歌舞伎

歌舞伎の新しいカタチ・スーパ歌舞伎の魅力とは

2016-05-25

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歌舞伎と聞くと、古典的な演目を思い浮かべる方が大半かと思います。
確かに、言い回しや舞台背景など、歌舞伎界で代々受け継がれている演目としては歴史あるものが多く、そのほとんどが古典的なものとなっています。

そんな歌舞伎界の常識を覆し、新たなカタチを作り続けているのが「スーパー歌舞伎」です。
ここでは、そんなスーパー歌舞伎について、魅力や制作背景などをご紹介していきたいと思います。

スーパー歌舞伎の創始者である3代目市川猿之助

1986年に3代目市川猿之助さんが始めたスーパー歌舞伎
最初の演目は、「ヤマトタケル」というものでした。
3代目市川猿之助さんは現在は2代目市川猿翁を襲名している方で、本名を喜熨斗 政彦(きのし まさひこ)さんといいます。

3代目市川猿之助さんは、その名を襲名した後すぐに祖父と父を亡くすという悲劇に見舞われます。しかし他門の助けを得ることなく、自身の歌舞伎を確立させ、それらは「猿之助歌舞伎」の名で今でも知られています。

猿之助歌舞伎は、それまでの保守的な歌舞伎とは違い、エンターテイメント性の高いものとして、観客の高い支持を集めました。しかし歌舞伎界では同感を得られず、酷評を受ける結果となってしまったのです。

しかし少し経つと、猿之助歌舞伎の代表作である「義経千本桜」の「四ノ切」で披露した宙乗りを、他門も上演するようになります。理由としては、代々受け継がれてきた「四ノ切」が観客の評価を得られなくなったことが挙げられますが、それまでは酷評していた者たちも挙って宙乗りを演出として取り入れるようになったのです。それ以降、宙乗りは多くの歌舞伎役者によって、様々な演目で取り入れられています。

3代目市川猿之助さんは、スーパー歌舞伎以前にも、歌舞伎界に新風を巻き起こした偉大な方でもあったのです。ちなみに彼の実のお子さんは、俳優としてもマルチな活躍を見せている香川照之さんです。

スーパー歌舞伎の主な演目

1986年に初演を迎えたスーパー歌舞伎ですが、2015年までに11作品もの演目が封切されています。実際に演出された主な演目をご紹介していきましょう。

1.1986年「ヤマトタケル

ヤマトタケル」は、スーパー歌舞伎の初演作品としても有名な演目です。2013年にはシネマ歌舞伎として上映もされ、話題を集めました。主人公であるヤマトタケル役を3代目市川猿之助さんが、そのほか市川中車さんや市川右近さんがわきを固めることとなっています。こちらは新橋演舞場で開演されたもので、香川照之さんの9代目市川中車襲名のほか、香川照之さんの子息である五代目市川團子の初舞台としても注目を集めた演目だったようです。

この演目は、哲学者である梅原猛さんが3代目市川猿之助さんのために書き下ろしたものでもあります。梅原さんはその後、1991年に幕をあげた「オグリ・小栗判官」でも脚本を務めています。

2. 1989年「リュウオー・龍王」
3. 1991年「オグリ・小栗判官」
4. 1993年「八犬伝」
5. 1996年「カグヤ」
6. 1997年「オオクニヌシ」
7. 1999年「新・三国志」
8. 2001年「新・三国志II・孔明篇」
9. 2003年「新・三国志III・完結篇」
10. 2014年 スーパー歌舞伎II(セカンド)「空ヲ刻ム者」

ここから、スーパー歌舞伎II(セカンド)となります。
といいますのも、ここからは4代目市川猿之助さんが中心となり演じることとなるからです。

11. 2015年 スーパー歌舞伎II(セカンド)「ワンピース」

「ワンピース」は、人気漫画を歌舞伎化したとして、大きな話題を集めた演目となりました。

進化し続けるスーパー歌舞伎・その魅力とは

2015年に封を切った、スーパー歌舞伎II(セカンド)としての「ワンピース」。世界的にも大人気な漫画を歌舞伎化するという前代未聞のこのニュースは、歌舞伎界だけでなく多くの方が震撼したと思います。

また、歌舞伎化されたシーンは、本作でもファンが多いといわれている感動的なシーンともあって、多くの原作ファンもスーパー歌舞伎を目にするために新橋演舞場へと足を運んだようです。

原作ファンの中には、それまで歌舞伎に目もくれなかった方も多かったのではないでしょうか。実際に、歌舞伎を初めて鑑賞するという声も多かったようです。ここが、スーパー歌舞伎の一番の魅力でもあります。

従来の歌舞伎は、どうしても古典的な演目を主に取り上げるため、若い方や難しいことが苦手な方にはあまり評価を得ることがありませんでした。しかし、現代的な演目を取り上げ、親しみやすく演じることで、それまで以上に多くの方を歌舞伎へと引き寄せることに成功しているのです。

「ワンピース」はその最たる演目かと思います。実際に、「ワンピース」は評価もよく、原作ファンの多くを魅了したようです。

いかがでしたか?
スーパー歌舞伎は、今後も時代に寄り添って進化が期待されているものでもあります。
ぜひ歌舞伎の新しいカタチとして、スーパー歌舞伎も鑑賞してみてください。

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