盆栽

盆栽一年生におすすめの赤松の寄せ植えづくり

2017-06-02

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盆栽に興味を持った人が一度は自分で樹形づくりをしてみたいと思う樹種は松です。
どの松の樹種も樹形づくりが難しいイメージがありますが、盆栽一年でも簡単に松の盆栽作りを楽しむことができる樹形が、赤松の寄せ植え作りです。

盆栽一年生に赤松の寄せ植え盆栽づくりをおすすめする理由

盆栽一年生に赤松の寄せ植え盆栽づくりをおすすめ理由は、4つあります。

最初の理由は、初心者でも盆栽鉢の中に自分の好みの風景を自由に楽しみながら作ることができることです。盆栽には色々な樹形がありますが、赤松の寄せ植え盆栽は、自然の中で自生している赤松の松林の風景を盆栽鉢の上に縮小して作る樹形なので、イメージがしやすいです。

2つ目は、赤松の寄せ植えづくりは、盆栽鉢の上で主役となる「主木」と脇役となる「添え木」の特徴をお互いが生かしながら配置するので、立体感と遠近感を出しながら自然の景観が作りやすい事です。そのため盆栽一年生でも今までに訪れたことのある赤松の松林の風景を寄せ植えづくりによって盆栽鉢の上に再現しやすいです。

3つ目は、園芸店や盆栽市、あるいはホームセンターなどでも赤松の苗木は簡単に入手することができます。また、実生の年数が異なった苗木を利用すると、簡単に立派な赤松の松林を再現することができます。そのため赤松の寄せ植えづくりに必要な素材である苗木が簡単に入手できることです。

4つ目は、赤松は常緑樹林なので一年中葉が付いているため、いつでも同じ風景を楽しむことが出来ることです。また、赤松は葉や幹が細くて繊細な樹種ですが、寒さにも強く、多少の水不足でも大丈夫なので、盆栽一年には取り扱いやすい樹木であることです。

盆栽一年生にとって赤松は樹木が取り扱い易くいので、寄せ植えが作りやすい樹形です。また、樹形を作った後の管理もしやすいので赤松の寄せ植えは、盆栽一年生におすすめの樹形です。

赤松の寄せ植え盆栽の作り方

赤松の寄せ植え盆栽を作る最初のステップは、必要な素材(苗木)、植木鉢、用土と道具を準備することです。
浅めの楕円形の盆栽鉢、用土、作業に使う道具、赤松の素材(苗木)が必要です。浅めの楕円形の盆栽鉢は、素焼きのもので間口が60センチ前後のものがおすすめです。鉢が汚れていたら、きれいにします。用土は、小粒の赤玉土と桐生砂を7対3の割合で、用意します。作業に使う道具は、ハサミ、鉢底ネット、アルミの針金と針金切り、ペンチ、土入れ、竹ばし、箒、2種類のピンセットです。赤松の素材は、主木として10年位の素材(苗木)を1株と実生2~6年位の年数が異なった添え木の素材を数株用意します。素材となる苗木は、色が変色していたり枯れていたりしている松葉はピンセットを使って取り除きます。

2番目のステップは、主木と添え木の配置を決めることです。
最初に主木の位置を盆栽鉢の中に決めます。主木の位置はお好みによって中央から右寄り、あるいは左よりに素材を置いてみます。次に、主木とのバランスを考えながら、実生年数が2~6年の異なった添え木を1株ずつ左右に配置して、赤松の自然の風景が現れている位置を決めます。主木と添え木の配置は、「不当辺三角形」を思い浮かべながら配置をしていくと、簡単に自然が感じられる松林を作ることができます。また、自然の赤松の松林を鉢の中に再現する場合は、奥行きと空間のバランス作りが大事です。

不当辺三角形となる基本の主木と添え木2株の配置が終わったら、鉢の中に残り数株の添え木を主木とのバランスを考えて配置します。奥行きと広がりのバランスが鉢の中で上手にできない場合は、色々と主木と添え木の配置を変えながら、一番良い位置を決めます。

もし、あまり上手にできない場合は、小さな苗木を奥に配置をして、大きな苗木を手前に配置すると遠近感が出てくるので、奥行きが広く感じられるようになります。また、植え付けの際に用土を高く盛ったりして高低差をつけると、立体感が出てくるので、自然に自生している赤松の松林の風情が感じられるような風景になってきます。その際、幹が重ならないように注意しながら配置をすることが大事です。

また、立体感や遠近感を上手く出すことが出来ないので苗木を増やしたりしすぎると、返って逆効果になってしまうことがあります。赤松の寄せ植えづくりでは、鉢の上に置いた主木と添え木の配置と空間のバランスが大事なので、「何もない空間」も観賞する側には必要です。

全ての添え木の配置が終わったら、写真を撮ったりスケッチをしたりして、記録をしておくと、後の作業がしやすいです。

3番目のステップは、赤松の素材である苗木を植木鉢から抜いて、根鉢を崩す作業です。
盆栽の樹形仕立てに使う素材である苗木は、素焼きの平鉢やビニールポットなどで、育てられています。そのため寄せ植えに使う際は鉢から苗木を抜いて、根鉢を崩す作業を行う必要があります。苗木の根鉢を崩す作業は、竹ばしやピンセットを使って丁寧に根を崩し、古い根を切り落としていきます。また、苗木の株元や土の表面に付いている苔や雑草なども取り除きます。根株の下の部分は平らにして並べておくと、植付けの際に安定して植え付けやすいです。

