盆栽

盆栽初心者が“間違いやすい”カリン盆栽の育て方とその対策

関連キーワード

カリン盆栽は、花、実、幹模様、樹形を楽しむことができる実もの盆栽ですが、盆栽初心者が初めてカリン盆栽を育てる場合は、“間違いやすい”育て方によって花芽や実が付かないことがあります。

しかし、盆栽初心者が“間違いやすい”育て方を把握することによって、春には花芽が沢山付き、秋には黄色の美しい実が付くカリン盆栽を育てることができます。

盆栽初心者が“間違いやすい”カリン盆栽の育て方

盆栽初心者が初めてカリン盆栽を育てると、カリンの樹木に実が付かないことが多いです。その主な原因は、剪定の仕方、管理場所、用土の排水性、病害虫対策、肥料と施肥の仕方が全手間違っている可能性があります。

* 花が咲かない原因となる“間違がいやすい”剪定の仕方
盆栽初心者が“間違いやすい”剪定の仕方は、カリンの花芽が付いている短い枝を切り詰めてしまうことです。

カリン盆栽に花が咲かない理由は、剪定の際に花芽が付いている短い枝まで切り詰めてしまうことです。花芽の付いている短い枝を切り落としてしまう剪定の仕方は、盆栽初心者が“間違いやすい”剪定の一つです。

カリンは、前年に伸びた新梢に花芽が付きます。この花芽は7月頃に付き、翌年の春に花を咲かせます。この花芽が付く充実した枝は短いので、剪定をする際に花芽の付いている短い枝を剪定してしまうと、花を咲かせることが難しくなってしまいます。

カリンの剪定は、花芽の活動が始まる11月の終わり頃から2月頃までに行うことがおすすめです。この時期の剪定では、ふところ枝の間引き、徒長枝や絡んでいる枝などの剪定を行います。また、上向きになって伸びている枝を横向きにするために針金を使って誘引すると効果があります。

盆栽初心者がカリンの剪定をする際は、花芽を切らないように剪定することが一番のポイントです。もし、花芽が付いている枝かどうかわからない場合は、切り詰めないでそのまま残しておいた方が無難です。

* 日照不足となる“間違いやすい”管理場所
盆栽初心者が“間違いやすい”カリン盆栽の管理場所は、あまり陽当たりがよくない日照不足の場所に置いて管理をすることです。

カリンは庭木としても大きく育つので、何処に置いても育ちやすいイメージがあります。しかし、カリンは陽当たりの良い場所を好む樹木なので、せっかく剪定したカリン盆栽を日陰や日照不足の環境で管理をすると花芽が付かいので、実を付けることは難しいです。そのため剪定が終わったカリン盆栽は、陽当たりの良い場所に鉢を移して管理をします。

* 排水性不良の原因となる“間違いやすい”植付け用の用土
盆栽初心者がカリン盆栽を植え付ける際に使う “間違いやすい”用土は、排水性が悪かったり、逆に排水性が良すぎて水切れを引き起こしてしまったりする用土です。

これらの原因を作ってしまう用土を使ってカリン盆栽を植え付けても生育を妨げてしまうので、花芽や実をつけることは難しいです。

カリン盆栽を植え付ける際におすすめの用土は、赤玉5:桐生砂3:腐葉土2位の割合で混ぜたものです。また、カリンの植え替えは、秋のお彼岸頃から10月初め頃、あるいは春のお彼岸前後が適期です。

生育が良く花芽が沢山付いて、秋には黄色の実が生るカリン盆栽の育てるためには、カリンに適した用土を使って植え付けをすることが大事です。

* “間違いやすい”病害虫対策
盆栽初心者は、どの盆栽も病害虫対策は同じと思って同じ種類の薬剤散布をしてしまうことがありますが、樹種によってかかりやすい病気や害虫は異なります。また、カリン盆栽は、病気や害虫の被害によって生育が悪くなってしまうと、花芽や実の付きが悪くなってしまいます。

