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子宝神社は水天宮と住吉大社だけじゃない! 子宝の神様を学んでご利益アップ?

2017-09-03

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子宝神社と呼ばれる神社は、全国に数多く散らばっています。ご祭神やご神体は、神社によって様々。子宝を授かるための参拝方法や作法も、神社によって異なりますが、どの神社でも大切なのは、念願が成就して子宝を授かった後に、神様に感謝の気持ちを報告するのを忘れないことです。

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子宝神社のご祭神と神獣たち

子授けにご利益のある神社は、全国に数多くあり、特に子宝神社や子授け神社と呼ばれています。そのほとんどは安産にもご利益のある神社で、子供やお産にゆかりのある神様が祀られていたり、多産や安産の象徴となる動物や神体が置かれたりするのが特徴です。

子宝にご利益のあるご祭神で最も人気があるのは大国主命。神様の中ではダントツの子沢山だったことから、全国で祀られています。同じく子沢山な神様なのが、伊弉冉尊と伊弉諾命の2柱の神様。国生み神話の中で天照大御神をはじめ、たくさんの神様を生みました。他には、応神天皇を身ごもりながら戦った神功皇后や、炎の中で出産した木花咲耶姫も安産・子宝にご利益があると信仰されています。

犬や狐は多産であるところから、子宝に縁起が良いとされ、神社の境内に祀られていることがあります。猿は子供を大事に育てることから、子宝のご利益があるとされる神獣です。多産というところから、変わったところではタヌキや猫も、子宝の象徴として信仰されています。また、夫婦岩や夫婦杉といった、御神体に子宝を祈願する風習も、全国で見られる信仰です。全国に数多くある子宝神社ですが、ここでは東西の代表として、東京と大阪にある有名な子宝神社について見てみましょう。

九州の本社をしのぐ人気の水天宮

東京で安産祈願・子授け祈願といえば、最も有名なのが水天宮。神社のホームページを見ても、安産祈願や子授けにご利益があることがわかります。東京にある水天宮は安産・子授けの代名詞ですが、本来の水天宮は水の神様として祀られていました。水天宮の総本社は福岡県の久留米市にあります。江戸時代に久留米藩の藩主・有馬頼徳が、江戸屋敷に分霊して祀ったのが東京の水天宮の始まりです。

実はこの江戸屋敷に勧請したところに、水天宮が安産祈願の神様になった秘密が隠されています。当時の江戸では水天宮は非常に人気があったため、有馬家の江戸屋敷は門戸を開き一般に参拝を許した結果、賽銭や奉納物・お札などの売り上げで苦しかった久留米藩の財政を救ったと伝えられています。ところが、実は久留米藩は財政が厳しかったので、収入を得るために水天宮を流行させたのが真相で、江戸で水天宮を流行らせるために、庶民に伝わりやすい安産・子授けのご利益を広めたというのです。

とはいえ、実際に安産・子授けのご利益がなければ、現在まで水天宮が子宝神社の代名詞で居られるはずがありません。ご祭神の安徳天皇は壇ノ浦の合戦で、幼くして命を亡くした悲運の天皇。その祖母にあたる平時子は、安徳天皇を胸に抱いて入水した悲運の女性。平徳子は息子の安徳天皇を幼くして亡くすことになる悲運の母です。神社のご祭神には、自分が受けた悲運の代わりに、その悲運が繰り返されないよう願いを叶えてくれる特徴があります。子を亡くした母が2人も祀られている水天宮は、「子授け」のご利益もパワーアップと言えます。

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全国に広がる日枝神社は猿にお願い

東京で有名なもうひとつの子宝神社は、千代田区永田町にある日枝神社です。大山咋神を筆頭に、国常立神(クニノトコタチノカミ)・伊弉冉尊(イザナミノミコト)・足仲彦尊(タラシナカツヒコノミコト)の4柱の神様が祀られています。比叡山にある日吉神社を総本社とする神社で、山王神道と呼ばれる一派のひとつです。東京の日枝神社は、江戸城築城のときに川越から勧請されたのが始まりとされ、明治時代以降も皇居の守護として祀られてきました。

