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初心者が初めて育てる百日紅の盆栽

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百日紅は、「ヒャクジツコウ」とも呼ばれている花もの盆栽の仲間でが、花だけでなく幹肌や寒樹も美しい盆栽なので、趣味として盆栽を始めたばかりの初心者におすすめの樹種です。

沢山の美しい見所を持っている百日紅の盆栽を初心者が初めて育てるためには、2つの基本的な作業ポイントと四季を通して楽しむための7つの管理ポイントがあります。

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2つの基本的な作業ポイント

初心者が初めて百日紅の盆栽を育てる基本的な作業ポイントは、植え替えと管理の2つです。

* 植え替えのポイント

百日紅の盆栽は春と秋に植え替えをすることができますが、初めて植え替えをする場合は春に植え替えをすることです。初心者が秋になって百日紅の盆栽の植え替えをした場合は、植え替えした後に冬の防寒対策が十分にできないと枝枯れを引き起こしてしまうことがあります。そのため盆栽初心者が植え替えをする場合は、春に植え替えをすると安心です。

春の植え替えは、新芽が出て来る4月の中旬から5月の中旬までが適期です。特に百日紅の新芽が動き出す頃が一番適していますが、ある程度新芽が伸び出した後でも5月の中頃までに行えば大丈夫です。

百日紅の根株に付いている古い土は3分の1から半分位落とし、根株の周りにある「走り根」を半分位切り詰めます。この走り根はあまり沢山切り詰めてしまうと枝を徒長させてしまうので、半分以内で根を整えます。植え替えには、赤玉、桐生砂、腐葉土を6:2:2の割合で混ぜた用土を使います。

百日紅の盆栽の植え替えは、2年に一回の割合で行います。毎年、百日紅の盆栽の植え替えをすると樹木を若返らせてしまうので枝が徒長して長く伸びた先端に花が咲いてしまいます。そのためせっかく美しい花が咲いても樹形が乱れた百日紅の盆栽になってしまいます。

* 管理ポイント

百日紅の盆栽を初めて管理をする際のポイントは、置き場所、水遣り、施肥の3つです。

―置き場所
百日紅は、陽当たりの良い場所を好む樹木なので、朝から日没まで陽当たりが良く、風通しが良い場所に置いて管理をします。夏の暑い時期は、直射日光が当たる場所に置いても大丈夫です。陽当たりの良い場所で百日紅の盆栽を育てると葉や枝の生育も良くなります。

一方、百日紅は冬の寒さに弱い樹木なので、落葉が終わったら防寒対策が必要です。特に鉢土が凍ってしまうと枝枯れを引き起こしてしまいます。

―水遣り
百日紅は水を好む樹木ですが、大量に水を与えてしまうと枝が徒長して樹形が乱れてしまうので、鉢の表土が乾いてきたら水を与えます。日頃から鉢の表土の乾燥状態をチェックしながら水遣りをすることが大事です。

―施肥
百日紅の盆栽の施肥は、年4回行います。施肥をする時期は、5月中旬から下旬、開花直前の7月中旬、開花後の9月、そして10月です。また、植え替えをした場合は、その3週間後位に1回施肥を行います。肥料は、油粕、骨粉、魚粉を5:3:2の割合で混ぜて与えます。

四季を通して楽しむための7つのポイント

四季を通して百日紅の盆栽を楽しむためには、7つのポイントがあります。

* 春の整姿作業

1つ目のポイントは、春に行う整姿作業です。この作業は、植え替え作業をする前に行います。この作業の適期は、春のお彼岸頃の3月下旬頃です。作業の仕方は、前の年に伸び出した枝を全部切り詰めることです。どの枝も二又になるように整姿して行くことが大事です。特に枝分かれしている場合は、2~3節位残して切り詰めて行きます。この作業が終わった後に植え替えをすると、新しい新芽が出てきます。

* 花芽の付く枝の把握

2つ目は、整枝の作業を始める前に花芽が付く枝とその位置を事前に把握することです。百日紅の花芽は、春から伸び出した新梢の枝先に付き、この花芽が夏になると花を咲かせます。しかし、春に伸び出した新梢をそのままにしておくと40センチ前後まで伸びてしまうので樹形を乱すだけでなく、見た目も良くない百日紅の盆栽になってしまいます。