4番目のステップは、植え付けです。
用意した赤玉土と桐生砂を混ぜたものを鉢底に敷き、写真などで記録した赤松の素材の主木と添え木を配置図通りに置いて用土を足して植えつけていきますが、数株の苗木の下には盛り土をして高低差をつけ、苗木の株が全て隠れるように用土を足しながら植え付けて、最後に水やりをします。

5番目のステップは、最後の苔張りです。
赤松の苗木の植付けが終わった後は苔張りをしない状態でも良いのですが用土の上に苔を張ると、遠近感や高低差が立体的に表れてくるので、赤松の松林をより現実的に表すことができます。

赤松の寄せ植え盆栽の管理

寄せ植えづくりをした赤松の盆栽は毎日きちんと管理をしていると、長く観賞することができます。その歳月が長くなるほど赤松の寄せ植え盆栽は、風格と味合いが出てくるので、歳月を重ねるたびに盆栽を観賞の楽しみが増えてきます。

赤松の寄せ植え盆栽を管理する場所は、陽当たりが良場所です。マンション等の庭が無い場所で管理をする場合は、ベランダが向いていますが、ベランダのコンクリートの上には直に鉢を置かず、簀の子などを敷いた上に鉢を置いて管理をします。

せっかく自分で仕立てた赤松の寄せ植え盆栽なので室内に置いて来客に見せたい場合は、室内でも管理することができますが、あまり長い期間はおすすめすることは出来ません。1~2日位室内置いたら、必ず外に出して陽当たりの良い場所で管理をします。

水やりは、春から初夏、そして秋は、1日に1~2回位です。夏の暑い時期は1日に2回位、冬の寒い時期は、1日に1回から2~3日に1回位で大丈夫です。水やりの仕方は、鉢底の穴から水が十分に流れ出て来るまでたっぷりと水を与えます。また、苔が土の表面に張ってある場合は、土の表面が乾わいているかどうかわかりにくいので、実際に苔を手で触って土の乾わきを確認します。

赤松の寄せ植えは、盆栽の樹形のなかでも作りやすい樹形なので盆栽一年生にはおすすめです。赤松の松林の風景が感じられる赤松の寄せ植えづくりを楽しんでみませんか。

「芽切」作業が不可欠な赤松の盆栽

赤松の盆栽は、「雄松」の黒松の盆栽とは対照的に女性のようなしなやかさがあるので「雌松」と呼ばれていますが、美しい樹形を維持するためには「芽切」作業が不可欠な盆栽です。

また、赤松の盆栽管理に不可欠な「芽切」の“わけ”や作業ポイントを知ることだけでなく、同時に「芽切」ができる樹木づくりも大事な作業です。

「芽切」作業が不可欠な“わけ”

6月の中旬に行う「芽切」作業は、赤松の美しい樹形を維持して樹勢の均一化を図るために不可欠な剪定作業です。春の新芽は6月の中頃になると伸び出しているので、この時期に「芽切」作業をしないと樹木は大きくなり枝も太くなり、樹木全体のバランスが乱れてきます。そのため「芽切」作業によって芽を摘み取り、小さく切り戻す作業を行います。

赤松は萌芽力が比較的弱いので、「芽切」作業は6月の中頃に入ったらすぐに取りかかると2番芽も出やすくなり、芽数も増やすことができます。

既に樹形が整っていて樹勢の均一化ができている完成樹の赤松の盆栽は、新芽の大きさにあまり差がないので、すべての新芽を切とします。

「大」・「中」の大きさの新芽だけ切る「芽切」

「芽切」作業のポイントは、赤松の盆栽の新芽の大きさを自分なりの基準で「大」・「中」・「小」分けて、「大」と「中」の大きさの新芽だけ切り取ることです。

一般的に「大」に分類される新芽は、樹形から飛び出しているくらい大きいものや同じところから複数の新芽がでているものです。「中」は「小」の新芽より大きい物です。「小」の小さい新芽は切らないで来年までそのままにしておきます。

・最初「芽切」作業手順
最初の「芽切」作業手順として、「中」の大きさの新芽から剪定バサミを使って切り落としていきます。新芽の根元に古い松葉が沢山ある場合は、4~5本位残し、残りは根元から2~3mm位残して切り落とします。

・「2度芽切」作業
最初の「芽切」作業である「中」の大きさの「芽切」作業をしてから1週間から10日位すると「小さな新芽」が出てきます。この「小さな新芽」が出てきたことを確認したら「大」の大きさの新芽を切り始める作業が、「2度(目の)芽切」作業です。「大」の大きさの新芽は勢いがあるので最後に切ることにより「小」の大きさの新芽の成長が秋ごろまでには同じ位になるので、この「2度芽切」の作業を行います。