神社の説明には大山咋神の「丹塗りの矢」の伝説から、子宝に恵まれる所以が説明されていますが、一緒に祀られている伊弉冉尊も、たくさんの神様を伊弉諾尊と生み出したことから、子宝に恵まれるご利益がある神様です。また、大山咋神の使いとされる猿も、子供を慈しんで育てるところから、子宝の象徴とされており、日枝神社でも子供を抱いた神猿(まさる)が、社殿の前の狛犬の場所に置かれています。この親子の母猿にお願いすると、子供を授かるようです。

狛犬の代わりに置かれているので、神猿も親子の姿の母猿と対になった、父猿が反対側に置かれています。この夫婦猿は夫婦円満・家庭円満のご利益はもちろん、猿は「えん」と読めることから、縁結びにもご利益があるそうです。子供は欲しいけどパートナー探しはこれからという人も、日枝神社なら縁結びから子授け・夫婦円満まで、一挙「三」得でご利益を得られそうです。

本社も子宝のご利益がある住吉大社種貸社

大阪の子宝神社の代表格といえば、住吉大社の種貸社です。種貸社は住吉大社の境内にある末社で、倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)が祀られています。倉稲魂は穀物、特に稲の神様で、神話の神々の中でも古くから信仰されている神様です。倉稲魂から授かった穀物の「種」をまくと、豊作になると伝えられており、そこから商売繁盛や子宝にもご利益があると信仰されてきました。倉稲魂命は伏見稲荷大社の祭神でもあり、稲荷神としても信仰されています。稲荷神の使いである狐が、多産のであることから、稲荷神も子宝の神様として信仰されています。

本社の住吉大社に祀られている、神功皇后も安産・子宝の神様として信仰されています。神功皇后は新羅征討に向かう際、すでに応神天皇を身ごもっていましたが、見事勝利を収めたという伝説があり、安産ひいては子宝に恵まれると考えられるようになったようです。神功皇后を祀る神社では、子供を抱いた神功皇后の像を見られることも多くあります。福岡県の宇美八幡宮や長崎県の聖母宮は、神功皇后を祀る子宝神社です。

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子宝祈願が成就したらお礼参りも忘れずに

どの子宝神社も、お参りするなら「戌の日」は最も縁起が良いとされています。犬は多産なので、子宝を祈願するなら最も効果があるという言い伝えです。とはいえ、どの神社も戌の日には大混雑するようで、戌の日に限っては妊婦さん1人しか祈祷を受け付けない神社もあります。戌の日以外でも祈祷は行なっている神社がほとんどなので、家族で祈祷を受けたいならそれ以外の日の方が、かえって良いかもしれません。先にあげた日枝神社の場合、ご祭神の御使が「猿」なので、むしろ戌の日以外の方が無難な気もします。

戌の日に固執することなく、御祭神に向かって真剣に祈ることが、子宝祈願では最も大切です。真剣に祈る姿勢が、脳内からストレスを減らす物質が分泌されることがわかっています。ストレスが軽減することで、精神的にも肉体的にも、子供授かりやすいコンディションになるのです。大切なのはご祭神のご利益を借りて、リラックスできることなのかもしれません。

最後に、子宝神社のご利益で子供を授かったら、ぜひ子供を連れてお礼参りに訪れてください。神社は「お願い」をするだけの場所ではなく、本来「感謝」の気持ちを捧げる場所です。特に水天宮では、可愛い子供の姿を見せることが、悲運のご祭神たちにとって最も嬉しいことでしょう。お礼のお返しに、今度は子供の行く末も見守ってくれそうです。