この新梢の剪定は、5月の中頃までに行います。作業手順として、百日紅の樹形全体から伸び出している新梢を伸び出している元から2節位残して切り詰めます。この切り詰め作業をした後には再度2番芽が伸び出して、枝の先端に花芽をつけます。

初心者が花芽の付いた百日紅の新梢を切り詰めてしまうと、夏になったら花が咲かないかも知れない不安がありますが、5月の中頃までに春に伸び出した新梢の切り詰め作業を行うと、再度花芽が出て来るので心配ないです。

* 新梢を切り詰めない百日紅の盆栽

3つ目は、同じ百日紅の盆栽でも新梢があまり伸び出さない樹木の整姿の仕方です。そのような盆栽の樹木は、春の整姿作業の際、あまり切り詰めたりしないことが大事です。新梢があまり伸び出さない百日紅の盆栽の樹木は、盆栽鉢の中で長く育てたたものです。このタイプの樹木は小枝が多いので、新梢が長くのびたりしないのが特徴です。そのためあまり切り詰めたりする必要がないです。逆に切り詰めてしまうと花芽を切ってしまう恐れがあるので、注意が必要です。

* 花後の作業

4つ目は、百日紅の盆栽の花を毎年楽しむために行う花後の作業です。

春から伸び出した百日紅の新梢は、花が咲き終わったらすぐに切り詰めます。この作業の仕方は、百日紅の盆栽の樹形全体を見ながら、枝を切り詰めて行きます。また、この作業は遅くても9月の中頃までには終わらせることが大事です。この作業を晩秋に入って行うと枝が太くなり、枝先に繊細さが無くなり、ゴツイ枝になってしまいます。

* 太い枝の整姿作業

5つ目は、太い枝は出来るだけ切らない事です。百日紅の盆栽の太い枝を整姿する場合は、冬の準備を始める11月に行うことが大事です。むやみに太い枝を切り詰めたりすると傷口が残ってしまうので、百日紅の見所である美しい幹肌の美観を損ねてしまいます。そのためできるだけ太い枝などは切り詰めたりしないように剪定をしますがやむを得ず切らなくてはならい場合は、秋の終りに入った11月に太い枝は切り詰めます。

* 樹形だけを楽しむための整姿作業

6つ目は、樹形だけを楽しむ整姿作業です。百日紅の花は美しいので、毎年楽しみにしている盆栽愛好家も多いですが、花を咲かせないで樹形だけを楽しむためには、小枝を増やすことです。

樹形だけを楽しむための整姿作業の仕方は、春になり新芽が伸び出して硬くなったら伸び出した新芽を3節位残して切り詰めます。新芽を切り詰めた後には、再度2番目が出てきます。この新芽が固くなったら再度同じ切り詰め作業をすると、小枝を増やすことができるので、百日紅の盆栽の樹形を美しく仕立てることができます。

初心者は百日紅の花と樹形だけを楽しむための盆栽を育てると、両方の魅力を楽しむことができます。

* 針金掛け

7つ目は、針金掛けです。百日紅の盆栽の針金掛けは、6月頃に入ったら行い、梅雨前には終わるようにします。一般的に百日紅の盆栽は樹形を矯正したりする場合、樹皮が傷つきやすいので針金かけ以外の方法で樹形や枝の矯正を行います。しかしながら、針金かけで樹形を矯正する場合は、枝や樹皮を傷めないように注意をしながら行います。

初心者が初めて育てる盆栽として、百日紅は育てやすいのでおすすめの樹種なので、夏の絢爛な花だけでなく幹肌や冬の寒樹も楽しんでみませんか。

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花が鮮やかで寒樹が美しい百日紅の盆栽

百日紅の盆栽は、夏になると色鮮やかな花が咲き開花期間も長く、落葉が終わった冬には美しい幹肌や寒樹を楽しむことができる雑木盆栽の一つです。

原産地は中国南部の百日紅は、日本の大和草本に記載されていることから1700年代より以前に中国から日本に入って来た可能性があるので、百日紅は日本の樹木の中でも歴史ある樹木の一つです。