カリン盆栽がかかりやすい主な病気は、「赤星病」なのでこの病気を予防するために春から夏にかけて定期的に殺菌剤や薬剤散布を行います。また、不要な枝や葉を剪定して、枝や幹周りの風通しが良くなるようにします。

カリンは、アブラムシやテッポウムシの害虫による食害を受けやすいので、日頃から注意深くチェックすることが大事です。
* “間違いやすい”肥料と施肥の仕方
盆栽初心者が“間違いやすい”肥料と施肥の仕方は、窒素分が多く含まれた肥料を多く与えすぎたり、花が咲き始めてから結実をするまでの間に施肥をしたりしてしまうことです。

カリンは、窒素分を多く含んだ肥料を沢山与えたり、同時に間違った剪定をすると新梢などの生育が良くなり樹勢が強くなってしまうので、花芽が付かなくなったりしてしまいます。また、せっかく実が付いても熟しにくくなるので熟す前に落ちたりしてしまいます。

カリン盆栽に花が咲くと盆栽初心者肥料を与えたくなってしまいますが、結実をするまで肥料は与えないことがポイントです。この時期に肥料を与えるとカリンの成長が良くなり樹木も若返ってしまうので、せっかく結実をしても実が落ちてしまうことがあります。

結実をしたカリンの実が5月頃になって親指位の大きさに成長したら第1回目の肥料を与えます。カリンはリン酸の成分を多く含んだ肥料を好むので、この成分が入った肥料を与えます。カリンが結実した後は、9月の終わり頃まで毎月肥料を与えます。11月になったら冬越しのための寒肥を与えます。

カリン盆栽に実が付きやすくするための剪定の仕方

カリン盆栽に実を付きやすくするためには、冬の適時に剪定をして、短枝を沢山残すように剪定をすることです。

盆栽初心者が初めてカリン盆栽を育てる場合、間違った剪定の仕方によって花芽を切ってしまったことが原因で実が付かないことがあります。しかし、適期に正しい剪定をすると花が付いて黄色の実が付いたカリン盆栽を育てることが出来ます。

* 冬が剪定の適期
カリンの剪定をする適期は冬ですが剪定の仕方や適期が間違ったりすると、カリンに花芽が付かないです。

カリン盆栽の剪定の適期は、落葉が終わった冬の1月から2月の終わりごろまでです。しかし、カリンの剪定は、遅くても3月のお彼岸頃までに剪定が終わるようにします。3月のお彼岸以降に剪定をすると花芽を切り落としてしまったりするので花が咲かないため、秋に黄色の実をつけることも不可能になってしまいます。

また、冬の時期にカリン盆栽の剪定をしても初夏から夏にかけて枝が伸び出したりすることもあります。その場合は、伸びすぎてしまった枝だけを枝の値付けのところから6芽位残して切り戻しても大丈夫です。この夏の剪定をすることができる適期は7月いっぱいです。

* 盆栽初心者でも出来る短枝を残す剪定作業
カリン盆栽に実が付くように剪定するためには、花芽が付く充実した短枝を切り落とさないで残すことです。同時に横に伸びている枝も大事にすることが実を付けるポイントです。

また、花芽を付ける短枝を増やすためには、徒長枝を切り詰めます。混み合っている枝、重なり合っている枝、垂直方向に伸びている枝などは、付け根の部分から切り落とします。特に混み合ったり重なり合ったりしている枝は、カリンの樹木の陽当たりを悪くしてしまいます。これらの剪定をすることで風通しや陽当たりが良くなります。

盆栽初心者が“間違いやすい”カリン盆栽の育て方を把握すると正しい剪定や管理の仕方が分かるので、盆栽初心者でも花芽や実が沢山付くカリン盆栽を育てることができます。

素焼き鉢の素材から仕立てるカリンの「模様木」づくり

素焼き鉢で育てられているカリンでも幹の流れに緩やかな曲線がある樹木は、「模様木」づくりの樹形に仕立やすく、自然の厳しさによって作り出された美しさも一層引き立たせることができます。

