落語

意外と知らない?「落語協会」と「落語芸術協会」の違いとは

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落語業界、とりわけ江戸落語の世界では、「落語協会」か「落語芸術協会」のどちらかに所属している落語家がほとんどのようです。
一方で、落語にあまり馴染みがない方は特に、「落語協会」と「落語芸術協会」とは言っても何が違うのか、それぞれがどんな団体なのかをご存知ではない方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、落語協会と落語芸術協会の違いについて、それぞれの特徴や歴史に触れながら紹介していきたいと思います。

一般社団法人である「落語協会」

1923年、五代目柳亭左楽さんが初代会長となって設立された「落語芸術協会」は、さまざまな沿革を経て現在は一般社団法人として機能しています。2017年4月現在は、四代目柳亭市馬さんが会長を、九代目林家正蔵さんが副会長を務めているほか、常任理事として柳家小さん、三遊亭圓丈さん、柳家さん喬さんらが落語協会に籍を置いています。

現在は多くの落語家や講談師たちが所属している落語協会ですが、設立から今に至るまで幾度なく分裂騒動が起こり、話題を集めていたようです。例えば1924年には当時落語協会の会長を務めていた五代目柳亭左楽さんを含む多くの落語家が脱退すると、続く1927年には初代柳家三語楼さんが一門を引き連れ同じく落語協会を脱退。その後三語楼さんは新たに「落語協会」を設立し、「三語楼協会」という名で呼ばれるようになります。しかし1930年に三語楼協会が崩壊すると、三語楼さんは落語協会に復帰しますが、その後すぐに脱退してしまったそうです。その後も幾度か分裂騒動は発生していますが、近年はそれも落ち着いているようです。

落語協会は活動内容として「古典落語の継承及び研究発表」を掲げていることからも、古典落語に精通した落語家が多く所属しているように思えます。実際に「古典の協会、新作の芸協」と言われていたこともあったように、落語協会は古典落語を、落語芸術協会は新作落語をメインに置いているという認識は強かったようです。ちなみに現在は、林家こん平さんや林家木久扇さん、古今亭志ん輔さん、春風亭小朝さん方が落語協会に所属しています。

上方落語家も所属している「落語芸術協会」

落語芸術協会の設立は1930年、六代目春風亭柳橋さんが会長、柳家金語楼さんが副会長となって活動をスタートさせたと言われています。現在は東京落語家、講談師だけでなく、上方落語家たちも落語芸術協会に所属しており、公益社団法人として機能しています。

ちなみに落語芸術協会は、1977年までは「日本芸術協会」という名の団体でした。この名称は1930年の設立当時からあったもので、「寄席には落語、講談、漫才、漫談、ものまねなど、さまざまな芸術がある」という解釈から名付けられたそうです。現在は桂歌丸さんが会長を、三遊亭小遊三さんが副会長を務めているほか、桂米丸さんが最高顧問を、春風亭昇太さんらが理事として落語芸出協会に籍を置いているようです。そのほか、桂小文治さん、三遊亭扇馬さんらも落語芸術協会に所属しています。

落語協会と落語芸術協会の公演スケジュール

東京にある定席の寄席では、落語協会と落語芸術協会で公演の日程を変えてスケジュールを組んでいます。
そもそも東京には定席と呼ばれる、常設されている寄席の会場として「新宿末廣亭」「鈴本演芸場」「浅草演芸ホール」「池袋演芸ホール」の4つがあります。それぞれ歴史ある施設であり、臨場感ある落語や講談、ものまねなどを楽しむことができます。ちなみにこれら4つ以外に、「お江戸日本橋亭」「お江戸両国亭」「国立演芸場」「お江戸上野広小路亭」などでも落語を楽しむことができますし、中でも「国立演芸場」は落語芸術協会の上席・中席での定席ともなっているようです。

落語協会・落語芸術協会の定席での具体的なスケジュールを見ていきましょう。以下にまとめてみましたので参考にしてください。

奇数月(1、3、5、7、9、11月)
上席(1〜10日)
落語協会:鈴本演芸場、浅草演芸ホール 落語芸術協会:新宿末廣亭、池袋演芸ホール
中席(11〜20日)
落語協会;鈴本演芸場、新宿末廣亭、池袋演芸ホール 落語芸術協会:浅草演芸ホール、上野広小路亭(15日まで)
下席(21〜30日)
落語協会:鈴本演芸場、新宿末廣亭、池袋演芸ホール 落語芸術協会:新宿末廣亭

偶数月(2、4、6、8、10、12月)
上席
落語協会:鈴本演芸場、新宿末廣亭、池袋演芸ホール 落語芸術協会:浅草演芸ホール、上野広小路亭
中席
落語協会:鈴本演芸場、浅草演芸ホール(お盆) 落語芸術協会:新宿末廣亭、池袋演芸ホール、上野広小路亭(15日まで、お盆)
下席
落語協会:鈴本演芸場、新宿末廣亭、池袋演芸ホール 落語芸術協会:浅草演芸ホール

それぞれに活躍している落語家がたくさん在籍しています

いかがでしたか?
落語協会、落語芸術協会はともに歴史ある伝統芸能のひとつである「落語」の研究や普及を目的とした団体です。
しかしそれぞれに所属している落語家の面々は異なりますので、どちらの落語も楽しみたいという方はぜひ日程をずらして寄席に足を運んでみてください。

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