盆栽

盆栽一年生におすすめの五葉松の盆栽

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松の盆栽は他の樹種の盆栽の中でも代表的な存在なので盆栽に興味がある人にとって、五葉松の盆栽、一度は育ててみたい盆栽です。その松の盆栽の中でも初めて盆栽を育てる「盆栽一年生」におすすめの盆栽は、五葉松です。
松の盆栽には、黒松や赤松など複数の樹種がありますが、五葉松の盆栽は多くの盆栽愛好家に人気があり育てやすい樹種なので、盆栽経験があまりない「盆栽一年生」でも育てやすく管理もしやすい盆栽です。

五葉松の盆栽をすすめる理由

盆栽に仕立てられている松の盆栽の樹種の中でも五葉松は、盆栽に仕立てる樹種として、最も適している樹種です。五葉松の盆栽は、陽当たりの良い場所に置いて灌水に気を付けていれば樹木を枯らすことがないので管理もしやすいため、初心者でも育てやすい盆栽です。また、五葉松の盆栽は長い歳月をかけて育てていると、盆栽としての魅力や風格が段々と現れてきます。

優雅で風格のある樹木に仕立てられている五葉松の盆栽には、根張り、幹肌、枝配り、葉性の4つに魅力があります。しっかりとした根張りのある五葉松の盆栽には安定感があります。特に幹元部分の荒れた幹肌は、立ち上がりに分部にかけて長い歳月から生まれてきた風格と古木感が漂っています。また、五葉松の盆栽の枝配りは幹から分かれた枝が先端に向かって、さらに秩序良く美しく枝分かれをしています。この美しい枝分かれは、五葉松の樹形の魅力を一層引き立てています。その上、良く仕立てられて手入れがされている五葉松の盆栽は、樹木全体に不必要な部分が一つもない樹形をしているので、大自然の中で育っている五葉松の姿が盆栽鉢の中で再現されて、根張り、幹肌、枝配り、葉性の4つの魅力が引き立っています。

また、五葉松の葉は色彩が鮮明で長さも小さくまっすぐに整い、細めよりやや太めなので、葉の色と長さのバランスが絶妙です。そのため五葉松の盆栽は葉性も良いので、これから松の盆栽を育ててみたいと思っている人におすすめの樹種は五葉松です。

五葉松の盆栽を購入の際のポイント

五葉松は、一つの松ぼっくりの中にある複数の種を蒔いても同じ特徴を持った樹木が誕生しない特性を持っているので、同じ五葉松の樹木でも同じものは存在しないです。そのため五葉松の盆栽を購入する際は、産地名のブランドにこだわらないで葉性の良いものを選ぶことがポイントです。盆栽を購入する際はファッションなどと同じように産地名のブランドを最初に注目してしまうことがあります。しかし、葉性の良い五葉松の盆栽を選んで購入すると、その後の手入れや管理の作業もしやすく、風格のある五葉松の盆栽に育てることができます。

五葉松の盆栽の植替えと管理

・春の植替えがベスト
五葉松の盆栽の植替えは、他の松や雑木類の盆栽と同様に春のお彼岸頃から4月の中頃までに行います。6月の梅雨入り前頃から7月の初め頃までも植替えをするは可能ですが初心者の場合は、出来るだけ春の植替え時期に行なった方が樹木の生育も良くなります。植替えの頻度は盆栽の樹木にもよりますが、通常の若木の場合は3〜4年、成木は5〜6年に1回位の割合で植替えを行います。

植替えに使う用土は、中粒の硬質赤玉土と桐生砂を6対4の割合で混ぜたものを使います。また、赤玉土の中に硬質の鹿沼土を混ぜて使っても大丈夫です。

植替えによって五葉松の根張りは旺盛になっていきますが、根はとても弱いです。そのため植替えをする際は、五葉松の根を乱暴に取り扱ったり折り曲げたりしないで丁寧に取り扱って植替えをします。また、必要以上に五葉松の根をいじることも避けます。