「模様木」の樹形の特徴

模様木の樹形は、幹が自然の厳しさによって左右前後に曲がったりよじれたりしながら生長して幹が伸びた樹形です。

また、模様木の樹形は、盆栽の樹木のなかでも多く仕立てられている樹形なので幹が直幹のように真っ直ぐな樹形は、「立木」と呼ばれています。また、幹が多少の曲がりながら立ち上がっている樹形は、「曲幹」とも呼ばれています。

模様木に仕立てることができる樹木の条件として、幹元の根張りが強く、幹模様である幹 の曲がり方が大きな曲線で緩やかに曲がり、頂部の梢に近づくにつれて曲がりが小さくなっていることです。また、樹の芯が根元の方向を向いている方樹木は、模様木に仕立てる作業もしやすく、カリンの樹木が持っている自然の美しさや魅力を引き立たせてくれます。

模様木の樹形は多くの樹種の盆栽が仕立てられている樹形ですが、特に黒松や赤松などの松柏類盆栽、実物盆栽のツルウメモドキ、花物盆栽の藤さくらなどの樹種は、模様木の樹形がとても似合う樹種です。

カリンの模様木づくりの仕立て方

素焼き鉢で培養されているカリンの中で幹の流れに緩やかな曲線がある樹木は、「模様木」の樹形に仕立てやすいです。

* 実生15年位の素材が仕立てやすい
カリンの模様木づくりの適期は、落葉期間中の11月から3月までの間です。北海道のように寒い地域仕立てる場合、春のお彼岸頃から4月の中頃が適期です。

カリンの模様木づくりに仕立てやすい樹木(素材)は、実生15年位のもので幹に自然の曲線あるものが盆栽初心者には仕立てやすい樹木です。その理由として、実生15年位の素焼き鉢で培養されているカリンの樹木は幹が既に太くなっているので、特に難しい剪定技術を必要としない樹木が多いためです。そのためカリンを模様木の樹形に仕立てるために必要な主な作業は、枝の剪定ぐらいです。

* 模様木づくりの樹形に仕立てるための剪定
実生15年位の素焼き鉢で培養されているカリンの樹木を模様木づくりに仕立てて行く場合は、最初に不必要な幹部にある枝を切り詰めます。幹部から出ている不必要な枝は複数本出ている場合が多いので模様木の樹形に仕立てやすい枝のみを残し、他の枝はすべて切り取ります。1本のみ残った太い枝は、模様木づくりに仕立てる上で樹木のポイントとなる枝です。

次に正面からこの枝を観察します。この枝から正面を向いて伸びている太い枝は切り詰めますが、針金をかけて横向きにしても良いです。しかし、既に横を向いている枝がある場合は、切り詰めた方が良いです。また、この他にも正面を向いている枝、混み合っている枝、交差している枝、三又になっている枝などは切り取って枝数を少なくします。1本残しておいた太い枝から出ている枝の混み合っている部分は、剪定してすっきりとした枝ぶりにします。また、この枝数を少なく剪定する作業によって幹の模様が良く見えるようになるので、引き立たせることができまる。

また、芯が太い場合は、左右どちらかに伸びた小枝を新しい芯に立て替えます。この作業によって、カリンの樹木の模様木が良く見えるようになり、樹形もすっきりとしてきます。カリンの樹木剪定が終わったら針金を掛けます。カリンの枝の流れが自然と横に流れるように針金をかけていくと、仕上がりの良い模様木仕立てのカリン盆栽になります。

