盆栽「模様木」仕立てで楽しむ百日紅の盆栽

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暑い真夏の時期に花が咲いている樹木は少ないですが、百日紅はピンク、真紅や白の花を咲かせて楽しませてくれます。
百日紅は、暑い夏ほど、花も美しく彩る樹木です。また、百日紅は幹肌も美しい樹木なので、「模様木」の樹形に仕立てる百日紅の盆栽は、美しく彩る花と幹肌の華やかさも加わって、暑い夏の季節に見事な花と樹形を楽しむ盆栽に仕上げることができます。

百日紅の「模様木」づくりは、初心者でも作りやすい樹形です。庭木や鉢植えで育てている百日紅も美しいですが、盆栽に仕立てた百日紅は、新たな自然の美しさを楽しませてくれます。

「模様木」はどんな樹形

真夏の暑い時期に綺麗な花が咲き幹肌も美しい百日紅を「模様木」の樹形に仕立てると、百日紅の自然の美しさが引き立った盆栽に仕立てられると言われておりますが、「模様木」はどのような樹形なのでしょうか。

・樹形の種類
盆栽の樹形には、「模様木」以外にも数多くあります。典型的な主な樹形は、「直幹」、「双幹」、「寄せ植え」、「文人木」、「ほうきづくり」、「懸崖」、「石付き」、「模様木」の9つです。特に「模様木」の樹形は、盆栽の樹木の持っている優しさと柔らかさ、そして自然の美しい流れを表す樹形です。「模様木」の樹形は、花もの、実もの、松柏、雑木など、どの樹種でも仕立てやすい樹形です。

・模様木の特徴
「模様木」の樹形は、幹が樹木の根元から梢(頂部)まで曲線を描くように伸びている樹形です。また、この幹の曲線は、少し曲がっている樹形からから強く曲がっている樹形まで、曲線の範囲は広いです。特に曲線が少ないものは「薄模様木」とも呼ばれています。

「模様木」の樹形は、幹元から樹木の梢(頂点)までまっすぐに伸びている「直幹」と呼ばれている樹形に比べて自然の流れが感じられる樹形なので、樹木全体に優しさが感じられます。この「模様木」の樹形は、自然の中で自生している樹木の姿をそのまま盆栽鉢の中で再現することができる樹形です。

また、幹模様がある樹木は、枝を上手に配置して、幹が見えかくれするように工夫して仕立てます。枝の模様は針金掛けで作ることが基本ですが、樹種によってはゴムや和紙を使って枝を曲げたりして、枝の模様を作ります。

また、盆栽の樹形の一つである「模様木」は、自然の中で自生している樹木が本来持っている自然の美しさが一番表われている樹形なので「模様木」の樹形は、四季のある日本の風土の中でそれぞれの季節ごとに盆栽の樹木の美しさを表すことができます。そのため多くの樹種に仕立てられている樹形です。

「模様木」と呼ばれている樹形は、別名「立木」や「曲幹」とも呼ばれています。「模様木」に仕立てられている盆栽は、幹が「直幹」のように真っ直ぐでなく、多少曲がりながら立っているものや曲がり具合が強いものなどがあります。また、幹が左に大きく曲がりながら右によじれたりして上に向かって伸びたり、枝も前後に曲がりながら伸びたりしている盆栽も「模様木」の樹形です。

「模様木」に仕立てられた百日紅の盆栽は、根張り力強さがあり、幹模様の曲がり方には自生しているような緩やかさがあります。その曲がり方が樹木の先端に向かって小さくなっています。さらに、百日紅の盆栽の樹芯が、幹元の方に向かって仕立てられた「模様木」の樹形は、自然の中で自生している百日紅の樹木の美しさが現れています。