百日紅の特性、枝を増やす剪定の仕方や日頃の管理の仕方のポイントが分かると、百日紅の盆栽の美しさや魅力を最大限に引き出すことができます。

百日紅の特性

百日紅はミソバギ科サルスベリ属の落葉小高木です。冬の寒さには若干弱いですが夏の暑さには強い樹木なので、盆栽以外にも庭木や公園などの樹木として植えられています。

春から伸び出した新しい枝は6月頃になると生長が止まり、夏枝が伸び始めると柄にびっしりと蕾が付き、花を咲かせていきます。百日紅は漢字の如く100日も開花期間はないですが、一カ月ぐらい花を楽しむことができます。花の色は白、薄紅色から濃い紅色、薄桃色から濃い桃色、紫色、覆輪模様などがあり、花びらは6枚あり、花弁は縮れてフリルの様になっています。開花後は楕円形や球形の結実がつき、熟すと中に入っている薄い翼がついた種が飛び出します。元々葉が小さいものもありますが、種類によっては葉の大きさが普通であっても小さい盆栽鉢で育てていくと葉の大きさも次第に小さくなってきます。

また、百日紅の樹皮は、褐色をしていますが、ところどころ剥がれた樹皮の下から滑らかな白い幹肌が現れて、縞模様になっている部分もあります。樹皮がはがれた部分はツルツルしているので猿が樹木から滑って落ちてしまうことから、“猿滑り”の名が付けられたとも言われています。百日紅は、雑木類の盆栽としても魅力がありますが、冬の寒樹は格別な美しさがあります。

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枝を倍々に増やしていく百日紅の剪定

百日紅は4月頃になる新しい芽を出し、8月頃には鮮やかな花が咲き、11月の中頃から落葉が始まり、12月から2月の終わり頃までは休眠期です。剪定を行う時期は、新芽が出る3月、花芽が付く前の5月から6月、落葉が始まる前の10月です。落葉後に剪定を行うと新梢が出てきて他の枝を傷つける恐れがあるので徒長枝は、3月、5月、10月頃に切ります。

―枝を倍々に増やす春先の剪定
3月頃に行う春先の芽出し前の剪定では、前年度に出た枝に2~3芽を残して切り詰め、今年の春に新しく出た「春枝」を伸ばします。百日紅はその年の春に伸びた枝にその年に咲く花芽が付く特性があるので、さらに梅雨に入ったら2節くらい残して切り詰めると短い枝が増え、夏の終わりになるとその枝に沢山の花が咲きます。

つまり、来春になったら今年伸びた枝についた2~3芽を残して枝を剪定すると、その枝に2本の枝が伸び、6月に再度2~3芽残して切り詰めると合計4本の枝が増えることになります。この剪定によって複数の脇芽を増やすことができるので、枝打ちが細かい樹形に仕上げることができます。

―開花後の剪定
夏に開花した花枝を3節位切り戻すと新しい蕾がついて開花するので、開花後の剪定により開花期間を長く伸ばすことができ、花を楽しむことができます。

また、花は春に伸びた枝に咲くので夏から秋にかけての開花期間迄は、樹形も乱れがちになります。9月のお彼岸過ぎ頃まで百日紅の花は咲いているので開花後は、出来るだけ早く花柄を取り除いて樹木を休ませることがポイントです。この剪定作業をしないと結実が付いてしまいます。

―針金掛けよりお奨めのハサミの剪定
冬の寒い時期は、百日紅の枝が折れやすいので針金掛けは、5月から6月の梅雨入り前までに行います。針金掛けをする際は新しい枝に針金を掛け、幹肌に針金がこすれて傷が付いたりしないように注意が必用です。