* 化粧鉢への植え替え時期と模様木づくりに仕立てた後の冬の管理
針金掛けが終わり模様木に仕立てたカリンの樹木におすすめの化粧鉢は、実と花の色に合う釉薬がかかった化粧鉢がおすすめです。盆栽初心者が化粧鉢に植え替えをする際は、植え替えの適期である9月の終わり頃から10月の中頃、あるいは3月の上旬から中旬までの間に行った方が無難です。せっかく模様木に仕立てたカリンの盆栽なので早く化粧鉢に植え替えをしたいと思いますが、植え替えの適期まで待って行った方がカリンの生育も良いです。特に秋より春の植え替えをおすすめします。

模様木の樹形に仕立てたカリンの樹木は、冬の間強い風が当たらない場所で管理をします。この管理場所は、陽当たりが良い屋外です。水やりは、松柏類の盆栽と同じで1日1回位です。また、施肥も松柏類の盆栽と同じで、この時期の施肥は行いません。

模様木づくりをするためのカリンの素材

将来、カリンの模様木づくりを楽しみたい場合は、日頃から模様木仕立てにつくりやすい素材を見つけて培養しておくことが大事です。また、カリンの素材を入手したら正面と芯を決めておきます。

* おすすめのカリン素材
素焼き鉢で培養されているカリンは、比較的園芸店やホームセンターなどで多く販売されているので、カリンを模様木に仕立てる際に必要となる実生15年位の樹木(素材)は入手しやすいです。

また、実生7〜8年位のカリンの素材は将来模様木を作りたいと思っている盆栽初心者におすすめの素材です。この素材は、盆栽初心者にとっても管理がしやすい大きさなので将来の模様木作りの候補の素材として、これからの成長が楽しみな素材です。

* 模様木の良さが引き立つ正面の再検討と芯の立て替え
カリンの素材を購入したら正面を決めます。盆栽の芯は、正面に向くことが基本です。この作業を行う適期は、6月の梅雨明けから7月の中頃までです。

正面の決め方は、カリンの素材の樹木の模様が良く見える位置が正面です。しかしながら、素材の成長に伴い樹木の模様が変わる場合もあるので、その都度必要に応じて正面を変更して芯の立て替えも同時に行います。

素材の正面を決定する場合、模様木の良さや特徴が分かる位置を正面にします。樹木の頂部の枝などを剪定して新しい芯の立て替えをするために樹木の芯の部分を切り取り、他の頂部に伸びている枝も同時に整理をします。

正面が決まった素材が7月頃になったら、春から伸び出した徒長枝などを剪定します。また、幹の立ち上がりが太く樹木の芯の部分に向かって細くなるように「コケ順」を考えて、必要ならば芯の立て替え作業を行います。その際、立て替える新しい芯は、幹の頂部にある枝を使います。頂部の部分の枝の整理が終わったら新しい芯となる枝を残します。

新しい芯の立て替え作業は芯となる枝に針金をかけて、樹芯部からつくりたい幹の流れに針金をかけて修正します。例えば、立ち上がりが左の方向へ流れている場合は、樹芯部も左の方向に修正をします。この針金掛けて作業が終わったら樹木全体を見渡して、不必要な徒長枝などの剪定作業を行います。

カリン盆栽の模様木仕立ては、盆栽初心者でも仕立てやすい樹形なので、日頃から模様木に仕立てる素材を見つけて培養していると、いつでも仕立てることができます。また、模様木仕立てに向いている素材を入手すると、その後の樹形づくりも簡単です。

カリンの盆栽は、寒さや暑さにも強く根張りの良いので、盆栽初心者が初めて育てる盆栽としてもおすすめの樹種です。
また、カリンは日本では縁起の良い樹木として親しまれている樹種なので、素焼き鉢に植えられているカリンの素材から仕立てる模様木の樹形は盆栽初心者におすすめです。


盆栽記事一覧はこちら
初心者でも出来る盆栽の剪定の仕方を習得し、盆栽づくりにチャレンジ!
紅葉と寒樹の美しさを楽しむ楓ともみじの盆栽
盆栽鉢の種類と選び方
自分で仕立てる梅の盆栽
盆栽展と盆栽大会の違い
初心者でも作れる山もみじの盆栽

▲ページトップ