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Cheese Cake ―愛されるチーズケーキの歴史と秘密

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チーズケーキの始まり

チーズケーキは、レアタイプ、ベイクドタイプ、スフレタイプ……と種類がいろいろあり、幅広い世代に愛されているお菓子です。チーズケーキはどのような経緯をたどってこのように多くの人から愛されるケーキになったのでしょうか。

アメリカでチーズケーキに使われたのは主にクリームチーズでした。クリームチーズは加熱殺菌された牛乳と生クリームを乳酸菌で発酵させたもので作られています。こうした製法のルーツは古代ではアジアで作られていたという説あります。実際にチーズを使って作られたケーキらしきものは、紀元前776年に開催された古代ギリシャで開催されたオリンピックで選手たちに振舞われたといいます。

古くから伝わるチーズを使ったケーキは、時を超えアメリカで、こってりとした“ニューヨークチーズケーキ”として世界に広がりました。また、ヨーロッパ・フランスにおいても、チーズケーキはまた違った形で変化し、あっさりしたスフレタイプのチーズケーキとして世界に広がりました。見方によっては対照的な結果となったアメリカとフランスのチーズケーキですが、アメリカとフランスとでは何が影響してこのようにチーズケーキを変化させたのでしょうか。

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フレッシュチーズに乳脂肪分をプラスしケーキにしたアメリカ

アメリカでのチーズの始まりは1620年ごろ。乳牛が国内に入り始めた頃に作られました。その後、1650年ごろのニューイングランド地方において、セミハードなチェダーチーズの生産が本格化されました。

クリームチーズの起源になったのは、フランスのチーズ“ヌフシャテル”というチーズで、牛乳だけで作られた低脂肪のタイプでした。このチーズにアメリカでは乳脂肪分が加えられて、現在の“クリームチーズ”になりました。

その後、ベイクドチーズケーキの材料ともなるクリームチーズは1872年に作られ、1880年にNYのチーズ卸業者A・L・レイダースによってアルミ箔に包んで販売されるようになりました。

さて、このようにできたクリームチーズがチーズケーキになっていくのですが、その起源となった説が2つあります。一つは、ポーランドの“ヤルニック”という郷土菓子が、アメリカ渡ったポーランド系の移民によって伝えられたという説と、もう一つはNYに移り住んだユダヤ系の移民の“ジューイッシュ料理”のお菓子から来たという説です。

どちらもアメリカに移り住んだヨーロッパ系移民によって広がりました。ただ、チーズケーキという大きく分けたカテゴリーの中で、“ニューヨークチーズケーキ”として変化したのが、ユダヤ系移民によって広げられたジューイッシュチーズケーキでした。そのケーキに、アメリカのグラハムクラッカーを砕いて底に敷き、“ニューヨークメソッド”と呼ばれる焼き方、最初は高温で焼き付けそのあと低温で火を通し、庫内で冷ますという方法を使ったことが”ニューヨークチーズケーキ”という名称がつけられた理由となりました。

フレッシュチーズそのまま使ってケーキにしたフランス

かたや、フランスではチーズは塩味で熟成されたもの、というのが一般的な感覚でした。そのため、“甘いお菓子”でチーズを使う考えが芽生えなかったようです。それでもフランスでチーズケーキが作られるようになり、チーズのお菓子に乳脂肪分0の“フロマージュ・ブラン”などが使われるようになりました。フランスではスフレタイプのケーキや、あっさりしたチーズケーキが好まれたようです。

スフレタイプのチーズケーキというと、日本でもお馴染のカステラのように“ふわっ”としたチーズケーキで、表面にあんずジャムが塗ってある、ちょっと懐かしい感じがするタイプのものですね。

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フランスの真っ黒なチーズケーキ“トゥルトー・フロマージュ”

フランス西部のポワトゥー・シャラント地方に珍しい真っ黒なチーズケーキがあります。名前は“トゥルトー・フロマージュ”。ポワトゥー・シャラント地方で捕獲されるカニ“トゥルトー”の甲羅の形に似ていることから、この名前がケーキにつけられました。

失敗からできた成功作で、焼きすぎて焦げてしまったケーキを食べたらおいしかったことで商品化されました。

この“トゥルトー・フロマージュ”もヤギのフレッシュチーズを使用したものでした。これに小麦粉に卵、レモンの表皮、砂糖を足して真っ黒になるまで焼いたもので、黒い部分は食べなくてもいいようですが、フランス人は黒い部分も一緒に食べるそうです。ちょっと体に悪そうですよね。

タイプは違っても美味しいチーズケーキ

アメリカ、フランスと文化が違ったおかげで、全くタイプの異なったチーズケーキが出来ました。どちらも美味しいケーキであること、多くの人に愛されていることは間違いありません。

筆者も最近チーズケーキ作りにはまり、一般に紹介されているチーズケーキの書籍を購入しひたすらに作り続けました。中でも、一番“美味しい!!”と感じた書籍を載せましたので参考にして見てください。
アトリエ・タタンのチーズケーキ  著作/渡部まなみ 定価/1500円
※トゥルトー・フロマージュの作り方も載っています。

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