百日紅の盆栽の樹形作りをする場合は針金掛けも大事ですが、できるだけ初心者の場合はハサミによる剪定で樹形を作っていく方法がおすすめです。

寒さに弱く水を好む百日紅の盆栽の管理

―最適な置き場所
百日紅の盆栽は、一年を通して陽当たりが良く風通しの良い場所で管理することが大事です。

百日紅は寒さに比較的弱く、冬の時期は乾燥した冷たい風により細い枝などが枯れやすいので、軒下や室内で管理する方が無難です。特に霜が降りる頃は、室内で管理した方が安心です。植替え時期である3月頃になったら室外に出して管理します。

夏の酷暑時期は、強い直射日光や西日が当たる場所での管理は避けますが他に移動することが難しい場合は、寒冷紗や葦簀等で日焼け対策を行えば大丈夫です。

―水やり
百日紅は水を好む盆栽なので、水を切らすことがないように注意することが大事です。日頃の水やり管理の基本は、鉢の土の表面が乾いたら鉢穴から水が流れ出るくらいたっぷりと与えことです。

新芽が出てくる春頃の水やりは、1日朝夕の2回位です。5月から6月頃は花芽の分化期に入り、この時期に水やりを控えると花芽数も多くなるので、土の表面が乾いたら水を与える程度にします。

夏の開花時期は1日2~3回位ですが酷暑時期は、土の表面に苔などを貼ると乾燥を防ぐことができます。この開花時期に水切れが生じると花は咲きにくくなってしまうので、水切れをしないように注意が必用です。冬の休眠期は2~3日に1回位です。

百日紅の盆栽に花芽を多くつけるポイントは、剪定や日頃の管理だけでなく水のやり過ぎに注意することです。

―植替えと施肥
百日紅の盆栽は根の発育が良いので根詰まりしやすいため、毎年3月から4月に植替えをすると良いです。若木や小さい盆栽は、1~2年に一度、成木は2年に1度ぐらいの割合で植替えをします。

植替えは、新芽が動く4月頃が適期です。植替えをする際、古い根は切り落とし、用土は赤玉土の小粒を使いますが、硬質タイプの鹿沼土の小粒を少量混ぜて使っても良いです。特に細い根が多い場合は、赤玉土を多く入れると保水性が高まります。

百日紅は肥料を欲しがる植物なので、盆栽の場合も同じように充分に肥料を与えます。基本的には春と秋に花木用の肥料を与えますが、梅雨、真夏、落葉期間の施肥は控えます。春は5月から6月の梅雨入り前まで、秋は9月から10月にかけて一月に1回位の割合で固形の油粕等を与えます。油粕に骨粉、リン酸、カリ分が豊富に含まれている固形肥料も良いです。

―アブラムシに注意が必用な害虫対策
百日紅は比較的丈夫な樹木ですが、アブラムシが付きやすく、うどんこ病やすす病などにかかりやすいので、注意が必用です。特にはアブラムシを見つけた時は出来るだけ早く駆除しないとアブラムシの糞がすす病を引き起こしてしまいます。

まとめ

夏に色鮮やかな花を咲き、冬に美しい寒樹を楽しませてくれる百日紅の盆栽が向いている主な樹形には、今でも倒れそうな姿の「斜幹」、岸壁に垂れ下がっているような「懸崖」、幹が曲がり直幹より柔らかい印象がある「模様木」などがあります。春先に枝を倍々に増やしていく剪定をして細い枝や花芽を増やし、他の盆栽と同じように様々な樹形作りにチャレンジして、百日紅の盆栽仕立てを楽しんでみませんか。

また、百日紅の盆栽の剪定や管理に少し慣れてきたら、園芸店等で購入出来る苗ではなく実生、挿し木や取り木等で、百日紅の盆栽を増やしてみませんか。

「模様木」仕立てで楽しむ百日紅の盆栽

暑い真夏の時期に花が咲いている樹木は少ないですが、百日紅はピンク、真紅や白の花を咲かせて楽しませてくれます。
百日紅は、暑い夏ほど、花も美しく彩る樹木です。また、百日紅は幹肌も美しい樹木なので、「模様木」の樹形に仕立てる百日紅の盆栽は、美しく彩る花と幹肌の華やかさも加わって、暑い夏の季節に見事な花と樹形を楽しむ盆栽に仕上げることができます。

