落語

「上方落語」って何?江戸落語との違いや特徴を徹底解析しました

2017-06-16

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人気番組「笑点」でもお馴染み、軽快な口調とオチで観客を笑いの渦へと引き込む「落語」は、日本が誇る伝統芸能のひとつです。
一方で、一概に「落語」とは言ってもすべて同じものではなく、実は上演される地域によって「上方落語」「江戸落語」といった名称で呼ばれることもありそれぞれ特色も異なるものとなっています。
今回は、そんな「上方落語」と「江戸落語」についてその違いや特徴について詳しく紹介していきたいと思います。

大阪や京都で上演される上方落語

上方落語とは、基本的には大阪や京都などで上演されることが多い落語のことですが、現在は京都の方で落語が衰退してしまっているため主に大阪での落語のことを「上方落語」と呼ぶことが一般的なようです。そもそもどうして「上方」という名がついたかと言いますと、これは1932年の7月に発行された「上方」という雑誌で使われたことがきっかけとなった以後「上方落語」という言葉が浸透したとされています。ちなみにそれ以前は「大阪落語」や「京都落語」と言った名前で、地域別に名称が異なったそうです。

現在落語の一門の中でも知名度が高い「桂一門」。こちらの祖でもある初代桂文治さんによって、大阪で初めて寄席が開かれたそうです。また、桂一門と同じく現代において上方落語の主力を担う一門に笑福亭一門がいます。この2つの一門からは、現代にいたるまで数多くの有名な落語家たち輩出されており、実際に上方落語の振興に努めた方々も多くいらっしゃいました。例えば昭和末に至るころになると、笑福亭松鶴さん、桂米朝さん、桂春團治さん、桂文枝さんの4人は「上方落語の四天王」と呼ばれるようになり、一時下火となっていた上方落語のファンが全国的に増えていったと言われています。さらに近年には、東京寄席でも上方落語が上演される機会が増え、東京の落語愛好家の間でも上方落語は親しまれていくようになっているようです。

上方落語と江戸落語の違いって?

上方落語と江戸落語の違いは、上演される地域だけではありません。一度両方を聞いてみるとわかるかと思いますが、実はこの2つの落語には幾つか違いがあるのです。

まず上方落語と江戸落語とでは、使用する言葉が異なります。例えば江戸落語ではいわゆる標準語が多く使用されていますが、上方落語では登場人物によって大阪言葉や京言葉を使い分けて演じているそうです。一方で、江戸落語では関西言葉を使う登場人物が出る噺も多いため、関西言葉を演じる機会も多いようですが、上方落語では江戸言葉を使う機会はあまり多くはないようです。それゆえ、関西地方出身ではない人が上方落語を取得しようとすると、関西言葉から学ばなければいけないため苦労する人も多いと言われています。

また、上方落語と江戸落語の大きな違いのひとつに「使用する道具」があります。基本的に落語の世界では、手ぬぐいや扇子は使用するものの身振り手振りで噺の描写を表現しますが、上方落語でしか使用しない小道具もいくつかあるようです。まず噺家の前に置く小さな机である「見台(けんだい)」は、使わない人も多いようですが、一般的には布団や湯船などを表現する際に使用されます。次に音が鳴る道具である「小拍子(こびょうし)」は、通常は見台の上に置き、雰囲気を変えるときや効果音を出すときなどに見台を打って音を鳴らして使用します。もう一つ、上方落語ならではの小道具である「膝隠(ひざかくし)」は噺家の膝を隠すための小さな衝立のことです。

さらに、上方落語では江戸落語と違って三味線や鳴り物を使用することで演出を派手にする「ハメモノ入り」と呼ばれる演目が多くあります。これは関西の方々が派手で明るい演出を好むことから浸透したと言われている、上方落語ならではの特徴となります。

上方落語には真打がいない?

落語と言われると、「真打」や「前座」といった言葉を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
確かに落語の世界では「真打」になると一人前の落語家として認定され、独演会などを開催するようにもなりますが、実はこういった「真打制度」は現在江戸落語のみの習慣となっています。と言いますのも、上方落語では昭和40年代の上方落語ブームにより真打制度の機能が実質上ストップしており、現在はその代わりとして「香盤」という仕組みが成り立っているそうです。
これは芸歴5年以上を中座として「二つ目」と同格とし、さらに芸歴15年以上の噺家を真打と同格とするシステムであり、そこからさらにA、B、Cの3段階にランクが分かれているようです。

上方落語を体験しに行こう!

上方落語を間近で体験したい、という方には、大阪の「天満天神?昌亭」に行ってみることをおすすめします。こちらは上方落語の唯一の寄席であり、落語のほかに漫才やマジックなどの興行が多く公演されています。
ぜひ大阪にお越しの際は立ち寄ってみてください。

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