてはとてもモダンな洋風の建物でした。銀山川の清流の両側に建ち並ぶレトロな旅館、いくつもかけられた小さな橋、通りに立つガス灯が織りなす風景は、どこか懐かしさを感じさせます。泉質はナトリウム―塩化物・硫酸塩泉です。

昭和61年に制定された「銀山温泉家並保存条例」により、昔ながらの家並みが続く大正ロマンの風情が守られています。

【能登屋旅館】

大正期に建てられた木造3階建て、4階部分には小さな展望室のある宿は、銀山温泉を代表する建物として知られ、登録文化財にも指定されています。

外観は昔のままの面影ながら、内装は一部レトロモダンにしつらえられていて、展望室部分はおしゃれな談話室に。カフェも併設されています。磨きこまれて飴色になった階段や床の艶が歴史と風格を感じさせます。

温泉は大浴場と露天風呂のほかに、白銀の滝の眺望が楽しめる露店風呂、貸切洞窟風呂があります。尾花沢牛や鴨などの地元産の食材を使った料理もおいしいと評判です。

■場所:山形県尾花沢市大字銀山新畑446

■アクセス:JR大石田駅よりバスで40分(大石田駅発の送迎あり)

■URL:http://www.notoyaryokan.com/

街全体が一つの宿、通りは廊下、旅館は客室の「黒川温泉」

熊本県阿蘇郡南小国町にある黒川温泉は、交通不便なひなびた温泉町から全国屈指の有名な温泉街へと見事な転身を遂げた温泉地です。2009年版ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで、温泉地としては異例の二つ星を得ています。街全体がひとつの宿というコンセプトのもと、看板を撤去して街路樹を植え替え、統一した案内板を立てるなどで、豊かな自然に包まれた山里らしい温泉街になりました。

泉質は硫黄泉で、どの宿も豊富な湯量を活かした源泉掛け流し。宿ごとに野趣あふれる岩組みの露天風呂、しっとりした情緒の庭園露天風呂、人工の洞窟風呂など、個性的な露天風呂があります。入湯手形(大人1300円)を購入すると3カ所の温泉に入れます。当日の露天風呂の状況をチェックできるサイトもあり、浴衣や電動アシスト自転車のレンタルも利用できます。

評判のパティスリーや宿が経営する飲食店などグルメも充実しています。注目は「かっぽ手形」(1500円)。黒川の旅館・商店・飲食店20軒の中から3軒選んで、店おすすめの日本酒か焼酎とおつまみのセットを味わえます。

【黒川温泉 山あいの宿 山みず木】

温泉街からやや離れた渓流沿いにある人気の宿。おすすめポイントは奥黒川の森と渓流の傍らに設けられた露天風呂。彩豊かな大自然に包まれつつ、川のせせらぎ、鳥のさえずりをBGMに、極上の湯を堪能できます。内湯の大浴場のほか、貸切風呂もあります。

客室は同タイプでも趣がそれぞれ違う和室で、風呂付きの客室もあります。どの部屋にもコーヒーメーカーがついているのもうれしいポイント。食事はお食事処で地元の旬の食材をふんだんに使った創作会席。別注文の馬刺しが人気です。

温泉街から離れていますが、露天風呂めぐりには、宿専用の「湯めぐり無料巡回バス」が使えます。日中、30分間隔で宿と「耕きちの湯」「温泉街(つけものや前)」を循環しているので便利です。

■場所:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6392?2
■アクセス:福岡空港から産交バスで約2時間15分黒川温泉バス停より送迎あり
■URL:http://www.yamamizuki.com/

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