百日紅の「模様木」づくりは、初心者でも作りやすい樹形です。庭木や鉢植えで育てている百日紅も美しいですが、盆栽に仕立てた百日紅は、新たな自然の美しさを楽しませてくれます。

「模様木」はどんな樹形

真夏の暑い時期に綺麗な花が咲き幹肌も美しい百日紅を「模様木」の樹形に仕立てると、百日紅の自然の美しさが引き立った盆栽に仕立てられると言われておりますが、「模様木」はどのような樹形なのでしょうか。

・樹形の種類
盆栽の樹形には、「模様木」以外にも数多くあります。典型的な主な樹形は、「直幹」、「双幹」、「寄せ植え」、「文人木」、「ほうきづくり」、「懸崖」、「石付き」、「模様木」の9つです。特に「模様木」の樹形は、盆栽の樹木の持っている優しさと柔らかさ、そして自然の美しい流れを表す樹形です。「模様木」の樹形は、花もの、実もの、松柏、雑木など、どの樹種でも仕立てやすい樹形です。

・模様木の特徴
「模様木」の樹形は、幹が樹木の根元から梢(頂部)まで曲線を描くように伸びている樹形です。また、この幹の曲線は、少し曲がっている樹形からから強く曲がっている樹形まで、曲線の範囲は広いです。特に曲線が少ないものは「薄模様木」とも呼ばれています。

「模様木」の樹形は、幹元から樹木の梢(頂点)までまっすぐに伸びている「直幹」と呼ばれている樹形に比べて自然の流れが感じられる樹形なので、樹木全体に優しさが感じられます。この「模様木」の樹形は、自然の中で自生している樹木の姿をそのまま盆栽鉢の中で再現することができる樹形です。

また、幹模様がある樹木は、枝を上手に配置して、幹が見えかくれするように工夫して仕立てます。枝の模様は針金掛けで作ることが基本ですが、樹種によってはゴムや和紙を使って枝を曲げたりして、枝の模様を作ります。

また、盆栽の樹形の一つである「模様木」は、自然の中で自生している樹木が本来持っている自然の美しさが一番表われている樹形なので「模様木」の樹形は、四季のある日本の風土の中でそれぞれの季節ごとに盆栽の樹木の美しさを表すことができます。そのため多くの樹種に仕立てられている樹形です。

「模様木」と呼ばれている樹形は、別名「立木」や「曲幹」とも呼ばれています。「模様木」に仕立てられている盆栽は、幹が「直幹」のように真っ直ぐでなく、多少曲がりながら立っているものや曲がり具合が強いものなどがあります。また、幹が左に大きく曲がりながら右によじれたりして上に向かって伸びたり、枝も前後に曲がりながら伸びたりしている盆栽も「模様木」の樹形です。

「模様木」に仕立てられた百日紅の盆栽は、根張り力強さがあり、幹模様の曲がり方には自生しているような緩やかさがあります。その曲がり方が樹木の先端に向かって小さくなっています。さらに、百日紅の盆栽の樹芯が、幹元の方に向かって仕立てられた「模様木」の樹形は、自然の中で自生している百日紅の樹木の美しさが現れています。

百日紅の「模様木」仕立ての作り方

百日紅の盆栽を「模様木」の樹形に仕立てるための適期は、剪定を行う適期と同じ11月から2月です。

最初に盆栽用として育てている百日紅の鉢植えの苗木の中で、「模様木」作りに向いているものを選んで剪定をしていきます。選んだ盆栽用樹木を上下・左右から見渡して盆栽の芯にする枝を決めます。初めて百日紅の「模様木」作りをする場合は、真ん中の枝を芯として選ぶと無難です。次に芯より高い位置にある枝や小枝を整姿していきます。

また、不要な枝は元から切り詰めていきます。その際、長い枝や短い枝が複数出ているところは、一度に枝の切り戻しはしないで切り詰めます。芯となる枝を傷めないように注意をしながら長い枝、次に短い枝を切り詰めていくような「二度切」あるいは「三度切り」をしていくと失敗しないです。また、不要な長い枝や短い枝がある場合も、切り詰めていきます。盆栽の樹形づくりは、急いでする作業ではないので、心にゆとりをもってゆっくりと行うことが大事です。

