盆栽

「盆景」って何? 外国人もハマる「自分だけの」伝統的立体芸術作品づくり

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近年、日本でも注目されている盆景は、海外では外国語の説明書が付いている日本の盆景キットが売られており、日本に来日して来る外国人観光客にも注目されているお土産の一つにもなっています。また、カルチャースクール等でも盆景教室が開催されているので、盆景は日本人のみならず外国人にも人気があります。

盆景は、日本の自然の美を表現する生け花や盆栽などと同じ日本の伝統芸術の一つです。また、盆景は、1400年以上の歴史がある日本古来の立体的伝統芸術でもあるのです。一般的に盆景は盆栽より知名度はないですが、盆景づくりにチャレンジしたり、歴史の背景に触れたりすることで、盆景が素晴らしさを感じることができます。

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盆景とは

一般的に「盆栽」は知っていても「盆景」を知っている人は少ないです。盆景は「盆栽」と同じように日本の伝統芸術の一つですが、「盆栽」と比べて世界的な知名度も低いです。また、盆景には、盆石、盆庭、盆山の要素が全て含まれていることも、意外と知られていないです。

盆景は、お盆、浅い水盤や限られたスベースの上に草木の植物と一緒に苔、石や化石を使い、それぞれのパーツを配置しながら山や川などを作って、景色を表現します。自然の美しさを出すために遠近法によって奥行きや立体感を出しているので、「盆景」は立体造形芸術としての要素があります。それは、まさに現代版の3Dアートです。また、盆景は、実際の自然の風景を忠実に再現した日本の伝統芸術なので、ミニチュアサイズで実際の自然の風景を鑑賞することができます。

一方、盆栽は、「植物や樹木そのもの」の枝ぶり葉ぶり、幹や樹形全体を通して、自然の中で育っている美しい樹形の姿を剪定によって仕立てたり、四季折々の変化を楽しんだり鑑賞したりすることができます。

盆景の歴史

盆景は中国の唐の時代に生まれたと伝えられています。当時の中国の盆景は今日の日本の盆栽にあたります。日本の盆栽や水石などは、中国では盆景と呼ばれていました。唐の時代に生まれた中国の盆景は、清の時代になるとさらに発展していきました。盆景はやがて朝鮮半島を経由して日本に伝わり中国人と日本人によって育てられ、ヨーロッパや米国に盆景文化が渡り、盆栽と同じように多くの愛好家によって発展してきた歴史ある日本の伝統芸術です。

盆景が中国で誕生した歴史的背景には、仏教との密接な関係があります。インドで誕生した仏教は、中国や朝鮮半島を渡たり、538年に日本に渡来してきました。その仏教は日本の伝統文化や伝統芸術に大きな影響を与えてきました。盆景もその影響受けた伝統芸術の一つでした。正倉院には、仏具の一つである仮山(かざん:築山―石が配置されている庭)が安置されており、盆景はこの頃から始まったと推測されるので、約1400年以上の歴史があると考えられます。6世紀の推古天皇の飛鳥時代にはすでに造園法の技法が伝わっており、7世紀に入ると盆景は、盆石、盆庭、盆山と同じように、文化として確立されました。

平安時代になると、宮中を描写した絵巻物の中にも盆景が描かれるようになり、室町時代に建立された金閣寺や銀閣寺は、庭園を造る際に盆景が庭園の模型として活用されました。

江戸時代になると、中国江南省に住んでいた貿易商の人達が現地から盆景を持って日本に移住してきたことが、盆景が広めるきっかけとなりました。当時の江南省は盆景が盛んに行なわれておりました。日本に中国の盆景が入って来た頃は、植木鉢や木製の台を使って作られていました。また、茶道の侘びや寂の文化の中にある造園造りにも「盆景」が反映されるようになり、江戸時代には盆景の専門書も出版されるようになりました。特に自宅に庭がなかった江戸庶民は、盆景の基になった箱庭を作って楽しみました。同時、この箱庭作りも流行したので、盆景も商品として販売されるほど人気が出てきました。

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身近な材料でつくる盆景とその魅力

盆景は初心者でも作りやすい身近な立体造形芸術です。

必要なものは、お盆あるいは浅い水盤、簾、再現したい風景にある植物の苗あるいはミニチュアサイズの盆栽、苔、化砂などです。簾は、ざるそばなどの盛る「ざる」等についているものでも大丈夫です。また、風景を再現する際に使う小物などは、「ガチャガチャ」の景品の中にも使えるものが沢山あるので、見つけやすいです。

最初に作りたい風景の写真やスケッチを用意します。お盆や水盤のサイズに合わせた簾を置きます。次に表現したい風景のスケッチや写真などを見て、植物、苔、石、化砂などの配置を考えながら、山、川、滝、里山などの風景を作っていきます。盆景の種類によっては、雑木と苔だけで雑木林を再現したり、古い古民家の模型をおいたりして風情を楽しむこともできます。盆景の題材として、山の渓谷や滝爆、里山の雑木類や野鳥、岸壁に自生している松などの自然の美しい光景は世界中にあるので、旅先で出会った美しい光景を盆景として再現することも楽しいです。同時に盆景を作っていると、思い出も蘇ってきます。

また、盆景はお盆や水盤だけでなく、小さな豆鉢や身近にあるお皿なども活用できるので、リサイクルショップやフリーマーケットなどで盆景の材料を見つけることも楽しいです。盆景は、基本的な材料である植物や樹木を中心として構成します。次に再現した川や池に小さな魚の模型を入れたり、野鳥や鷹の模型を岩山の高地に置いたりして、バリエーションが豊富な作品をつくることができます。

盆景は美しい日本や世界の大自然を自由に再現できるので、楽しみながら作ったり鑑賞したりすることができます。また、自分で作った盆景は、「自分だけの」伝統的立体芸術作品です。

盆景は盆栽や箱庭と一味違った風景を再現することができるだけでなく、サイズも自分の好みの大きさのお盆や水盤を使用することができるので、小さいものから大きいものまで自由に作ることができます。同じ材料を使って複数の人が盆景を作っても素植物や石などの配置によって、それぞれ異なった作品が出来上がります。これも盆景の魅力の一つです。

まとめ

盆景は鑑賞することも良いですが、自分で作る過程も楽しいです。日本だけでなく世界各地には美しい風景が沢山あります。そのような風景をお盆や水盤に立体的に再現することができる盆景は、日本古来の伝統芸術です。

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