・湿気と日陰が嫌いな五葉松
五葉松は湿気や日陰のある場所を嫌うので、風通しが良く朝から夕方まで陽当たりの良い場所で管理をすることが大事です。しかし、あまり日差しが強いと樹木が弱ってしまうので夏の酷暑の期間中は、半日陰の場所で管理をします。

五葉松は乾燥気味に管理した方が良い盆栽ですが、盆栽鉢の土の表面が8割位乾いてきたら、鉢底の穴から水が出て来る位まで水を与えます。

五葉松に発生しやすい害虫は、アブラムシ、ワタムシ、アカダニなどので、12月頃に石灰硫黄合剤を既定の割合で薄めて散布をしておくと効果的です。また、これらの害虫を見つけた場合は、マラソンの薬剤を散布して駆除します。

五葉松は他の盆栽とは異なり、あまり肥料を与え過ぎないことが、管理をする上で一番のポイントです。施肥は年2回の2月の中旬と9月の下旬ごろに緩効性のある油粕の固形を与えるだけで充分です。

・美しい樹形維持に必要な手入れ作業
五葉松の美しい樹形を維持するために必要な手入れ作業は、芽摘み、針金掛けと枝抜きです。これらの手入れ作業は実際に盆栽の樹形全体を見てどの程度の作業が必要か、見極めてから作業を始めることがポイントです。葉が混み合っている部分は陽当たりが悪くしているため小枝などが枯れてしまう恐れもあるので、五葉松の葉や枝を幹元から上に向かってやさしくかき分けるようにして、松の葉に覆われている枝や隠れている部分を良く観察して、これらの作業を行います。

芽摘み作業の適期は、新芽の伸び具合や樹木の状態にもよりますが、4月中旬から5月の連休頃です。春に伸びてきた新芽が同じ一つの場所から3芽以上ある所は、真ん中に長くて強く伸びている新芽を元から切り取ります。他の新芽の中でも強い芽は、葉になる部分は残して芽先半分を切り取ります。

針金掛けの適期は、9月中旬頃から11月上旬頃までです。五葉松の幹や枝は他の盆栽の樹木に比べて比較的弾力性が強いので、折れにくい特性があるので、金掛けがしやすい樹木です。しかし、針金掛けをする場合は、樹木が作りたい樹形に向いているかどうか、見極めてから針金掛けを行うことが大事なポイントです。例えば懸崖に向いていない樹木に無理やり針金掛けをして、この樹形に仕立てようとすることは避けます。懸崖の樹形に仕立てたい場合は、その樹形に向いている樹形を選んでから行います。冬の寒い時期に針金掛けをした場合は、霜や鉢が凍ったりしないように軒下などに置き、日中は陽当たりの良い場所に移して太陽の光りを充分に与えてあげます。

枝抜きは、10月中旬から3月上旬頃までが適期です。五葉松は丈夫な樹木なのでいつでも枝を切り詰めたりしても大丈夫なイメージがありますが、この適期に枝抜きをすると樹木の負担も少ないです。樹木の下から上に向かって覗いてみると、風通しや陽当たりを悪くしている不要な枝が見つけやすいです。一番下に出ている枝は将来的に不要となる枝が多いので樹形全体からその枝が出ている位置を見て、低い場合は枝抜きをして、上の方に向かって順に不要な枝を抜いていきます。一つの枝から不要な小枝が複数出ている所は、勢いの良い枝を取り除いていきます。また、古くなって残っている葉は、そのままにしておくと風通しが悪くなって幹な枝元にも陽があたらなくなってしまうので、取り除きます。