百日紅の「模様木」仕立ての作り方

百日紅の盆栽を「模様木」の樹形に仕立てるための適期は、剪定を行う適期と同じ11月から2月です。

最初に盆栽用として育てている百日紅の鉢植えの苗木の中で、「模様木」作りに向いているものを選んで剪定をしていきます。選んだ盆栽用樹木を上下・左右から見渡して盆栽の芯にする枝を決めます。初めて百日紅の「模様木」作りをする場合は、真ん中の枝を芯として選ぶと無難です。次に芯より高い位置にある枝や小枝を整姿していきます。

また、不要な枝は元から切り詰めていきます。その際、長い枝や短い枝が複数出ているところは、一度に枝の切り戻しはしないで切り詰めます。芯となる枝を傷めないように注意をしながら長い枝、次に短い枝を切り詰めていくような「二度切」あるいは「三度切り」をしていくと失敗しないです。また、不要な長い枝や短い枝がある場合も、切り詰めていきます。盆栽の樹形づくりは、急いでする作業ではないので、心にゆとりをもってゆっくりと行うことが大事です。

「模様木」作りの針金掛け

剪定が終わった百日紅の盆栽用樹木は、不要な枝を切り詰めたので樹形がすっきりしています。この鉢植えにされている盆栽用樹木の芯と小枝に針金を掛けて模様をつけていきます。

小枝に針金をかけるやり方は、二本に分かれている枝を1本の針金でかけます。つまり、二本に分かれている枝の分かれ目の所に1本の針金の長さの真ん中を当て、2つの針金の先端がそれぞれの枝先に向かって針金をかけて、枝に模様をつけていきます。
このやり方の方が、一枝に1本の針金をかけるより、枝が曲がりやすいです。また、枝に針金をかけて作る模様は、横から下のほうへ自然と流れるようにイメージしながら曲げていくと、自然の美しさが出てきます。しかし、あまり無理をして横から下の方に曲げる必要はなく、自然の流れに沿って丁寧に曲げながら模様を付けていきます。全ての小枝の針金掛けが終わると、百日紅の盆栽の樹木も見違えるように樹格が良くなってきます。

また、百日紅の小枝は他の盆栽の樹種に比べて少し硬いので針金をかける際は、あまり無理に力を入れて曲げたりすると、枝が折れてしまうことがあるので注意が必要です。

百日紅の「模様木」作りを初めて行う際の注意点

盆栽用に仕立てるために育てている百日紅の盆栽用の苗木を使って、初めて「模様木」に仕立てる場合は、最初から「模様木」に仕立て上がった百日紅の盆栽の姿を想像することは難しいです。しかし、最初に樹形の幹や枝ぶりをみて、「模様木」に仕立てられた百日紅の盆栽を想像したイラストを描いておくことは大事です。

また、芯の決め方によって樹形全体の流れが異なってしまうので、樹木の芯を決めたり不要な枝を整理したりすることは、初心者にとって難しい作業です。しかし、ゆっくり時間をかけて自然の流れに沿って芯を決めて不要な枝を切り詰めていくと、上手く作業ができます。芯の決め方や小枝や不要な枝の整理をする際は、十分に時間をかけて行うことが大事です。

しかし、百日紅の鉢植えは幹の立ち上がりが良くないものもあるので春の植替えをする時は、植木鉢から根株を傷めないように抜き、そして鉢の中に斜めに抜いた根株を置いて、幹の立ち上がりを変えてみます。

百日紅は花もの盆栽ですが「模様木」の樹形に仕立てると、暑い夏に色鮮やかな花と樹形を一緒に楽しむことができる盆栽に仕立てることができます。

百日紅の「模様木」の樹形に仕立てた盆栽は「はなもの盆栽」なので、樹形だけでなく美しい花も楽しむことができます。
夏は暑くて鬱陶しい季節ですが、夏真っ盛りの最中に美しい桃色、真紅や白の花が咲き誇っている「模様木」仕立ての百日紅の盆栽は、夏の季節だけ樹形と花の美しさを楽しむことができる盆栽です。
自分の好きな花色の百日紅を選んで模様木仕立ての盆栽を作ってみませんか。

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