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チリワインおすすめはコレ! 安いだけではない知られざるチリワインの世界

2017-02-08

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チリワインといえば、安くてそれなりの味わいというイメージかもしれません。確かに、現在の日本で最も売り上げの本数が多いのは安価なチリワインといわれています。

500円前後で購入できるのに、とてもレベルが高く楽しめるということで、世界中でもチリワインは人気です。しかしながら、その安さ故に高級路線で作っている高品質ワインの売れ行きがパッとしてこないのも事実。

チリの生産者は安いワイン=チリワインというイメージを覆すため、さまざまな努力を続けているのです。もちろん、既に多くの素晴らしいワインが日本でも手に入るのですが、認知度の低さからかまだまだ安い価格と言わざるを得ません。

逆に考えると、今高品質なチリワインを安く購入できるチャンスでもあります。今回、まだまだ知られていない素晴らしいチリワインを紹介します。価格が高騰する前にしっかりと押さえておくことをおすすめします。

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アリストス

チリワインで高品質なものはあるかと聞かれたら、真っ先にお伝えしたいのがアリストスです。あのロマネコンティに比肩する存在であるともいわれているドメーヌであり、今後チリワインの高品質化のキーマンといわれています。実は、もともとブルゴーニュの人間がジョイントヴェンチャーという形でチリではじめたのが、このアリストスです。

あのオーパスワンもジョイントヴェンチャーでスタートしていますし、チリのプレミアムワインの波がここから起こりそうな予感があります。ピノノワールを栽培していたのですが、当初はなかなかチリの気候にピノが合わずに断念しており、カベルネソーヴィニヨンをフラッグシップとして生産しています。

世界的なワイン評論家であるロバート・パーカーが率いるワインアドヴォケイトでは、2010年のヴィンテージが90点を獲得するなど、確実に実力を発揮し始めているのです。アリストスのワインに使われているブドウが栽培されているのは、ラペル地区という場所です。

アンデス山脈の麓という最高の立地に位置しているワイナリーのため、チリの弱点である暑さを克服することができ、とてもデリケートなワインを造ることができるのです。

日照量が多くないために、未成熟という印象を受けますが、だからこそゆっくりと熟成してバランスの良い酸もブドウに与えることができるのです。高級チリワインの柱となるであろう、アリストス。これは、今からチェックしておかなければならない銘柄です。

マルケス・デ・カーサ・コンチャ

チリワインの王者として名を挙げることができるのであれば、コンチャ・イ・トロを外す訳にはいきません。あの、ムートンロートシルトのバロン・フィリップ・ド・ロートシルト家とのジョイントヴェンチャーとしてスタートしているこのブランドは、今や日本でも見かけない場所は無いほどの躍進を見せています。

とはいえ、コンチャ・イ・トロは誰もが知る中級的ワインと思われている節があります。確かに、価格帯を見てみると驚くほどの高価格帯ではなく、むしろここまで安価で大丈夫なのかと思うほどのレベルです。

しかし、それは手を抜いているとか、そういったことでは一切ありません。むしろ、無駄なコストなどを全て削減しながら、最高品質のワインを多くの人々に届けようという気概のもと、こういった価格帯になっているのです。

そして、そんなコンチャ・イ・トロが届ける、今後大注目のワインというのが、マルケス・デ・カーサ・コンチャ・ カベルネ・ソーヴィニヨンです。単一畑で丹誠込めて栽培されたカベルネソーヴィニヨンだけが使用されている、正真正銘カベルネの直球ワインです。「侯爵家」に由来する、その汚れなき気品溢れるネーミングが味わいの重厚さを想像させてくれるのではないでしょうか。

また、このカベルネソーヴィニヨンもボルドーのメドックやグラーブなどと同様に、石混じりの水はけの良い沖積土となっています。カベルネソーヴィニヨンのような晩熟のタイプの品種は、土壌に熱が蓄積するような場所の方が良いとされています。