また、思い切った剪定をした直後の植替えは樹木に負担がかかるので、植替えの2〜3カ月前までに枝抜き作業を終わらせる必要があります。

まとめ

「盆栽一年生」にとって、五葉松の剪定や管理も大事ですが、良く仕立てられた五葉松の盆栽を盆栽展や盆栽美術館等で観賞することも大事です。

盆栽初心者で仕立てやすい味わいのある五葉松の文人木づくり

味わいのある五葉松の文人木づくりは盆栽初心者でもつくりやすい樹形なので、おすすめです。
一般的に文人木の樹形は盆栽初心者にとって仕立てるために難しい樹形の一つとされていますが、文人木作りの特徴や背景を理解してからつくりはじめると、初心者でも意外と簡単に五葉松の文人木づくりを仕立てることができます。

文人木の魅力と向いている樹木

五葉松の文人木の樹形づくりは、この樹形の魅力や向いている樹木を最初に知ることが大事です。

* 文人木の特徴と魅力
文人木の樹形の特徴は、枝数が他の樹形に比べて少なく、幹の流れが優しく、枝や葉の部分が樹木の上部だけにあることです。また、この樹形は他の樹形と異なり、どこかもの悲しさや寂しさがあるのでこの雰囲気を好む盆栽愛好家にとっては、魅力的な樹形です。

一般的に多くの盆栽初心者は、幹が太くて力強さが感じられる幹太の盆栽を好みます。文人木づくりの盆栽は、幹太の盆栽に比べて細くどこか寂しいさが感じられるので、盆栽初心者にあまり注目されにくい樹形です。しかし、盆栽と長く慣れ親しんでくると文人木の良さがわかってきます。

確かに幹が太く堂々としている樹形の盆栽も貫禄があり魅力的ですが、幹が細くてもの悲しさや寂しさが感じられる文人木の樹形も「枯淡」の味がでているので、風情がある盆栽です。そのため文人木づくりをした樹木は、小品盆栽の棚飾りに一鉢あると良い樹形です。また、盆栽展で幹太の盆栽を沢山観賞した後に文人木の樹形の盆栽が展示されていると、一層「枯淡閑寂」を感じることができます。

* 文人木の樹形づくりに向いている樹木
文人木の樹形づくりに向いている樹木は、幹が細くて樹丈が高く、枝が梢の周りにほんの少しある樹木です。特に幹の流れに「自然の曲」があったりしていると嫌味がなく、しゃれた文人木に仕立て上がります。五葉松、黒松、えぞ松、赤松などの松柏類や花物盆栽のミカイドウや梅などをこの文人木の樹形に仕立てると風情があり、寂しさの漂う盆栽に仕上がります。

また、あまり根張りが強い樹木はこの文人木の樹形には向いていません。同時に根張りがないものも不向きです。根張りの強い樹木や弱い樹木を文人木の樹形に仕立てても逆に文人木の魅力や風情が無くなってしまいます。

* 文人木づくりに向いている五葉松の樹木(素材)
五葉松の樹木を文人木に仕立てる場合は、「差し枝」、あるいは「落ち枝」があるものが仕立てやすいです。「差し枝」は、「役枝」と呼ばれている幹から分かれている主要な枝の中で左右のどちらか一方に強く張り出している枝があることです。「落ち枝」は、幹の高い位置から下に向かって落下しているような枝です。また、「食つき枝」とよばれる長さが短い枝が役枝」のまわりにあると、文人木の樹形の特徴である風情のある五葉松に仕立てやすいです。

五葉松の文人木づくりの作り方

五葉松の文人木づくりのポイントは、五葉松の素材の持ち味や特徴を生かしながら、仕立てていくことです。また、五葉松の樹木(素材)を文人木に仕立てる前にデジカメやスマホなどで写真を撮っておくと、文人木に仕立てた後の五葉松と比較することができ、仕立てた後の樹木に風情が表れていることがわかります。

* 文人木づくりの最初の作業
五葉松の文人木づくりをする際、最初に行う作業は必要な道具をそろえて、樹木(素材)の正面を決めることです。

文人木づくりに仕立てやすい五葉松の樹木は、実生7年位の素材です。また、必要な道具は、枝又切ばさみ、小枝バサミ、剪定ばさみ、針金切りばさみ、針金、用土、化粧鉢などです。

