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街そのものが文化遺産? 水の都ヴェネツィアの魅力

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美しき水の都ヴェネツィアの歴史

ヴェネツィアはイタリア北東部、ヴェネト州の州都です。中世にはヴェネツィア共和国の首都として栄え「水の都」「アドリア海の真珠」とも呼ばれる非常に風光明媚な観光地です。ヴェネツィアはヴェネト潟の島に上に築かれた都市であり、5世紀にゲルマン民族の侵入を防ぐため、当時は湿地帯であった場所に街が建てられたのが始まりです。その後ヴェネツィアは海洋貿易の拠点として繁栄を迎え、ルネサンス期にはヴェネツィア派と呼ばれる画家を生み出すほどに成長しました。

15世紀半ばに大航海時代を迎えると、ヨーロッパの海上貿易は大西洋や太平洋、インド洋などの外洋に移ったため、海上貿易の拠点としてのヴェネツィアは衰退をしました。

市内には多数の運河が張り巡らされていて、地上では曲がりくねった道に自動車が立ち入ることはできず、古くから市内の輸送はゴンドラと呼ばれる手漕ぎボートが中心でした。現在は水上バスやフェリーが市内に貨物を運んでいますが、ゴンドラは観光用に利用されています。

ヴェネツィアは潟の上にあるため、洪水が多く常に治水対策が重要でした。丸太の杭を潟に打ち込み、その上に建物を建てるため工法のため時間が経つにつれ沈下してしまう課題があり、さらには地下水の汲み上げによる地盤沈下や地球温暖化によって水没の危険性をはらんでいます。歴史ある街を保護することが重要な課題となっています。

ヴェネツィアの街は「ヴェネツィアとその潟」として1987年に世界遺産に登録されました。7つある文化遺産の登録基準をすべて満たしており、世界的に非常に貴重な文化遺産であることが伺い知れます。

ヴェネツィア発展の象徴であるリアルト橋

ベネチアの町の中心は大運河(カナル・グランデ)がS字上に流れており、大運河には4つの橋が架かっています。その中で最も観光客に人気なのは「白い巨象」とも呼ばれるリアルト橋です。この橋はヴェネツィアの街の中心に位置しているランドマークのような存在であり、橋の上には貴金属や革製品など多数の商店が並んでいます。ストリートミュージシャンや大道芸人などがパフォーマンスを披露し、橋の上は常に賑わいを見せています。

リアルト橋はヴェネツィアで最も早く街が発展した場所であり、商業の中心地として栄えました。最初は木製の橋でしたが、火災やパレード見物人の重みで崩壊したため、アントニオ・デ・ポンテによって設計された現在の石造アーチ橋が完成したのは1591年です。この橋は世界遺産ヴェネツィアとその潟」の構成遺産に含まれています。

世界一美しい広場といわれるサン・マルコ広場

ヴェネツィアの玄関口であり中心的な広場であるサン・マルコ広場には多数の観光客が訪れます。広場周辺のレストランにはオープン席が設けられ、音楽の演奏も行われます。サン・マルコ寺院の柱廊に囲まれている部分は台形となっていて、この広場と海に面したサン・マルコ小広場を合わせて全体でL字の形の広場となっています。小広場には2本の柱があり、中世にはこの柱は死刑執行台があったためヴェネツィアの人はこの柱の間を通り抜けないと言われています。

サン・マルコ寺院は1090年頃に完成し、十字形の平面で中央部に円蓋を持つビサンティン建築の建物です。聖マルコに捧げられた大聖堂で、9世紀にエジプトのアレクサンドリアから聖マルコの遺体が運ばれたことを記念して建てられました。

ドゥカーレ宮殿もサン・マルコ広場に隣接しています。この宮殿は8世紀に建設が開始され、14世紀から16世紀の間に改修が加えられ現在の形になりました。外観はイスラム建築を思わせるゴシック建築となっています。内部には多数の絵画が飾られており、ティントレットの「天国」やベロネーゼの「ヴェネツィア礼賛」は有名です。 サン・マルコ広場、サン・マルコ寺院及びドゥカーレ宮殿は世界遺産ヴェネツィアとその潟」の構成遺産に含まれています。

ヴェネツィア郊外の島、ムラーノ島とブラーノ島

ヴェネト潟には多数の島が点在していて、世界遺産ヴェネツィアとその潟」にはムラーノ島とブラーノ島も含まれています。ヴェネツィア郊外の島ムラーノ島は世界的に有名なヴェネツィアン・グラスの産地として知られています。この街でガラス細工が発展した発端は、ヴェネツィアの主要な輸出品であったガラス工芸の製作技術が他の国に流出されることを危機感を抱いたヴェネツィア政府がこの島にガラス職人を集めたのがはじまりであるといわれています。

ヴェネツィアの北東9kmに位置するブラーノ島はカラフルに彩られた家々が立ち並ぶ島です。
家が鮮やかに彩られている理由は、漁師が霧が深くなる冬でも家に帰れるために家に色を塗って識別できるようにしたからです。
またこの島はレース織りの産地としても知られています。漁で使う網を制作したり補修する技術がレース織に応用されて発展し、レースの資料が展示されているレース博物館も島内にあります。イタリアには「ピサの斜塔」など傾いた塔は多数ありますが、ブラーノ島にも斜塔がありこの島の象徴となっています。

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