熟れた果実でありながらも、堅牢さも備えている、まさに貴族的な味わいといって良いでしょう。なんと、価格も日本円で2000円前後という驚きの価格帯です。1本1万円のボルドーを持ち込んだといっても、恐らくは誰も疑うことはないのではないでしょうか。こちらも、今のうちに口にしておきたい逸品ですね。

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モンテス

チリのプレミアムワインといえば、モンテス。これは、チリワイン好きであれば誰も知り得る常識中の常識といって良いでしょう。しかし、何故モンテスがここまで有名なのでしょうか。

まず、モンテスの歴史はチリワインの中でも案外古く、1988年にスタートしています。4人のワインの専門家によってスタートしたワイナリーであり、瞬く間に世界的なワインを造り出したことで話題となっています。

あのワインアドヴォケイトでも、チリ生産者の中でも揺るぎない最高品質のワインを造る生産者のひとりと称されており、今後はどんどんプレミアム化が進んでくる可能性が高い、そんなワイナリーのひとつと断言できます。モンテスの場合、カリフォルニアのワイナリーのようにクラシック・シリーズやリミテッド・シリーズなどといった、飲み手やシーンによって使い分けることができるシリーズをいくつか用意しています。

しかし、そのなかでも特段専門家たちから高い評価を獲得しているのが、アルファ・シリーズといわれています。ワインスペクテーター誌という、記載されるだけでも誇らしいことであるワイン雑誌でも、トップスコアリング・ベストバリューのワインとして何度も登場しています。特に、このアルファシリーズで有名なのがシャルドネです。

カサブランカ・ヴァレーという、チリワインの銘醸地で造られおり、この場所には多くの有名生産者がブドウ畑やワイナリーを構えています。さらに、この場所でモンテスがこだわっているのが、ブドウの収量制限です。ブドウ樹1本の収量を減らすことにより、残った実の栄養価を高めようという狙いです。世界中の高品質ワインの基本中の基本ではありますが、当然ながらコストもかかりますし、リスクも大きく分かっていても挑戦できる生産者は数えるほどです。

そして、そのような厳しい環境で育ったシャルドネは3つのロットで別酵母で発酵させられます。酵母によって香りが変わってくるため、この3つをあとでブレンドすることで複雑で奥行きのある味わいができあがります。

また、4割マロラティック発酵をしていることからも、独特の風味に仕上がっているのです。他に無い、個性的で美味しく印象に残るワイン造り。モンテスの生み出すシャルドネは、オールドワールドとはまた違った個性を発揮するワインとなり得ているのです。

コノスル・レゼルヴァ

自転車マークがお馴染みのコノスルですが、単一品種で凄まじい量を販売しており、価格帯と品種の多さで話題です。日本のスーパーやコンビニでもたびたび見かけることがあり、安価なチリワインのなかの取り分け高級タイプのワイナリーとして知られています。

しかしながら、そんなコノスルはさまざまなプレミアムワインを手がけていることをご存知でしょうか。カベルネソーヴィニヨンを使ったフラッグシップのシレンシオやピノノワールのオシオなど、1万円をゆうに超えているプレミアムワインが多くあります。しかし、今後注目されるだろうシリーズは、レゼルヴァシリーズです。

単一畑から造られる特別なソーヴィニヨンブランなどの品種を、フレンチオークでじっくりと熟成させた贅沢な1本です。また、ピノノワール、カベルネソーヴィニヨン、リースニングなどさまざまな種類があるために、とにかく楽しみながらその味わいをチェックすることができます。

最小限の化学肥料、完全オーガニックなど、チリのテロワールをそのままボトルの中に詰め込んだ味わいとなっているので、チリワイン入門には絶対に最適です。もちろん、味わいもプレミアムワインたちに負けない、高品質なもの。価格帯も手に取りやすく、ワインパーティーでは絶対に活躍する1本ではないでしょうか。

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まとめ

チリワインというと、やはりどうしても安いというイメージです。しかし、高いから美味しいというワインの選び方は素人です。むしろ、どれだけ低価格でレベルの高いプレミアムワインを探すかが玄人の仕事でしょう。

そんな、目利きならぬワイン利きができるのは、チリワインだけです。注目されて価格が高騰してしまう前に、今、注目のチリワインを口にしておくべきではないでしょうか。

チリワインは安ワイン?チリにも素晴らしいワインが沢山あったんです!