文人木づくりに仕立てる五葉松の樹木が素焼きの培養鉢などに植えられている場合は、根元がぐらついたりしないように針金や園芸用の紐で根元と鉢を縛って、固定させます。そして、最初に芯となる枝と正面を決めてから、文人木づくりの作業を始めます。

* 素材の魅力や特徴を理解しながら仕立てる五葉松の文人木
五葉松の文人木づくりに仕立てる樹木は、最初にその樹木がもっている魅力や特徴を理解することがポイントです。

過去に枝の剪定をした際に出来た幹の瘤がある場合は、枝又切バサミでえぐりながらその瘤を取ります。多少えぐれても後でその部分が盛り上がってくるので心配は不要です。そのため多少深めにえぐります。しかしながら、全ての瘤を取り除こうとしないで、瘤となっている1〜2か所はそのままにして短い「ジン」として残します。

* 枝に流れをつける針金掛け
幹に残っている瘤の剪定が終わったら、針金をかけて幹に流れをつけます。針金掛けは、最初に針金の一方の先端を用土の中に刺して、幹の根元から上に向かって芯にする枝まで針金を巻いていきます。流れの出ている枝は、針金を巻いて下向きにすると枝に優しい流れが出てきます。

針金掛けをしている最終に不必要な小枝などが出てきた場合は切り詰めて、すっきりとした樹形に仕立てていくことが文人木づくりのポイントです。針金掛けをする前にしっかりと剪定をしたつもりでも実際に針金を幹や枝にかけていくと、結構不必要な小枝などがでてきたりします。

針金掛けの最終は、小枝に針金を巻いて仕上げることです。樹形全体を見ながらこの作業を行うとしやすいです。小枝に針金を掛ける際は、下向きに小枝が流れるように心がけながら針金をかけて模様をつけていきます。

* 文人木づくりの最後の仕上げ
文人木づくりの最後の仕上げは、この五葉松の樹形にあう盆栽鉢に植え替えることです。新しい化粧鉢に文人木の樹形に仕立てた五葉松の樹木の植え替えをする場合は、樹形を仕立てる際に用土に刺した針金を新しい鉢にしっかりと固定をしてから、用土を追加していきます。文人木づくりをした後に植え替えも同時に行う場合は、春の植え替えのように思い切った根切りなどはしないで根先をすこし切る程度で行います。しかしながら、盆栽初心者が五葉松の植え替えをする場合は、春のお彼岸頃になってから行った方が後の管理がしやすく、生育も良くなります。

また、文人木に仕立てた五葉松のように幹が細い樹木は、縁のないすっきりとした化粧鉢との鉢合わせがおすすめです。

文人木づくりに仕立てた後の五葉松の管理

五葉松を文人木に仕立てる時期は冬の時期なので置き場所は、一日中に陽射しの当たる戸外の棚などの上が適しています。また、置き場所に潮風が当たらないこともポイントです。

水やりは、他の松柏類盆栽と同じように1日1回位です。曇っている日は、2日に1回位が目安です。また、この時期の施肥は行わないことがポイントです。

文人木づくりに仕立てた時に化粧鉢に植え替えをしなかった場合は、3月の中旬から4月の中旬の間に植え替えをします。植え替えの際は、赤玉土、桐生砂、腐葉土を6対3対1の割合で混ぜて使います。根が活着して生育も良くなってきた五葉松は、9月と2月頃に施肥を行います。五葉松の施肥のポイントは、必用非常に肥料を与えないことです。固形の油粕で十分です。

五葉松の盆栽は幹太も良いですが、幹が細くてどことなく寂しさやもの悲しい雰囲気が漂っている文人木の五葉松も枯淡閑寂感があります。盆栽初心者が文人木づくりの樹形に魅力を感じ始めたら「盆栽初心者」ではなく、「盆栽熟練者」になったサインかもしれません。