「模様木」作りの針金掛け

剪定が終わった百日紅の盆栽用樹木は、不要な枝を切り詰めたので樹形がすっきりしています。この鉢植えにされている盆栽用樹木の芯と小枝に針金を掛けて模様をつけていきます。

小枝に針金をかけるやり方は、二本に分かれている枝を1本の針金でかけます。つまり、二本に分かれている枝の分かれ目の所に1本の針金の長さの真ん中を当て、2つの針金の先端がそれぞれの枝先に向かって針金をかけて、枝に模様をつけていきます。
このやり方の方が、一枝に1本の針金をかけるより、枝が曲がりやすいです。また、枝に針金をかけて作る模様は、横から下のほうへ自然と流れるようにイメージしながら曲げていくと、自然の美しさが出てきます。しかし、あまり無理をして横から下の方に曲げる必要はなく、自然の流れに沿って丁寧に曲げながら模様を付けていきます。全ての小枝の針金掛けが終わると、百日紅の盆栽の樹木も見違えるように樹格が良くなってきます。

また、百日紅の小枝は他の盆栽の樹種に比べて少し硬いので針金をかける際は、あまり無理に力を入れて曲げたりすると、枝が折れてしまうことがあるので注意が必要です。

百日紅の「模様木」作りを初めて行う際の注意点

盆栽用に仕立てるために育てている百日紅の盆栽用の苗木を使って、初めて「模様木」に仕立てる場合は、最初から「模様木」に仕立て上がった百日紅の盆栽の姿を想像することは難しいです。しかし、最初に樹形の幹や枝ぶりをみて、「模様木」に仕立てられた百日紅の盆栽を想像したイラストを描いておくことは大事です。

また、芯の決め方によって樹形全体の流れが異なってしまうので、樹木の芯を決めたり不要な枝を整理したりすることは、初心者にとって難しい作業です。しかし、ゆっくり時間をかけて自然の流れに沿って芯を決めて不要な枝を切り詰めていくと、上手く作業ができます。芯の決め方や小枝や不要な枝の整理をする際は、十分に時間をかけて行うことが大事です。

しかし、百日紅の鉢植えは幹の立ち上がりが良くないものもあるので春の植替えをする時は、植木鉢から根株を傷めないように抜き、そして鉢の中に斜めに抜いた根株を置いて、幹の立ち上がりを変えてみます。

百日紅は花もの盆栽ですが「模様木」の樹形に仕立てると、暑い夏に色鮮やかな花と樹形を一緒に楽しむことができる盆栽に仕立てることができます。

百日紅の「模様木」の樹形に仕立てた盆栽は「はなもの盆栽」なので、樹形だけでなく美しい花も楽しむことができます。
夏は暑くて鬱陶しい季節ですが、夏真っ盛りの最中に美しい桃色、真紅や白の花が咲き誇っている「模様木」仕立ての百日紅の盆栽は、夏の季節だけ樹形と花の美しさを楽しむことができる盆栽です。
自分の好きな花色の百日紅を選んで模様木仕立ての盆栽を作ってみませんか。

百日紅の原産地と花言葉をたどって

「百日紅(サルスベリ)」もよく庭に植えられている木ではないでしょうか。
初心者でも育てやすく自然に樹形も整いやすく開花期間も長いので人気があります。
樹高は2m~10mと言われる木です。「百日紅」の人気に迫るべく原産地と花言葉についてたどってみたいと思います。

百日紅の原産地は?長く花が咲く秘密は?

「百日紅(サルスベリ)」の原産地は中国南部となっていて、強い耐寒性を持っています。「百日紅」の漢字表記について由来はというと、開花期が100日にもわたるような長期間になることから名前が付けられています。7月~10月が開花期間で夏から秋の3か月間ほどにわたって花が咲きます。
なぜそれほど長く咲くのかといったことについてですが、それぞれの枝に生育のばらつきがあり、その枝がそれぞれ新梢を伸ばすことによります。個々の枝先に多くの花芽ができ、それが順次に咲いていくことから長く咲き続けます。
私たちにとっては夏から秋ととても長く花を観賞できますので楽しみが多く、庭木としての人気があります。たくさんの花はピンク、赤、白といった花色も鮮やかで色も人気の一つです。
「百日紅」は、花がたくさん咲き、長く楽しめること、耐寒性があって初心者でも育てやすいことなど庭木として育てるにも魅力がたくさんです。

長く花を咲かせるために注意をすることは?

