ガーデニング

甘い香りで花が長持ちする「沈丁花」の育て方と注意点

2017-09-29

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沈丁花はジンチョウゲ、または、チンチョウゲと読みます。
室町時代に中国から伝わり、古くから国内で栽培されてきた香りの高い低木です。
その香りの強さはキンモクセイほどの強さがあり、ピンクのかわいらしい花姿が春一番にみられることから、春の到来を告げる花としても愛されています。
花と香りをめでるだけでなく、和紙の原料やせんじ薬としても用いられてきました。
沈丁花の魅力とともに、沈丁花の性質や育て方、取扱上の注意点などを紹介します。

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沈丁花は春の到来を告げる香木

沈丁花は、まだ肌寒い3月~4月上旬に花を咲かせて、上品な甘い香りを人を引き寄せるほど強く放ちます。
ピンクや白の手毬のようなかわいらしい花をたくさんつけるので、春の到来を告げる花として古くから親しまれてきましたが、沈丁花の花はアジサイの花と同様に、花ではなく「ガク」です。

花の香りが「沈香」に、花の姿かたちが「丁字(グローブ)」に似ているので「沈丁花」と名づけられたといわれています。

流通している沈丁花は樹高が40cmぐらいまでのものが多く、成長はゆっくりで大きく育っても1m程度の大きさにしかならないので、鉢植えでも育てやすい木です。

花ではなくガクだから花も長持ち

沈丁花の花は、花ではなくガクなので、雨風では散ったり傷んだりしないので、長い間香りとともに花を楽しむことができます。

肥料もあまり必要ではなく、2月の芽だし肥と、4月にお礼肥として、緩効性化成肥料を一つかみ撒いておけば十分です。
地植えの場合は、1~2月に株もとに穴を掘って有機堆肥などを入れて土をかぶせておくと、ゆっくりと効き目があらわれ、株が充実していきます。

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実をつける雌株とつけない雄株がある

沈丁花の木は雌雄の区別があり、雌株も雄株も花を咲かせますが、雌株だけが花後に赤く丸い実をつけます。
日本国内で流通・栽培されている沈丁花はそのほとんどが雄株なので、実が取れることはほとんどありません。

実がならないと増やせない?!と思うのは早計で、沈丁花は通常挿し木で増やします。

煎じ薬に使われるけれど毒がある!?

沈丁花は煎じ薬として使われることもありますが、実は有毒植物です。
ほぼ全体に毒性があり、特に実や根、樹皮、樹液の毒性が強いといわれているので、沈丁花の手入れをするときはあらかじめゴム手袋などをしておくようにしましょう。

沈丁花の花を乾燥させた「瑞香花」を煎じたものは、鎮痛作用があって、風邪などののどの痛みを和らげるといわれていますが、花にも毒があるので、素人療法はやらないことをお勧めします。

この毒性のおかげで、虫よけ効果もあるといわれていますが、小さい子供やペットなどが誤って口にすると危険なので、むやみにいろいろ活用してみようとしないようにしてください。

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沈丁花の植え付け・植え替えと注意点

沈丁花の植え付け・植え替えに最適なのは6~7月ごろですが、基本的には時期を選ばず、真夏以外はいつでもできます。
根が傷みやすいので、時期を図らずに手に入ったときにすぐに植えるのがよいかと思います。

ゆっくりと成長していくので、地植えの場合は植え替えの必要がありません。
鉢植えの場合も、鉢底から根が出てくるまでは植え替える必要がありません。

また、大きく育った沈丁花を移植すると、逆に根付かず枯れてしまうことがあるので、ココ!と思う場所に植えたら動かさないのが一番です。
植えつけ場所や土壌はあまり選びませんが、なるべく日当たりと水はけのよい場所を選ぶようにしてください。

根が柔らかくて傷みやすいので、なるべく根を傷つけないためにあまり根をいじらずに植えましょう。

植えつけ時にはたっぷりと水やりをしますが、地植えの場合は植えつけ後自然任せで、真夏以外は水やりの必要はありません。
鉢植えの場合は、植えつけ時は鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりしますが、その後は表面の土が乾いたらたっぷりと水やりするようにします。

自然にまとまるから世話いらず?

根をいじられるのがあまり好きではない沈丁花は、剪定されるのもあまり好きではなく、剪定しすぎると枯れてしまうことがあるので、控えめな剪定を心掛けます。

成長がゆっくりなのでバランスも崩しにくいうえに、自然に丸い形に育つ習性があるので、自然任せで世話いらずかもしれません。

突然枯れることも!その前に挿し木で増やして

沈丁花は、花後の4月と7~8月が挿し木の適期なので、このころ剪定した大きめの枝があれば挿し穂として使って増やしてみましょう。

順調に育っているかと思ったら、突然枯れたということが時々ある沈丁花なので、挿し木してあらかじめ増やしておくと安心です。
沈丁花は根が伸びにくく、成長がゆっくりなので、途中で水切れがないように気をつけながら気長に育ててみましょう。

挿し木をする前に、切り口を斜めに切って面積を広くしたうえで、発根剤などをつけてから挿し木すると発根しやすくなるので失敗しにくくなります。

新芽が伸びてきたら根も伸びてきているので、土をなるべく落とさないように大きめに掘り起こして一株ずつ植木鉢に植えて育てていきましょう。

沈丁花の剪定は?上手に育てるコツは?