盆栽初心者で仕立てやすい味わいのある五葉松の文人木づくり

味わいのある五葉松の文人木づくりは盆栽初心者でもつくりやすい樹形なので、おすすめです。
一般的に文人木の樹形は盆栽初心者にとって仕立てるために難しい樹形の一つとされていますが、文人木作りの特徴や背景を理解してからつくりはじめると、初心者でも意外と簡単に五葉松の文人木づくりを仕立てることができます。

文人木の魅力と向いている樹木

五葉松の文人木の樹形づくりは、この樹形の魅力や向いている樹木を最初に知ることが大事です。

* 文人木の特徴と魅力
文人木の樹形の特徴は、枝数が他の樹形に比べて少なく、幹の流れが優しく、枝や葉の部分が樹木の上部だけにあることです。また、この樹形は他の樹形と異なり、どこかもの悲しさや寂しさがあるのでこの雰囲気を好む盆栽愛好家にとっては、魅力的な樹形です。

一般的に多くの盆栽初心者は、幹が太くて力強さが感じられる幹太の盆栽を好みます。文人木づくりの盆栽は、幹太の盆栽に比べて細くどこか寂しいさが感じられるので、盆栽初心者にあまり注目されにくい樹形です。しかし、盆栽と長く慣れ親しんでくると文人木の良さがわかってきます。

確かに幹が太く堂々としている樹形の盆栽も貫禄があり魅力的ですが、幹が細くてもの悲しさや寂しさが感じられる文人木の樹形も「枯淡」の味がでているので、風情がある盆栽です。そのため文人木づくりをした樹木は、小品盆栽の棚飾りに一鉢あると良い樹形です。また、盆栽展で幹太の盆栽を沢山観賞した後に文人木の樹形の盆栽が展示されていると、一層「枯淡閑寂」を感じることができます。

* 文人木の樹形づくりに向いている樹木
文人木の樹形づくりに向いている樹木は、幹が細くて樹丈が高く、枝が梢の周りにほんの少しある樹木です。特に幹の流れに「自然の曲」があったりしていると嫌味がなく、しゃれた文人木に仕立て上がります。五葉松、黒松、えぞ松、赤松などの松柏類や花物盆栽のミカイドウや梅などをこの文人木の樹形に仕立てると風情があり、寂しさの漂う盆栽に仕上がります。

また、あまり根張りが強い樹木はこの文人木の樹形には向いていません。同時に根張りがないものも不向きです。根張りの強い樹木や弱い樹木を文人木の樹形に仕立てても逆に文人木の魅力や風情が無くなってしまいます。

* 文人木づくりに向いている五葉松の樹木(素材)
五葉松の樹木を文人木に仕立てる場合は、「差し枝」、あるいは「落ち枝」があるものが仕立てやすいです。「差し枝」は、「役枝」と呼ばれている幹から分かれている主要な枝の中で左右のどちらか一方に強く張り出している枝があることです。「落ち枝」は、幹の高い位置から下に向かって落下しているような枝です。また、「食つき枝」とよばれる長さが短い枝が役枝」のまわりにあると、文人木の樹形の特徴である風情のある五葉松に仕立てやすいです。

五葉松の文人木づくりの作り方

五葉松の文人木づくりのポイントは、五葉松の素材の持ち味や特徴を生かしながら、仕立てていくことです。また、五葉松の樹木(素材)を文人木に仕立てる前にデジカメやスマホなどで写真を撮っておくと、文人木に仕立てた後の五葉松と比較することができ、仕立てた後の樹木に風情が表れていることがわかります。

* 文人木づくりの最初の作業
五葉松の文人木づくりをする際、最初に行う作業は必要な道具をそろえて、樹木(素材)の正面を決めることです。

文人木づくりに仕立てやすい五葉松の樹木は、実生7年位の素材です。また、必要な道具は、枝又切ばさみ、小枝バサミ、剪定ばさみ、針金切りばさみ、針金、用土、化粧鉢などです。