チリワインには、「安ワイン」という不名誉なあだ名が付けられています。高品質であるにも関わらず、ブランド価値の高いフランスワインの10分の1程度の価格で取引されていることで、こういったイメージが植え付けられてしまっているのです。

実際のチリワインの実力はとても高く、他の国のワイナリーに比べてもひけを取りません。いうなれば、今まだまだ安価で高品質なワインを手に入れることができるチリワインは、「狙い目」であることに間違いはありません。

チリワインを知るためには、スーパーマーケットなどで大量に仕入れられているものではなく、まずは優良生産者から知ることをはじめることです。

今回、ここではチリワインを知る上で最重要と思われる、素晴らしい生産者の造るワインを紹介していきます。ぜひ、参考にしてチリワインの楽しみを広げていってみてください。

ヴィーニャ・エラスリス

ヴィーニャ・エラスリスは、何とチリワインにて1870年創業という、名門中の名門のワイナリーです。アコンカグア・ヴァレーは世界でも最も素晴らしいカベルネソーヴィニヨンを生み出す地域として知られており、まだチリワインがさほど知られていなかった時期に、既にその場所に目をつけた、高品質チリワインのパイオニア的存在といわれています。

また、果実味たっぷりの重厚感のあるワインではなく、できるだけテロワールを意識したエレガントな味わいを目指している部分もポイントです。ドン・マキシミアーノ・エラスリスという創業者のDNAを、今現在でも受け継ぎながら最高峰のワインを醸造しています。

実は、今でこそ造り手憧れの土地であるアコンカグアヴァレーですが、当時は荒れ果てているだけでなく、交通の便も悪い最悪とさえ言われていた土地でもありました。しかし、この土地は海岸山脈であったことから、冷涼な地域であったために成功をしたのです。

さて、そんなエラスリスの最高峰フラッグシップワインといえば、ヴィニエド・チャドウィックです。何と、ベルリンでテイスティングされた時は、あのボルドーのシャトーを超える評価を獲得しており、いっきに世界最高峰の座を射止めたのです。高品質なチリワインに出会うのであれば、今はヴィーニャ・エラスリスを避ける訳にはいきません。

タバリ

熟成されたブドウ本来の味わいを楽しむのであれば、タバリという生産者の造るワインを忘れてはいけません。ビーニャ・タバリは、ジョイントベンチャーによってスタートした、比較的若いワイナリーです。

チリのアタカマ砂漠に近い産地でワイン造りをはじめていますが、まさにチリの最北端であり、厳しい環境のなかでのワイン醸造を行っています。夜がとても気温が低くなることからも、冷涼な産地として知られており、熟成がゆっくりと進んでいきます。

逆に、暑過ぎる気候でないことからもほど良く果実味と酸が乗り、とてもエレガントなワインを生み出すことができるのです。また、大量生産を目指すようなワイン造りではなく、個性をしっかりとアピールしたプレミアムワイン造りを目指すことで、競合他社との差別化を図ったことも功を奏します。

何と、タバリのブドウ畑は海から僅か25km程度しか離れておらず、冷涼で乾燥した地域のために、質の良いブドウが生まれているのです。また、タスパが人気を博しているポイントとしては、DiaguitaとMolleといった考古学的遺産に囲まれておるために、ワインツーリズムが成功している部分です。

ブドウ造りに最適な地を探し求められて研究が続けられてきた結果、何と生産1年目にして「First Annual Wines of Chile Awards」など、さまざまな名誉ある賞を受賞するにいたったのです。これは、まさしく奇跡としかいいようがありません。エレガントさを楽しめるだけでなく、チリならではの果実味のある力強さも楽しむことができる、実に贅沢なワインなのではないでしょうか。