子宝神社にはどんな神様が祀られているか

子宝神社と呼ばれる神社は、全国津々浦々まで拡がっています。子宝のご神徳があることは知っていても、そこにどんな神様が祀られているか知らない人は多いのではないでしょうか。子宝神社に祀られている神様を知れば、近所の同じ神様を祭っている神社でも、同じ子宝の御利益を得られるはずです。多くの人で混雑する有名な子宝神社へ行かなくても、同じ神様を祭った神社でゆったりと祈願できるかもしれません。

花のように美しい木花開耶姫

木花開耶姫(コノハナノサクヤヒメ)は記紀に登場する女神様で、天照大神の孫にあたる瓊瓊杵命との間に、火照命(海幸彦)・火須勢理命・火遠理命(山幸彦)の3柱の神様を産みました。夫から不義を疑われた姫は、誓いを立て産屋に火を放ち、3柱の神を産んで身の潔白を証明したという説話から、火の神様として全国で祀られています。炎の中で無事に出産したことから、安産の神としても知られ子宝の神としても崇敬を集めるようになりました。木花開耶姫を祀る神社には富士山本宮浅間神社や子安神社などが知られており、どの神社も「子宝・安産」がご利益に含まれています。

尊い魂を身ごもる玉依姫

玉依姫(タマヨリビメ)は「魂・霊(たま)」の「憑り」つく巫女や神さまの総称で、特定個人を指す名称ではありません。そのため玉依姫と呼ばれる神様は多くいますが、どの神様にも共通しているのは、「尊い神様」を産んでいること。有名な上賀茂神社に伝わる賀茂伝説では、川で遊んでいた玉依姫が流れてきた丹塗りの箸を持ち帰ると、別雷神を身ごもったという伝説です。福岡にある竈門(かまど)神社は玉依姫を主祭神とする全国でも珍しい神社です。多くの神社では主催人とともに配されたり、境内の摂社・末社に祀られたりしています。

国産み・神産みで日本を作ったイザナミ

イザナミは国産み・神産みの神話に、イザナギとともに登場する女神です。「国産み」ではイザナギとともに、天沼矛(あめのぬぼこ)で大地をかき混ぜ、そこから落ちた滴が積もってオノゴロ島になりました。オノゴロ島に降りた二人は、誓いを交わし次々と神様を生み出していくのが「神産み」です。天照大神や月夜見尊、素戔嗚尊をはじめ、数多くの神様を生み出したことから、安産や子宝の神様として祀られています。万物を生み出す創造神・産みの神・製鉄の神として信仰され、兵庫県の淡路島にある伊奘諾神宮や滋賀県の多賀大社などは、イザナギとイザナミを主祭神として祀っている神社です。

子沢山ではダントツの1位の大国主命

大国主命は「国譲り」に登場する神様で、素戔嗚尊の子孫にあたります。出雲大社に祀られているのは有名ですが、主祭神として祀られる以外に、主祭神とともに合祀されていることも多く、近くの神社を探せば必ずどこかで祀られている神様です。出雲大社に全国の神様が集まるという説話から、近年では縁結びで有名な神様ですが、古事記によると180柱、日本書紀には181柱もの子供をもうけたことから、子孫繁栄・子宝のご利益も得られるとされ、広く信仰を集めています。

宇宙の始まりを司る天之御中主神

天之御中主神(アメノミナカヌシ)は別天津神(コトアマツカミ)と呼ばれる、この世界が初めて生まれた時に登場した神様のひとりです。中でも天之御中主神は最も早く生まれた神様で、宇宙の根源の神様であるとともに、宇宙そのものであると考えられています。天之御中主神がどのような功績を行なったのかは、記紀をはじめどの書物にも書かれていませんが、「宇宙の始まり」=「全てを生み出す」というところから、子宝に恵まれると考える信仰が広まりました。福岡県久留米市の神社を総本社に、全国に広がる水天宮では主祭神として祀られています。