文人木づくりに仕立てる五葉松の樹木が素焼きの培養鉢などに植えられている場合は、根元がぐらついたりしないように針金や園芸用の紐で根元と鉢を縛って、固定させます。そして、最初に芯となる枝と正面を決めてから、文人木づくりの作業を始めます。

* 素材の魅力や特徴を理解しながら仕立てる五葉松の文人木
五葉松の文人木づくりに仕立てる樹木は、最初にその樹木がもっている魅力や特徴を理解することがポイントです。

過去に枝の剪定をした際に出来た幹の瘤がある場合は、枝又切バサミでえぐりながらその瘤を取ります。多少えぐれても後でその部分が盛り上がってくるので心配は不要です。そのため多少深めにえぐります。しかしながら、全ての瘤を取り除こうとしないで、瘤となっている1〜2か所はそのままにして短い「ジン」として残します。

* 枝に流れをつける針金掛け
幹に残っている瘤の剪定が終わったら、針金をかけて幹に流れをつけます。針金掛けは、最初に針金の一方の先端を用土の中に刺して、幹の根元から上に向かって芯にする枝まで針金を巻いていきます。流れの出ている枝は、針金を巻いて下向きにすると枝に優しい流れが出てきます。

針金掛けをしている最終に不必要な小枝などが出てきた場合は切り詰めて、すっきりとした樹形に仕立てていくことが文人木づくりのポイントです。針金掛けをする前にしっかりと剪定をしたつもりでも実際に針金を幹や枝にかけていくと、結構不必要な小枝などがでてきたりします。

針金掛けの最終は、小枝に針金を巻いて仕上げることです。樹形全体を見ながらこの作業を行うとしやすいです。小枝に針金を掛ける際は、下向きに小枝が流れるように心がけながら針金をかけて模様をつけていきます。

* 文人木づくりの最後の仕上げ
文人木づくりの最後の仕上げは、この五葉松の樹形にあう盆栽鉢に植え替えることです。新しい化粧鉢に文人木の樹形に仕立てた五葉松の樹木の植え替えをする場合は、樹形を仕立てる際に用土に刺した針金を新しい鉢にしっかりと固定をしてから、用土を追加していきます。文人木づくりをした後に植え替えも同時に行う場合は、春の植え替えのように思い切った根切りなどはしないで根先をすこし切る程度で行います。しかしながら、盆栽初心者が五葉松の植え替えをする場合は、春のお彼岸頃になってから行った方が後の管理がしやすく、生育も良くなります。

また、文人木に仕立てた五葉松のように幹が細い樹木は、縁のないすっきりとした化粧鉢との鉢合わせがおすすめです。

文人木づくりに仕立てた後の五葉松の管理

五葉松を文人木に仕立てる時期は冬の時期なので置き場所は、一日中に陽射しの当たる戸外の棚などの上が適しています。また、置き場所に潮風が当たらないこともポイントです。

水やりは、他の松柏類盆栽と同じように1日1回位です。曇っている日は、2日に1回位が目安です。また、この時期の施肥は行わないことがポイントです。

文人木づくりに仕立てた時に化粧鉢に植え替えをしなかった場合は、3月の中旬から4月の中旬の間に植え替えをします。植え替えの際は、赤玉土、桐生砂、腐葉土を6対3対1の割合で混ぜて使います。根が活着して生育も良くなってきた五葉松は、9月と2月頃に施肥を行います。五葉松の施肥のポイントは、必用非常に肥料を与えないことです。固形の油粕で十分です。

五葉松の盆栽は幹太も良いですが、幹が細くてどことなく寂しさやもの悲しい雰囲気が漂っている文人木の五葉松も枯淡閑寂感があります。盆栽初心者が文人木づくりの樹形に魅力を感じ始めたら「盆栽初心者」ではなく、「盆栽熟練者」になったサインかもしれません。

