景勝地

木道と湖のコントラスト、知床五湖と斜里町

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知床五湖がある斜里町は清里町の東、知床半島の北半部を占める我が国で最北東端の町です。
町域内には羅臼岳・硫黄山など知床山地の北側斜面の山地帯が広く分布しますが、西部のオホーツク海岸沿いには斜里平野の平坦地がひらけ、ここに斜里市街があります。

 和人の入植は寛政年間(1781〜1801)、宗谷場所から分かれた斜里場所が斜里に開かれたのが初めとされますが、本格的な開拓が行われたのは明治に入ってからです。明治12年ごろから村が制度化されていきました。

 基幹産業は斜里平野におけるジャガイモ・ビール・小麦などの畑作農業と乳牛・肉牛・養豚中心の畜産です。斜里・宇登呂の両漁港を基地として漁業もおこなわれ、サケ・マス・ホタテなどの漁獲があります。また、斜里市街は知床の木材資源の集積地になっていて、街全体に木の香が漂っています。

 街の北東部、すなわち知床半島の先端部一帯は知床国立公園に指定されており、本町にその自然と文化を紹介する町立知床博物館があります。なお町名はアイヌ語のサルイ(カヤが生えている場所)から転化したものです。

 斜里市街北東のオホーツク海岸一帯で6月から9月へかけてエゾスカシユリ・エゾキスゲ・ハマナスなど50種類余りの草花が咲き乱れるのが以久科原生花園です。とくに朱色の花をつけるエゾスカシユリの大群落には目を奪われます。

 青緑色のオホーツク海、残雪に輝く羅臼岳や斜里岳を遠望する眺めも素晴らしいものです。

 宇登呂へ出るバス道の途中、南側にあるストーンサークルの一種で縄文時代の墳墓と考えられているのが朱円環状土籬です。炭化した布片などが出土しましたが、これらは一括して斜里駅の近くの資料館に保存されています。

 また、ここから2kmほど宇登呂方面へいったところには「海別の千穴」と呼ばれる750基余りの竪穴住居跡群があります。オホーツク文化と擦文文化の両系統のものがあり、北海道の指定史跡となっています。

 宇登呂は知床半島の北岸、ほぼ中央部にある港町で、知床半島を海上から見て回る遊覧船の発着場があり、南岸の羅臼とは知床峠越えの知床横断道路で結ばれています。また、昭和48年には泉温45度の食塩泉が湧き出て、温泉街としても人気になりました。

 斜里から宇登呂へのバスは、オホーツク海を左手に見て海食崖上を走り、その途中の宇登呂へ入る少し手前には景勝「オシンコシンの滝」があります。知床半島では最大のもので、高さ200mくらいのところから2条に分かれて海に落ちています。

 宇登呂の港は左手から帽子岩・ローソク岩・オロンコ岩・三角岩と並ぶ四つの岩に囲まれ、右手に港口を開いた自然港です。もともとは人気の少ない漁村でしたが、最近では最果ての旅情を求めた観光客が訪れるようになっています。この地を足場にして知床探索を行う観光客も多くなっています。

 また、オロンコ岩上には展望台があり、眼下に岩礁と防波堤、紅・白の燈台などが箱庭のように調和した港のたたずまい、断崖上にひろがる畑地やその背後に盛り上がった羅臼岳・硫黄山の眺めが素晴らしい場所です。

 宇登呂の地名はアイヌ語の「ウトロチクシ」から出たもので「あいだを我々が通る」という意味です。むかし岩と岩の間を通る道が開かれていたようです。

 宇登呂の北東8kmにある岩尾別の小集落からイワウベツ川をさかのぼった上流部の渓間にある山の湯が岩尾別温泉です。羅臼岳の北腹で、その北側登山口にあたっており、近年訪問客が増えています。

 開発されたのは大正年間ですが、一度廃湯となり、昭和38年に再建されました。羅臼山頂へはここから約4時間の登りとなります。

 羅臼岳の北麓、岩尾別集落から岩尾別温泉へ登る途中のイワウベツの沢で左手に分かれて少し入ったところ、海食崖上にひらける小広い台地の密林の中に五つの湖が静かに眠っています。
 数十年前まで人跡未踏で訪れる人もまれでしたが、バスが通り、交通面で便利になってくると観光客でにぎわうようになってきました。宇登呂から知床五湖行きのバスで30分ほどです。特に夏のシーズンには五つの湖をひとめぐりすると1時間半という格好の散策コースとして人気です。

 しかし、知床は熊の多いことで知られ、北海道の三分の一がここにいるといわれています。散策中も熊には注意が必要です。

 また、30年ほど前にここから半島の先端部に近いルシヤ川まで全長25kmの知床林道が敷設されました。海岸線に沿って標高200〜300mの海食崖上をゆき、左手に開けるオホーツク海の眺めが素晴らしいポイントです。

 その途中にはカムイワッカ温泉が湧いており、硫黄山登山の基地となっています。野趣味豊かな露天風呂があって、オホーツクの大海原を眺めながらの入浴気分が味わえます。

 深くV字型に切れ込んだウブノシッタ川の峡谷には高さ80mの知床大橋が架かり、自然美と人工美の見事な調和をみせています。ここからの眺めにも定評があります。

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