「芽切」は松葉の長さの調整に効果的

赤松の「芽切」作業の効果は樹勢の均一化だけでなく、松葉の長さ調整にも効果があるので美しい樹形を維持することができます。

赤松の盆栽の美しい樹形バランスを保つためには、樹形全体の樹高と松葉の長さのバランスも大事なポイントです。例えば、赤松の盆栽の樹木の高さが25~30cm位に対して葉の長さが1cm位の場合は、バランスが良くないです。今年の春に伸びた新芽を5月から6月頃に根元から切る「芽切」作業は、松葉の長さを短くしたりする調整効果もあるので、バランスのとれた樹形を維持することができます。

最初の「芽切」で切った芽は「一番芽」は、春から初秋までが成長期間なので、松葉の長さも長くなってしまいます。しかしながら、「2度(目の)芽切」の作業によって新芽の根元に出た2度目の新芽(2番芽)は「2番芽」です。この「2番芽」は、7月から9月の終わり頃までが成長期なので、松葉もあまり長く伸びることができないため松葉が短い状態のままで秋を迎え、やがて休眠期に入っていきます。

「一番芽」を切ってしまった後の赤松の盆栽を初めて見た場合、松葉の数が一気に少なくなってしまうので手順を間違えたかも知れないと不安になってしまうかも知れませんが、「2番芽」が出揃うと元の状態になるので心配する必要はないです。

「芽切」作業が出来る樹木作り

―「芽切」作業が出来ない樹木
赤松の盆栽は、樹木の状態によっては、「芽切」作業をすることが出来ないこともあります。

この「芽切」が「出来ない樹木」は、赤松の盆栽の葉の色が薄緑色、あるいは黄色がかった色をしていて、一番芽の成長が著しくないため新芽が小さいです。このような状態の赤松の盆栽は今年の「芽切」作業を見送り、来年まで「芽切」作業を待つことが大事です。

「芽切」作業は、春に出た「一番芽」をわざわざ切って「2番芽」を出させるため樹木にも負担がかかるので、日頃から樹木に十分な肥料を与えて樹勢に力をつけておくことが大事です。

―「芽切」作業ができる樹木づくり
赤松の盆栽に不可欠な「芽切」作業をするためには、「芽切」作業ができる樹木作りが大事です。そのためには肥料だけでなく「植替え」、「針金掛け」、「管理」、「基本的な剪定」などの日頃の管理作業も必要です。

赤松の盆栽の植替えの適期は、新芽が出る直前、あるいは既に新芽が出始めている3月のお彼岸後から4月の中旬頃です。植替えは、小粒の赤玉土と桐生砂を8対2の割合で混ぜた用土を使います。赤松は他の松より植替えによるダメージを受けやすいので、根の崩し方や根切りもある程度控えて行います。赤松の盆栽の植替えは2年に一度ぐらいの割合で行いますが、老木の場合は3~4年に1度位で行います。その際、土を落とし過ぎたり、根を切り詰め過ぎたりすることは避けます。

赤松の盆栽の針金掛けは、2月から3月の中旬位まで間に行います。赤松の枝は柔軟性があまりなく折れやすいので他の松と同じように針金掛けをすると、枝が折れやすいので注意が必用です。そのため針金を掛けて赤松の枝を曲げたりする場合は、一度に行うのではくゆっくりと少しずつ枝の状態を見ながら行うことが大事です。1回あるいは一日で針金掛けをしようとしないで、複数回に分けたり数か月に渡って針金掛けを行なったりする方が無難です。枝を折ってしまう不安がある場合は、針金を掛ける枝に柔らかい布などをまいてから、丁寧に行うと安心です。

赤松の盆栽は、風通しが良く陽当たりの良い場所での管理が適していますが、寒さにも強く半日陰や日陰の環境でも順応しやすく比較的丈夫なので、肥料は2月から10月頃までの間に固形の油粕等を施肥すると良いです。

赤松の剪定は11月に「葉透かし」を行い、1月から2月の休眠期に基本的な剪定を行います。11月の初めに入ったらすぐに「葉透かし」の作業を始めます。「葉透かし」の作業は芽の勢を均等化し、引き締まった短い葉になり、葉の長さも揃った赤松の盆栽を作ります。葉が沢山付いていると葉に養分が使われてしまうので「葉透かし」の作業では、強い芽の部分にある葉は多く残し、弱い芽の周りにある葉は少なくして芽の力を均等化します。初心者の場合は強い芽と弱い芽を区別することが難しいので、赤松の場合は5枚位の葉を残すこと良いです。

休眠期の1月から2月にかけて行う基本的な剪定では、樹形から飛び出している枝の葉を3枚位残し、今年伸びた部分まで切り戻します。

まとめ

美しい樹形や樹勢が均一化した赤松の盆栽を維持するために不可欠な「芽切」作業は、コツさえ覚えれば意外と簡単にすることができますが、他の剪定や管理をしながら「芽切」作業ができる樹木を作ることも同じように赤松の盆栽には不可欠な作業です。

また、短期間の「芽切」作業で赤松の盆栽の美しい樹形や樹勢の均一化を期待することは不可能なので、数年かけて取り組むことが大事です。

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