盆栽初心者がチャレンジする五葉松の盛夏の手入れ

夏の暑さが厳しい土用明けの8月に行う五葉松の手入れ作業は、2つあります。
一つは、「土用明けの10日後」が適時と言われている8月10日頃に行う植え替え作業です。
もう一つは、古葉取りです。

8月の盛夏時期に行う2つの手入れ作業の中でも植え替え作業は盆栽初心者にとって難しいと言われていますが、手順通りに行うと五葉松の根張りも良くなり、生育の良い盆栽に育てることができます。

盛夏時期に植え替えをする理由

一般的に五葉松と同じ松柏類盆栽の仲間である黒松、トウショウ、真柏などの植え替えは、春と秋が適時です。しかし、五葉松に限って「土用明けの10日後」と言われている8月10日頃に植え替え作業をすると、春の植え替えと同じように根張りのが良い五葉松を育てることができます。

長い間植え替えをしていない五葉松の盆栽の鉢の中は、土を隠してしまうぐらい根が張り、鉢の表面にも上根が張っています。また、根が密生して土が硬くなってしまうため水やりをしても水が鉢の中に浸透しにくくなるので、水が根のところまで届きにくくなってしまいます。そのため春に植え替えが出来なかった五葉松の盆栽は、8月の盛夏時期に植え替えをします。

しかし、盛夏時期に行う五葉松の植え替え作業は、盆栽初心者にとって難しい作業と言われていますが基本的な作業手順に従って行うと、盆栽初心者でもチャレンジ出来る作業です。

8月の盛夏時期に行う五葉松の植え替えポイントと手順

「土用明けの10日後」の8月10日頃が適期とされている五葉松の植え替えについては、3つのポイントがあります。また、植え替えの手順は秋と春の適期に行う植え替え作業の手順と同じ要領なので、盆栽初心者でもチャレンジしやすい作業です。

* 3つの植え替えポイント
8月の盛夏時期に行う五葉松の盆栽の植替えは、3つのポイントがあります。

最初のポイントは、五葉松の盆栽の樹木によって古い土を落とす量が異なることです。例えば、若木の五葉松を植え替える場合、鉢から取り出した根株に付いている古い土や不要な根などを取り除くと、根株の大きさが鉢から取り出す前の半分位になります。また、成木の五葉松を植え替える場合、鉢から取り出した根株に付いている古い土は、約3分の1位取り除きます。

2つ目のポイントは、盛夏に行う五葉松の植え替えの目的が根張りを良くするために行うので、根の整理と不要な根を取り除くことです。

根を整理する際は、土の表面から飛び出してしまっている根、絡まっている根、交差している根、枯れて黒くなっている根、不要な根などを丁寧に取り除いていきます。

3つ目のポイントは、植え替えをした後に苔張りをすることです。植え替え作業が終わった後の鉢の表土の上に苔を張ると、夏の暑い時期でも水持ちが良くなり、盆栽としても外観が美しくなります。

盛夏時期に五葉松の盆栽の植え替えをする際は、これらの3つのポイントを把握してから植え替え作業に取りかかると、盆栽初心者でも上手に植え替えをすることができます。

* 盛夏時期に行う植え替え手順
盆栽初心者が盛夏に行う五葉松の盆栽の植え替え手順は、必要な道具や用土を用意してから春に行う植え替え作業と同じ要領で行うと作業効率も良く、失敗しないです。

・植え替え前に用意する必要な道具と用土
植え替えに必要な道具は、小さめの剪定バサミ、根さばき(根かき)、鉢底網、針金などです。「根さばき」と呼ばれる道具は、古くなった土をかいたり根をほぐしたりする際に使う道具なので五葉松の植え替えには必要不可欠です。用土は赤玉7:富士砂3の割合で混ぜたものを使います。植え替えの際に鉢替えもする場合は、新たに植え付ける鉢も用意してから植え替え作業を始めます。