子供を宿しながら戦った神功皇后

応神天皇を生んだ神功皇后は、まだ応神天皇がお腹の中にいるときに、朝鮮へ出兵し見事平定して帰還した、勇ましい女性です。三韓征伐の逸話から武運の神として武家から崇敬を集めていましたが、応神天皇がお腹にいたことから安産・子宝のご利益も得られると考えられています。住吉三神や八幡三神の1柱として祀られることが多く、全国の住吉神社や八幡神社でその名を見ることができる神様です。子宝に恵まれるだけではなく、応神天皇を立派に成人させたことから、教育の守護神として奉斎している神社もあり、誕生から成長までを見守ってくれるご利益があります。

子供の守護神とされる市寸島比売命

市寸島比売命(イチキシマヒメノミコト)は宗像三女神のうちの1柱。同じ水の神様の弁財天と同一視されることも多く、弁天様を祀った神社や祠に一緒に祀られていることの多い神様です。天照大神の子の瓊瓊杵命の降臨の際に、一緒に降臨して立派に育てたことから、子供の守護神としての信仰も広まっています。安産や子宝とは直接に関係のない神様ですが、子供に縁のある神様として子宝を祈願する神社も少なくありません。

夫婦〇〇は子宝にもご利益あり

ご祭神は直接子宝には関係なくても、境内にある自然のものにご利益のあることも。「夫婦岩」や「夫婦杉」など、夫婦〇〇とされて祀られているものの多くは、夫婦円満や子孫繁栄、子宝などのご利益を得ることができます。「夫婦」と頭についていなくても、男〇〇と女〇〇と一対になっているものも同じです。男女一対のもの以外にも、ズバリ「子宝〇〇」とされた石や樹木を祀っている神社もあります。もちろん、子宝のご神徳のある祭神を祀っている神社にも、「夫婦〇〇」や「子宝〇〇」を別に祀っていることもあり、さらなる効果を期待できることも。多くは触れたり祈願したりするだけですが、自宅に持ち帰れるありがたいものもあるようです。

子宝と安産の象徴として知られる犬

お産が楽なことから、犬は安産のご利益があるとされています。そこから子宝にも恵まれるとして、多くの安産・子宝祈願の神社には、「戌の日」に参拝することを推奨しているところも多いようです。中には戌の日は妊婦さんだけしか、祈願を受け付けない神社もあるとか。子供を抱いて大切に育てる猿を、神の使いとして祀っている神社もあります。他にも子宝や安産のご利益がある動物として、タヌキやネズミ、ネコなどが昔から大切にされてきました。香川県高松市にある屋島寺内の蓑山大明神には、「太三郎狸」と呼ばれる氏神様が祀られており、子宝を始め縁結びや家庭円満にご利益があると信仰されています。

パワーみなぎる男性の象徴を祀る神社も

そのものズバリ男性の象徴「男根」を祀る神社も、子宝に恵まれる神社として信仰されています。日本全国で見られる信仰で、多くは祭りの際に担がれる神輿など、特別な時に見られる「奇祭」がほとんどですが、中には御神体そのものが男根や女陰をかたどっている神社もあるようです。海外ではあまり見られない、日本独自の文化のようですが、単に「奇祭」というだけでなく、神話や伝承に基づいて真剣に祀られています。食物神の大歳神や倉稲魂神、金属神の金山彦神、猿田彦や天宇受売命、を祀った神社で、性器信仰が見られることが多いようです。男女の結びつきを生命の源と考えた、古い信仰が今でも受け継がれているという証拠でもあります。

摂社・末社にも祀られている子宝の神様

子宝のご神徳を持つ神様たちは、何も主祭神としてのみ祀られるわけではありません。規模の小さな神社でも、境内に本殿とは別の社を祀っているところも多く、そこにこれら子宝のご神徳を持つ神様が祀られていることがあります。大きな神社であれば、少なからずどれか一つは子宝の御利益を得られる摂社・末社を見つけられるでしょう。神社ではなく、神様を選んで祈願することで、選択肢も広くなりますね。

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