そんな育てやすい「百日紅」ですが、あまり花が咲かないこともあります。どんなことに注意をしたらいいのでしょうか。
日当たりが悪いとあまり花を咲かせませんので日当たりのいい場所に植えるように注意をしましょう。また、剪定をすることで翌年の花がよく付くようになりますので剪定も大事です。落葉した1月~3月に剪定をしてあげましょう。
切り詰めた枝からまた新しい枝が出てたくさんの花を咲かせるようになりますので1月~3月の冬の剪定は思い切って行うのが花をたくさん咲かせるコツです。

百日紅の花言葉は

そんな「百日紅」の花言葉について調べてみたいと思いますが、「雄弁」「愛嬌」「不用意」「あなたを信じる」「潔白」などいろいろな花言葉が付けられています。花が枝先にたくさん付く様子から「雄弁」といった花言葉が誕生しているようです。それほど花がたくさん咲くといった印象が強い木です。
また可愛らしい小さな花がいっぱい付くことから「愛嬌」という花言葉も「百日紅」らしいものです。
ただ、そんな「百日紅」には名前にちなんだ悲しい伝説もあります。朝鮮半島に伝わる伝説では、旅をしていた王子が、竜神の生贄にされた娘を救い恋におちます。その後、百日後の再開を誓って帰ってくるのですが、約束の日の前に娘が亡くなってしまい悲しみにくれたという話が残っています。
そして、そんな悲しみの地から1本の木が生え紅色のかわいい花を100日間も咲かせ続けたことから「百日紅」と名付けられたと言われています。
「百日紅」の「愛嬌」といった花言葉とはかけ離れた悲しい伝説もあり、その花の可愛さゆえに悲しい恋の伝説も残っているのかもしれませんね。「あなたを信じる」「潔白」といった花言葉はこの伝説から付いているようですね。
また、「不用意」といった花言葉もあるのですが、これは「百日紅」の幹が褐色で剥がれたように白い部分があり、縞模様でつるつるしている特徴からきています。そんな幹は「猿も滑って落ちる」ということで「猿滑り」と名前が付いたとも言われています。
猿も滑るくらいの木ということで「不用意」の花言葉の誕生となっています。

中国原産の様々なイメージの花言葉を持つ百日紅

「百日紅」の花言葉を調べてみると「雄弁」「愛嬌」「不用意」「あなたを信じる」「潔白」と全く異なるイメージの花言葉が並ぶことがわかりましたよね。可愛くて魅力的な花からくるイメージや個性的な幹からくるイメージなど様々なイメージが「百日紅」にはあるようです。
夏を代表する木で冬には落葉する「百日紅」は中国南部が原産ですが、日本でも育てやすくて人気となっています。日本に来たのも300年以上も前であると言われ、長く愛されてきた木です。
現在も庭木や街路樹として親しまれ、多く植えられているのをよく見かける「百日紅」です。魅力的な花を長くたくさん楽しむには剪定を大切にしながら育ててみるのがコツと言われています。毎年たくさんの花を長く楽しませてくれるように剪定しながら「百日紅」を育ててみましょう。

小さな苗木から育てて百日紅の花言葉の魅力も楽しんで

「百日紅」を育てる際は、小さな苗木から育て植える2週間前に土を作りましょう。深さも2倍の深くて幅がある穴を掘って植え付けます。その後の植え替えは必要ありませんので小さな苗木から「百日紅」を育てるといいでしょう。
庭に植えて「雄弁」で「愛嬌」のある花、「あなたを信じる」や「潔白」といった伝説、「不用意」な幹を楽しみながら育ててみませんか。100日間も花を楽しむことができる木はきっと私たちの暮らしの一部になってくれそうですね。

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