・五葉松の植え替え
五葉松の植え替えをする際にあまり古い根を切除してしまうと樹木に負担がかかるので、底根、幹元周辺の根、鉢周辺の根の整理をする場合は、植え替え前より3分の1位小さくすることを目安として行います。

最初に根さばきを使って根鉢の周りの土かき作業から始めます。この作業によって根が密生して土が硬くなっている根株が鉢から取り出しやすくなるので、株元から張り出している根や鉢周りの硬くなった土や苔などを丁寧に取り除いて行きます。

五葉松の盆栽は袋式タイプの盆栽鉢に植えられているものも多いので、鉢の周りの土かきをしないと株を盆栽鉢から抜くことが難しいです。また、長い間、植え替えをしていない五葉松の根は鉢の中でびっしり回ってしまい土が根の中に隠れている状態になっているので、鉢から取り出した五葉松は、最初に密生した鉢底の根と土を時間をかけて丁寧にほぐしながら根の切除と整理をしていきます。

五葉松の底根の整理の後は、幹元の周辺に張っている上根の整理を行います。上根の部分が肥料や枯根などによって土が黒くなっている場合は、その黒い部分を取り除きます。

次に鉢周辺や鉢の側面の根の整理を行います。根さばきを使って古い土をかき落としながら不要な根を切除していきます。

根の整理が終った五葉松は、赤玉と富士砂を混ぜた用土を使って盆栽鉢に植え替えます。鉢替えをしたい場合は、少し大きめの鉢に植え替えをした方が作業もしやすいです。用土は、根元まで入るように竹ばしを使って、すき込み作業をしながら鉢に用土を入れて行きます。また、針金で株元を固定した方が良い場合は、盆栽鉢の底穴に敷いた防虫ネットから針金を通して、五葉松の根株を固定してから用土を入れます。

最後の仕上げは、土の表面の苔張りです。苔の張り方は、乾燥している水苔や山苔を手で揉みながら土の表面に薄く蒔きます。もし、早く苔を生えさせたい場合は、植え替えをする前の鉢に生えていた苔を一度取って乾燥させたものを揉みほぐして土の表面に蒔きます。

植え替えが終わった五葉松の盆栽は、屋外の盆栽棚などに置いて管理します。夏の暑い時期に植え替えをした五葉松の盆栽は、水を切らさないように注意が必要です。また、夏に植え替えをした五葉松の盆栽は、冬の時期になったら寒さ除けの「室」(むろ)を作り、その中で管理をすることがポイントです。

五葉松の古葉取り

五葉松の枝を良く見ると、枝の先端に「今年葉」、その手前に「前年葉」、そして一番枝元に近い所に「3年葉」が付いています。8月の古葉取りの作業では、「3年葉」だけを切り取ります。

五葉松に付いている「3年葉」は、秋の落葉時期が来ると自然と落ちてしまいますが、8月の盛夏時期に幹周りや枝周りの風通しや日当たりを良くするために「3年葉」を取り除く作業を行います。

この「3年葉」の古葉を取り除く作業をする際は、小さな剪定バサミが必要です。五葉松の小さな枝は葉に隠れていたりしているので、剪定バサミで傷つけたり、間違って切り落としたりしないように注意をしながら整理をします。

「3年葉」を取り除いた五葉松の盆栽は、直射日光が幹元や枝元まで良く当たるようになるので、生育も良くなります。

盛夏に行う五葉松の手入れ作業は、盆栽初心者にとって難しい作業と言われているので、なかなかチャレンジできない作業です。しかし、盛夏の時期に行う植え替えと古葉取りの2つの作業は、ゆっくり時間をかけて手順通りに行うと出来る作業なので、盆栽初心者でもチャレンジ出来る盛夏の作業です。


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