日本史

いろんな説がある!卑弥呼の人物比定。卑弥呼を歴史上の人物に当てはめると?

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歴史上の人物で最も謎の多い女性の一人として有名なのが、【女王・卑弥呼】ですよね。
その存在は、日本ではなく、中国歴史書「魏志倭人伝」にのみ著され、卑弥呼の治めたとされる邪馬台国の場所さえもはっきりしていません。邪馬台国九州説・畿内説や卑弥呼の正体など、今日でも研究者や知識人の間で喧々諤々と議論され、まさにこの時代は現代の私たちにとっても「生きている謎」として熱い注目を集めています。

さて、今回はそんな卑弥呼についてです。謎の多い卑弥呼ですが、当てはまる歴史上(あるいは神話上)の人物を探して、いろいろな説に触れてみるのはいかがでしょうか。

卑弥呼は【天照大神(アマテラスオオミカミ)】説

天照大神、と言えば、何を連想するでしょうか。天の岩戸伝説?伊勢神宮?太陽の神様で、日本の皇祖神としても有名ですね。
天照大神=卑弥呼という説があります。
アマテラスオオミカミの別名は「オオヒルメノムチ」です。その中の「ヒルメ」に注目してみると、ヒルメの「ル」は助詞「の」の古語で、「ヒルメ」→「ヒノメ」→「日の女」となります。「日の女」の意味は「太陽に仕える巫女」。「卑弥呼」を「日巫女・陽巫女」と読むならば、アマテラスの性格上とも符号が見られることから、天照大神=卑弥呼の説が生まれました。

卑弥呼は【倭迹迹日百襲媛命(ヤマトトトヒモモソヒメノミコト)】説

なんて、長い名前でしょうか・・・トがいっぱいです。
孝霊天皇の皇女「倭迹迹日百襲媛命」は、日本最古の国史とされる「日本書紀」にも登場する人物で、現在のところ、卑弥呼の正体として最優有力候補となっています。 「日本書紀」には、「箸墓古墳」が倭迹迹日百襲媛命の墓として描かれており、邪馬台国の有力候補地として有名な「纏向遺跡(まきむくいせき)」の中にあります。箸墓古墳は、その後の古墳のかたちや性質の基準となったと考えられており、多くの遺跡の中でもとくに重要視されている場所です。

卑弥呼が登場する中国歴史書「魏志倭人伝」には、

“ 卑彌呼死去 卑彌呼以死 大作冢 徑百余歩 ”

とあり、箸墓古墳の後円部の直径(約160メートル)との符号が見られるそうです。

また、同じく魏志倭人伝に「(卑弥呼が死んで)徇葬する者 奴婢百余人」とありますが、名前に「百襲」の字が使われたことに何らかの関係があるのではないか、とみる研究者もいるようです。

この説の弱点としてあげられるのは、「卑弥呼が死んでから男性が王となったが、国が乱れた」と魏志倭人伝にはあるのですが、倭迹迹日百襲媛命は、天皇の皇女ですので皇族はありますが、亡くなったからと言ってそんなに大きな影響のある人物ではないのではないか、と推測されることです。皇女だけれど「女王」となると、どうかな・・・ということらしいのです。

卑弥呼は【神功皇后(じんぐうこうごう)】説

神代(神話の時代)から、持統天皇の時代までを扱った「日本書紀」は、全部で30巻。その中にある「神功皇后紀」では、魏志倭人伝の文言を引用し「神功皇后=卑弥呼」となるように編集されています。

神功皇后と言えば、日本武尊の子である14代仲哀天皇の皇后、また15代応神天皇の母であり、『三韓征伐』を先導したエピソードは、知っている人もいるのではないでしょうか。
『三韓征伐』とは、新羅に出兵し、ほかの百済・高句麗なども含めた広い朝鮮半島地域を服属させた戦いのことを言います。

夫の仲哀天皇が亡くなったのち政務を取り仕切った神功皇后は、住吉大神より「新羅討伐」のご神託があり、のちの応神天皇を妊娠中にもかかわらず、挑戦半島に出兵します。新羅とは戦わずして降伏させ、高句麗や百済ともその支配下に置きました。

妊娠中の渡海とあり、出産を遅らせるために石をおなかに当ててサラシで巻き、おなかを冷やしていたと言います。真偽のほどは分からないにしろ、まさにザ・女傑といったエピソードですね。

まだまだある、卑弥呼の人物比定

上記以外でも、卑弥呼ではないか?比定される人物はいます。

・「宇那比姫(ウナビヒメ)」説
海の民、海部氏または和爾氏の系譜である宇那比姫を卑弥呼と比定する説。宇那比姫の別名は、大倭姫(オオヤマトヒメ)・天造日女命(アマツクルヒメミコト)・日女命(ヒメミコト)といったものがあります。

・「熊襲の女酋長」説
「熊襲(くまそ)」とはヤマト政権に対抗した九州の南部の人々を指します。本居宣長らが唱えたこの説は、神功皇后が本物の卑弥呼だとしたうえで、九州南部の熊襲の女酋長が「私は卑弥呼」と偽って、魏と交流した、という説です。
なるほど、予備知識のない魏がそう信じてしまったのであれば、こんな説もアリかもしれませんね!面白いです。

ほかにも、九州王朝の「甕依姫(ミカヨリヒメ)」説や初代皇后の「媛蹈鞴五十鈴媛(ヒメタタライスズヒメ)」説など、面白い説がいろいろあります。

どの説も詳しく読むと、「なるほど!そうかも!」と思えてくるのが不思議です。興味のある方は調べてみるのも楽しいかもしれません。

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