神社宇佐神宮の歴史に触れる散歩道

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宇佐神宮は全国にある八幡宮の総本社。八幡神の総元締めであると同時に、伊勢神宮にも劣らない格式の高い神社に数えられています。
宇佐神宮歴史は、その後祭神である八幡大神の成り立ちと、深く関わっており、現在でも様々な説が解かれる謎多き神社です。境内を散歩しながら、宇佐神宮と八幡信仰の歴史をたどってみませんか。

宇佐神宮は全国に広がる八幡宮の総本社

大分県の宇佐市にある宇佐神宮は、日本全国にある八幡宮の総本社です。日本の神社の総数が登録されているものだけで8万5000社。そのうち八幡宮はなんと4万4000社にも登り、約半数を占める一大神道勢力となっています。伊勢神宮に次ぐ宗廟として、皇室からも崇敬される所以とも言える神社です。

境内は国の文化財保護法による史跡に指定され、本殿の3棟も国宝に指定されています。八幡大神・比売大神・神功皇后を祀っている本殿は、八幡造と呼ばれる神社様式で、2棟の平入り切妻造の建物が、前後につながった珍しい様式の建物です。左から一之御殿に八幡大神、二之御殿に比売大神、三之御殿に神功皇后が祀られています。

参拝の作法も広く知られている「二拝二拍手一拝」とは異なり、宇佐神宮では「二拝四拍手一拝」となっています。これは出雲大社や弥彦神社に見られる作法で、二拝二拍手一拝の「短手」に対し「長手」と呼ばれる作法です。二拝二拍手一拝が一般的になったのは、大正・昭和期の軍隊で作法の統一が行われたことが発端なので、二拝四拍手一拝は古い伝統作法を守り続けていると言えるでしょう。

皇室と武家の両方から崇敬を集めた宇佐神宮

宇佐神宮がここまで大きく栄えたのには、天皇の崇敬を受け朝廷から保護されただけでなく、武家からも崇敬を集めたことも要因になっています。新羅に対する情報蒐集や防御の要として、重要視されただけでなく、奈良東大寺造営の際に金の産出に関する託宣を持って支援したり、皇位の継承問題にも関与したりと、朝廷との結びつきを強め、平安中期には明神大社に列するほどに栄えました。

朝廷が勢いを弱めた後も、鎌倉幕府を開き武家政治の端緒となった源頼朝が、八幡神を崇敬していたことから、幕府の保護を受けるようになります。その後も頼朝に習い八幡神を崇敬する風潮が武家に広がり、その崇敬を集め続けました。八幡大神が応神天皇だというだけでなく、頼朝が崇敬していたことが「勝ち運」の象徴として崇敬される一番の要因になったようです。

明治期に入り神仏分離で切り離されるまでは、神宮寺の弥勒寺と合わせて宇佐八幡宮弥勒寺と称していた時代もありました。神仏習合の先駆けとも言われる神社です。

一番の見どころは八幡造の上宮本殿

宇佐神宮の見どころといえば、外せないのが3つ並んで建つ本殿といっても過言ではないでしょう。平入りの切妻造の建物が、前後に2つ並んだ神社様式は、「八幡造」と呼ばれるもので、全国でもあまり見られない珍しい様式です。3つの本殿はそれぞれ左から、一之御殿・二之御殿・三之御殿と呼ばれ、現在の御殿はいずれも1859?1861年にかけて造営されたものです。

前後の建物の間には「馬道」と呼ばれる相の間があり、その上の両方の屋根が接する場所には、金が施された雨どいが渡されています。向かって奥に立つ建物は「内院」、手前を「外院」と呼ばれ、内院には祭神の御寝所となる御帳台が、外院にはお座りになるための御椅子が置かれ、昼と夜で神様が場所を移動するのが特徴です。

上下2つの宮に分かれている宇佐神宮では、上宮を参拝した後に下宮へ向かうのが定番ルート。下宮も上宮と同じく一之御殿から順番に参拝します。下宮は神様にお供えする御饌(みけ)を司るほか、農業や産業の発展の神様としても有名です。

10年に一度扉の開かれる呉橋

宇佐神宮の西側を流れる寄藻川には、屋根の付いた朱塗りの橋がかかっています。中国の呉の人が架けたという伝説から、呉橋の名で呼ばれている橋です。昭和初期まではこの呉橋を通るルートが表参道でしたが、現在は10年に一度だけ「勅使祭」の時に扉が開かれます。普段は渡ることはできませんが、朱塗りの橋を覆う桧皮葺の屋根が描く優美な曲線は、外側から見ても美しい光景です。

宇佐神宮にあるもう一つの国宝「孔雀文磬(くじゃくもんけい)」は、境内の宝物館に収められています。1985年に建てられた宝物館は、孔雀文磬以外にも「白鞘入剣」や「宇佐神宮神領大鏡」など、国の重要文化財が多数展示された宝物館です。京都の「広沢池」や奈良の「猿沢池」と並び、「日本三沢の池」と呼ばれる「初沢池」はこの宝物館の横にあります。

足元にあるパワースポット「夫婦石」

宇佐鳥居をくぐる手前、若宮神社の近くの石畳に、「夫婦石」と呼ばれる2つ並んだ三角形の石が見つかります。寄り添うように並んでいる姿が、夫婦円満や縁結びにご利益があると噂され、隠れたパワースポットとして人気のある石です。石畳のほかの石よりふた回りくらい大きな石なので、見落とすことはほぼありませんが、通り過ぎないように注意してください。

上宮本殿・三之御殿の前にある大楠は、宇佐神宮のご神木。樹齢800年を超えると言われており、高さは約30メートル、幹回りは約5メートルと堂々とした風格のクスノキです。EXILEのUSA(ウサ)さんが願掛けをしたエピソードから、ファンの女性参拝客が急上昇しているとか。両手を幹に当ててパワーをもらう人もいるようですが、触れなくてもパワーが溢れてきそうな立派なご神木です。

八幡大神の現れた場所に湧く御霊水

上宮の裏手にある菱形池の3つの霊泉は、「御霊水」と呼ばれています。八幡大神が最初に降り立った場所とされる場所です。神馬で天翔ける際についたという馬蹄の跡が残る八角形の影向石や、社宝「神息の刀」を鍛える際に使われた3つの井戸など、八幡大神の神威を伝えるパワースポットです。

社伝が造営される以前から、八幡信仰のあったとされる宇佐神宮。その歴史は謎に包まれていますが、神仏習合の祖になるなど日本の宗教に大きな影響を与えてきました。境内の建物は幾度か修復されているものの、当時の姿をとどめているものも残されています。宇佐神宮を訪れたら、境内を歩きながら、全国に広がる八幡神の歴史を感じてみてください。

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