ラポストール

チリワインの有名どころといえば、セントラルヴァレー。チリワインの殆どをこの場所で生産しているといっても過言ではなく、大手メーカーや小規模生産者などが多数この場所に畑とワイナリーを構えています。

さて、そんなセントラルヴァレーの生産者のなかでも、ひときわ異彩を放っている生産者がいます。それが、ラポストールです。1994年に、あのグランマルニエ創業者のひ孫とその夫が興したワイナリーとして知られています。

セントラルヴァレーの中でも、上質な赤ワインが生み出されることで知られているコルチャグアヴァレーに畑を有しており、醸造所も近いため新鮮なブドウを直ぐに高品質ワインへと変化させることができるのです。

特に、ラポストールがこだわるのがブドウの質です。キャノピーマネジメントと灌漑をバランス良く行い、常に健全なワイン造りに力を入れているところが注目ポイントです。また、オーガニック農法の認証、ビオディナミ農法の認証も受けており、ブドウが本来もつポテンシャルを大切にした栽培方法が採用されています。

また、醸造方法も独特で、光学式の選果台など最新技術が取り入れられています。自然酵母での発酵を行っており、環境に優しい取り組みでワインを製造しているのです。ラポストールは今、チリワインで飲むべきワインのひとつであることは間違いないでしょう。

ミゲル・トーレス

ミゲル・トーレスは、チリワインの歴史を作り上げてきた功労者の一人として知られる、ミゲル・A・トーレスが1979年に設立したワイナリーです。スペインの名門である家の生まれでありながらも、クリコヴァレーの素晴らしさに目をつけたことで、今もなおチリワインを代表する存在として君臨し続けています。

彼の生み出すワインの質は高く、大味気味であったチリワインに新しい風を呼び込んだとして大きな話題にもなったのです。彼自身、とてもワイン業界に残した功績が大きいことからも、「マン・オブ・ザ・イヤー 2002」というワイン専門誌のデキャンター誌にも乗るほどの人物だといわれています。

レイダ

チリの高品質ワインのあり方を語る時に、やはりレイダを忘れるわけにはいきません。サンアントニオのレイダ地区という冷涼な地域にチリ初のワイナリーを設立したのが、このレイダなのです。さまざまな品種を生み出していることからも、多くの人気シリーズがありますが、ピノノワールはその中でも天下一品といわれています。

もともと、雨量の少ない地域であることからも灌漑必要であり、カサブランカから水を引いてきています。しかし、とにかく冷涼であることからも、ピノノワールにはとても適している地ともいわれています。

丁度良い水分量を調節できることからも、理想のピノを栽培することができ、その味わいを壊さない丁寧な醸造方法を取り入れていることからも、多くのワインファンの心を掴むことができるピノを生み出しているのです。

まだまだ沢山ある最高のワイナリー

チリワインの高品質ワインを造る生産者を紹介しました。しかし、まだまだ多くの生産者がいるのがチリの面白さです。モンテスやタラパカ、サンタ・リタ、ラブラヤ、ウンドラーガ、アラス・デ・ビルゲなど、高品質なワイン造りを目指す生産者が良きライバルとして競い合っています。

チリワインは、確かにまだまだ安いワインというレッテルを貼られているのは仕方ないでしょう。しかし、チリワインに馴染みが生まれてきたことをキッカケに、我々は徐々にチリの本当の実力を知る旅に出る必要性があります。ぜひ、新しい時代を創造するだろう、高品質チリワインを飲んでみてください。

チリワインは南に注目!伝統のブドウから作られる注目ワイン!

