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盆栽初心者がチャレンジする五葉松の盛夏の手入れ

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夏の暑さが厳しい土用明けの8月に行う五葉松の手入れ作業は、2つあります。
一つは、「土用明けの10日後」が適時と言われている8月10日頃に行う植え替え作業です。
もう一つは、古葉取りです。

8月の盛夏時期に行う2つの手入れ作業の中でも植え替え作業は盆栽初心者にとって難しいと言われていますが、手順通りに行うと五葉松の根張りも良くなり、生育の良い盆栽に育てることができます。

盛夏時期に植え替えをする理由

一般的に五葉松と同じ松柏類盆栽の仲間である黒松、トウショウ、真柏などの植え替えは、春と秋が適時です。しかし、五葉松に限って「土用明けの10日後」と言われている8月10日頃に植え替え作業をすると、春の植え替えと同じように根張りのが良い五葉松を育てることができます。

長い間植え替えをしていない五葉松の盆栽の鉢の中は、土を隠してしまうぐらい根が張り、鉢の表面にも上根が張っています。また、根が密生して土が硬くなってしまうため水やりをしても水が鉢の中に浸透しにくくなるので、水が根のところまで届きにくくなってしまいます。そのため春に植え替えが出来なかった五葉松の盆栽は、8月の盛夏時期に植え替えをします。

しかし、盛夏時期に行う五葉松の植え替え作業は、盆栽初心者にとって難しい作業と言われていますが基本的な作業手順に従って行うと、盆栽初心者でもチャレンジ出来る作業です。

8月の盛夏時期に行う五葉松の植え替えポイントと手順

「土用明けの10日後」の8月10日頃が適期とされている五葉松の植え替えについては、3つのポイントがあります。また、植え替えの手順は秋と春の適期に行う植え替え作業の手順と同じ要領なので、盆栽初心者でもチャレンジしやすい作業です。

* 3つの植え替えポイント
8月の盛夏時期に行う五葉松の盆栽の植替えは、3つのポイントがあります。

最初のポイントは、五葉松の盆栽の樹木によって古い土を落とす量が異なることです。例えば、若木の五葉松を植え替える場合、鉢から取り出した根株に付いている古い土や不要な根などを取り除くと、根株の大きさが鉢から取り出す前の半分位になります。また、成木の五葉松を植え替える場合、鉢から取り出した根株に付いている古い土は、約3分の1位取り除きます。

2つ目のポイントは、盛夏に行う五葉松の植え替えの目的が根張りを良くするために行うので、根の整理と不要な根を取り除くことです。

根を整理する際は、土の表面から飛び出してしまっている根、絡まっている根、交差している根、枯れて黒くなっている根、不要な根などを丁寧に取り除いていきます。

3つ目のポイントは、植え替えをした後に苔張りをすることです。植え替え作業が終わった後の鉢の表土の上に苔を張ると、夏の暑い時期でも水持ちが良くなり、盆栽としても外観が美しくなります。

盛夏時期に五葉松の盆栽の植え替えをする際は、これらの3つのポイントを把握してから植え替え作業に取りかかると、盆栽初心者でも上手に植え替えをすることができます。

* 盛夏時期に行う植え替え手順
盆栽初心者が盛夏に行う五葉松の盆栽の植え替え手順は、必要な道具や用土を用意してから春に行う植え替え作業と同じ要領で行うと作業効率も良く、失敗しないです。

・植え替え前に用意する必要な道具と用土
植え替えに必要な道具は、小さめの剪定バサミ、根さばき(根かき)、鉢底網、針金などです。「根さばき」と呼ばれる道具は、古くなった土をかいたり根をほぐしたりする際に使う道具なので五葉松の植え替えには必要不可欠です。用土は赤玉7:富士砂3の割合で混ぜたものを使います。植え替えの際に鉢替えもする場合は、新たに植え付ける鉢も用意してから植え替え作業を始めます。

・五葉松の植え替え
五葉松の植え替えをする際にあまり古い根を切除してしまうと樹木に負担がかかるので、底根、幹元周辺の根、鉢周辺の根の整理をする場合は、植え替え前より3分の1位小さくすることを目安として行います。

最初に根さばきを使って根鉢の周りの土かき作業から始めます。この作業によって根が密生して土が硬くなっている根株が鉢から取り出しやすくなるので、株元から張り出している根や鉢周りの硬くなった土や苔などを丁寧に取り除いて行きます。

五葉松の盆栽は袋式タイプの盆栽鉢に植えられているものも多いので、鉢の周りの土かきをしないと株を盆栽鉢から抜くことが難しいです。また、長い間、植え替えをしていない五葉松の根は鉢の中でびっしり回ってしまい土が根の中に隠れている状態になっているので、鉢から取り出した五葉松は、最初に密生した鉢底の根と土を時間をかけて丁寧にほぐしながら根の切除と整理をしていきます。

五葉松の底根の整理の後は、幹元の周辺に張っている上根の整理を行います。上根の部分が肥料や枯根などによって土が黒くなっている場合は、その黒い部分を取り除きます。

次に鉢周辺や鉢の側面の根の整理を行います。根さばきを使って古い土をかき落としながら不要な根を切除していきます。

根の整理が終った五葉松は、赤玉と富士砂を混ぜた用土を使って盆栽鉢に植え替えます。鉢替えをしたい場合は、少し大きめの鉢に植え替えをした方が作業もしやすいです。用土は、根元まで入るように竹ばしを使って、すき込み作業をしながら鉢に用土を入れて行きます。また、針金で株元を固定した方が良い場合は、盆栽鉢の底穴に敷いた防虫ネットから針金を通して、五葉松の根株を固定してから用土を入れます。

最後の仕上げは、土の表面の苔張りです。苔の張り方は、乾燥している水苔や山苔を手で揉みながら土の表面に薄く蒔きます。もし、早く苔を生えさせたい場合は、植え替えをする前の鉢に生えていた苔を一度取って乾燥させたものを揉みほぐして土の表面に蒔きます。

植え替えが終わった五葉松の盆栽は、屋外の盆栽棚などに置いて管理します。夏の暑い時期に植え替えをした五葉松の盆栽は、水を切らさないように注意が必要です。また、夏に植え替えをした五葉松の盆栽は、冬の時期になったら寒さ除けの「室」(むろ)を作り、その中で管理をすることがポイントです。

五葉松の古葉取り

五葉松の枝を良く見ると、枝の先端に「今年葉」、その手前に「前年葉」、そして一番枝元に近い所に「3年葉」が付いています。8月の古葉取りの作業では、「3年葉」だけを切り取ります。

五葉松に付いている「3年葉」は、秋の落葉時期が来ると自然と落ちてしまいますが、8月の盛夏時期に幹周りや枝周りの風通しや日当たりを良くするために「3年葉」を取り除く作業を行います。

この「3年葉」の古葉を取り除く作業をする際は、小さな剪定バサミが必要です。五葉松の小さな枝は葉に隠れていたりしているので、剪定バサミで傷つけたり、間違って切り落としたりしないように注意をしながら整理をします。

「3年葉」を取り除いた五葉松の盆栽は、直射日光が幹元や枝元まで良く当たるようになるので、生育も良くなります。

盛夏に行う五葉松の手入れ作業は、盆栽初心者にとって難しい作業と言われているので、なかなかチャレンジできない作業です。しかし、盛夏の時期に行う植え替えと古葉取りの2つの作業は、ゆっくり時間をかけて手順通りに行うと出来る作業なので、盆栽初心者でもチャレンジ出来る盛夏の作業です。

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