安価な単一品種のあるチリワイン。そんなイメージがここ数年、世界では定着しつつあります。しかし、チリワインの歴史を紐解くと、それはごく一部の大手生産者に限っておりある意味寡占状態。

実際、チリではさまざまな生産者やワインが造られており、世界の中でも有数な高品質ワインの生産地なのです。さて、そんなチリワインですが注目すべきは北部ではなく、南部です。チリワインの中心地といえば、中部であるセントラルヴァレーの付近といわれています。

2番手として注目されているのが、セントラルヴァレーの北側にあるアコンカグア地区ということで、チリのワインは国の中心部がメインといっても過言では無いのです。しかし、本当に注目すべき産地は南部であるということはどういったことなのでしょうか。今回、ここではチリワインの歴史をつくってきた南部の地域を紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。

チリのワイン産地

まず、北部、中部、南部といってもピンと来ない方が多いと思います。まず、チリではどんな場所でワインが造られているのかを確認していきしょう。まず、チリの最北部はアタカマ砂漠があり降雨量がほぼ10mmと年間を通して殆ど雨が降りません。

そのため、最北端辺りはワイン造りに適しているとは言い難い状況です。それでも、冷涼な産地を求める動きがあることからか、アタカマ地域では、コピアヴァレーやウアスコヴァレーなどのワイン生産地が存在しています。

そして、そこから300kmほど南部に向かったところに、コキンボという地区が現れます。ここは、ピスコというお酒が有名な場所ですが、代表的な産地は3つあります。エルキヴァレー、リマリヴァレー、チョアパヴァレーとなっています。非常に高地にあるワイン産地ということもあり、降雨量が殆どありません。ただし、乾燥状態であり尚かつ気温もさほど高いわけでは無いので、ブドウ栽培に関しては非常に適しているといえます。

さて、そこから南に向かっていくとアコンカグ地区です。代表的な場所としては、アコンカグアヴァレーにカサブランカヴァレー、サン・アントニオヴァレーがあります。サン・アントニオヴァレーの中には、小さなリージョンとしてレイダヴァレーも存在しており、高品質ワインを造る生産者からは注目されています。

チリのワイン産地

さて、北部の産地を見てきましたが、ここからは中心部に迫っていきます。チリワイン最大の生産地が、セントラルヴァレーです。マイポヴァレーやラペルヴァレー、クリコヴァレーが代表的無産地です。

カチャポアルヴァレーやコルチャグアヴァレーがサブリージョンで存在しており、また沿岸部、中心部、山地部と3つの区分に分けられています。大手業者や小規模生産者、海外から流入したワイン業者などがしのぎを削りこの土地でワイン造りに励んでいます。

さて、そんなチリのワイン山地ですが、セントラルヴァレーが大注目されており、多くの場合はここでのことが語られます。

ここから南部はとても降水量が多く、並程度かそれ以下のワインしか造ることができないだろう…と、いわれていました。南部はその名もサウス地区と呼ばれており、イタタヴァレー、ビオビオヴァレー、マジェコヴァレーの3つが代表的な山地です。しかし、この3つの山地が今大きな変化を迎えようとしており、立ち上がり始めているのです。

チリワインの躍進について

まず、チリワインのスタートはフランス系の品種の導入が19世紀に行われてからといわれています。代表的なカベルネソーヴィニヨンやシラー、ピノ・ノワール、ソーヴィニヨン・ブランなどがチリの大地に持ち込まれます。

降雨量が少なく、乾燥、昼夜の温暖差が大きいというチリの気候条件の良さに目をつけた大手海外メーカーなどにより、いっきにチリワインの躍進がスタートします。

しかし、まだまだバルクワインなどの低質ワインを大量生産する流れがメインであったチリは、醸造の専門家やワイナリーの近代化や最新技術などを取り入れたことで躍進していきます。

もちろん、日本においてもEPAにより非常に安く仕入れることができたことで、近年爆発的な人気を獲得している状況です。そんななか、チリは安いワインを造っているというイメージを覆すため、高級ワインを製造する生産者も多く出現しはじめており、確実にチリワインは新しい方向へと進みつつあります。

南部が有名になれなかった理由

しかし、どんな理由にせよ大きな躍進を遂げてきたチリなのですが、南部のワインは一向に日の目を浴びることがありませんでした。

今も大手メーカーなどは南部にワイン畑を有していますし、名前もチラホラ聞くという方もいるかもしれません。どうして南部のワインは未だに有名になれないのでしょうか。まず、その大きな理由としては貧しさがあります。

南部のブドウ生産者は、ブドウを育てるしか生活の糧が無かったと言われています。つまり、バルクワインなどに使う用のブドウ栽培を中心としており、さらには安く買いたたかれても文句を言うことができなかったのです。当然、同じものを造っているのにどんどん安く買いたたかれてしまえば、その分内容の質が低下していくのは明白です。

まず、この貧しさが有名になれなかった理由です。また、伝統的な素晴らしい品種の価値が認められなかったという部分もあります。

例えば、カリニャン種やパイス種やサンソー種はあまりメジャーな品種とは言い切れませんが、こういった品種のブドウがとても安く流通させられてしまっていた過去があるわけです。そのため、頑張って働いても儲かることはなく、ブドウ生産者もその場を離れていってしまうという減少が起こるのです。

南部が立ち上がった

しかし、チリという場所は世界のワイン産地の中でも稀な「フィロキセラ禍」から逃れることができた、数少ない産地として知られています。殆どのワイン産地が台木を接木しているため、正真正銘のブドウの古樹が残っている産地はかなり少なくなってきています。

そういった流れの中、チリ南部は昔からチリに植えられていたブドウ樹を使用してワインを造ることが可能です。長いブドウ造りの歴史があることからも、当然ながら技術やノウハウは多くもっています。最新技術や研究者からの協力などにより、チリ南部のブドウを盛り上げていこうという気運が高まってきたのです。

期待の生産者団体VIGNO

南部のブドウ、ワイン造りを盛り上げていこうという気運が高まったのは、生産者団体の力も強く関係しています。その中でも、特にエッジの利いた活動と高品質ワインを生産しているのが、VIGNOという生産者団体です。

読みがヴィーニョですので、ここからはヴィーニョで通しますが、この生産者団体はカリニャンをはじめとした、パイス種などのブドウを救う活動を行っています。この団体が選んだ道というのが、ワインに使われる品種の割合を、伝統的なブドウ品種にしようというものです。

例えば、カリニャンを使うワインであれば、65%、100%とできるだけメインとなる品種で勝負することとなります。マウレヴァレーがメインではありますが、基本的にはチリワインの南部を救うことにも繋がります。

カリニャンの栽培はすでに80年以上を超えていることから、国際品種の背中を追い続けている伝統品種の地位を取り戻すことにも繋がっていくのです。現在、16社が参加していますがこれからも面白くなるでしょう。

注目の産地を紹介

では、南部で注目されている産地をひとつ紹介しましょう。それが、イタタヴァレーです。まだまだ世界的には知られていない土地ではありますが、多くの小規模生産者が増加中です。モスカテルやパイス、サンソーなどを株仕立てで造っており、長い歴史を持つブドウの栽培地として名を馳せています。

もちろん、カベルネソーヴィニヨンやシャルドネ、メルロー、シラーなどの国際品種も植えられています。ただし、この場所は降雨量が1000mmとバランスが良く、乾燥地帯でもあるので上質で健全なブドウが育っています。

さらに、その南側のマジェコヴァレーという場所がありますが、ここはピノノワールも植えられている注目産地です。日中が30℃を超してしまう熱帯地域でもあるのですが、夜は10℃を下回りマイナスとなることもあります。この気温差が、ブドウにとっては良い影響を与えます。これから、どんどん新しいワインが生まれ続けるでしょう。

まとめ

チリの南部のワインは、まだまだ評価が低く価格がとても低くなっています。高級ワインを造るのではなく、伝統的な品種で正当な価格でワインを売りたい。これが、今南部の生産者が声を挙げて訴えていることです。ワインの品質の良さは、多くのワインファンが知っていると思います。あとは、どれだけ知る人間が増えていくかです。ぜひ、チリの南部で新しい『チリワイン』を見つけてください。

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