春になると香ってくる沈丁花の甘い香りは印象的で、沈丁花を育てている人も多いのではないでしょうか。ここでは大きくなった沈丁花の剪定はどうすればいいのかについてや沈丁花をこれから育てたい人へ上手に育てるコツについてご紹介していきたいと思います。
多くの人を楽しませる沈丁花の香りを漂わせる庭は素敵ですよね。自分でも育ててみませんか。

「沈丁花」って名前も面白い

沈丁花は、中国北部からヒマラヤを原産とした木で、高さは1mほどにしかならない低木です。常緑樹で育てやすさも普通の木です。耐暑性も普通で残念ながら耐寒性はあまりありませんが、東北より南ならば庭でも育ちます。マイナス5度以下にならない所であれば植えても大丈夫です。
甘い香りが人気で多くの庭に植えられていますが、「沈丁花」と言う名前の由来についてはあまり知られていないのではないでしょうか。花の香りが香木の「沈香(じんこう)」に似ていることからと、花の姿がフトモモ科の「丁字(ちょうじ)」に似ていることから「沈丁花」と名前が付いたと言われています。
60cm~1mとあまり高くならないので鉢植えで育てる人もいます。
歴史的には室町時代に中国から渡ってきた沈丁花で、外側が紅紫色の濃い色で内側が白のかわいらしい花は、濃い緑色の葉っぱの中で引立って花も美しい沈丁花です。
外側も白い花になった「シロバナジンチョウゲ」と言った種類もあります。白い花の沈丁花も可憐でかわいらしい種類です。
また、緑の葉に黄白色の斑が入った葉っぱも楽しめる「フクリンジンチョウゲ」もあります。

春に花が咲いて香る時期を過ぎた後の手入れは?剪定は?

私達が良く知っているのは、春の2月下旬~4月頃になると香ってくるあの甘い香りの沈丁花です。春の訪れを香りで知らせてくれる花ですよね。その一方で花の後の沈丁花のことについてはあまり知らないのではないでしょうか。常緑樹ですので沈丁花は1年を通して緑が楽しめる木です。
沈丁花の手入れはと言うと、あまり心配せず育てることができます。低木で樹形もかわいらしく丸いのですが、自分で自然に丸く育ってくれますのであまり剪定をする必要もありません。
細かく枝分かれしますので、根元が混み合っていたら風通しをよくするために枝を切るくらいで大丈夫です。風通しを良くすることで木の成長もよくなりますので根元の剪定は行いましょう。
沈丁花の剪定は、風通しをよくするために間引く程度の剪定で大丈夫と言うことになります。枝分かれしている根元から切りましょう。

剪定には、間引きと小さく抑える剪定がある

また、剪定には、大きくなり過ぎたために全体を小さくする剪定もあります。その場合は1番太い枝はあまり切り込まないで全体的に刈り込んでいきます。あまり強く剪定すると枯れることもありますので注意が必要です。
花が咲き終わったら剪定を行い、そこから次の年の花芽が6~7月に出てきますのでそれまでに剪定を終わりましょう。花が咲き終わったらすぐ剪定を始めるのがコツです。

沈丁花を上手に育てるコツは?

極端な日陰や西日がよく当たる所を避ければ沈丁花は育てやすい木です。耐寒性も多少はありますが、霜などで葉が弱ります。鉢植えの場合には冬の寒さには注意をして移動させてあげるといいでしょう。
春から秋は成長期ですので、鉢植えの水遣りには土が乾いたらたっぷりとやって水切れを起こさないように注意をして育てましょう。水はけのいい場所や土で育てることも大切です。
また、大きくなっても植え替えが難しい沈丁花ですので、植え替えなくてもいいような場所や鉢でできれば育てるのがおすすめです。
害虫は、アブラムシやハマキムシに注意が必要で、春先には茎や葉、新芽に注意をしておきます。早めに見つけて駆除しましょう。

沈丁花は突然枯れることもある?

また、沈丁花は植え替えが難しいと書きましたが、そのまま成長して行って突然夏に枯れてしまうことがあります。
突然枯れてなくなってしまわないように、挿し木で増やしておくことも重要です。4月または7月~8月に挿し木で増やしておくのがいい方法です。
沈丁花は寿命の短い木と言われ、10年~20・30年と言われます。大きさは1mほどにしか大きくならず成長速度がゆっくりの低木です。長い間育ててずっと元気だった木が枯れてしまうことも頭に入れておきましょう。

沈丁花はゆっくり育てていきましょう

沈丁花は、低木でゆっくり育っていく木です。15cm~30cmほどの苗木を買って1年に15cmほど大きくしてゆっくり育てていきましょう。
毎年春の訪れを感じさせてくれる沈丁花の香りを毎年楽しみながら、花の美しさや常緑の葉も味わってみるのもいいでしょう。少し日陰でも大丈夫ですので庭木としても鉢植えとしても育てやすい木です。大きく育てたいならば庭に植えて香りを楽しみながら育ててみるのもいいのではないでしょうか。

沈丁花の花をたくさん咲かせたい!

沈丁花の花の香りがすると春が来たと思う人も多いのではないでしょうか。自分で沈丁花を育ててたくさんの花を咲かせたいと思っている人もいるでしょう。

沈丁花の花をたくさん咲かせる方法についてご紹介します。一杯の甘い香りに包まれる春を実現してみませんか。

沈丁花の花が実は不思議!

沈丁花は、2~3月に花を付け、春を連想させる春の季語にもなっている木です。その沈丁花の花については実は不思議がいっぱいです。

まず、その形状から変わっていて、つぼみは濃い紅色をしていますが、開くと十字型のようになります。枝の先に20程の小さな花が手毬のように丸く固まって咲きます。

この沈丁花の花が実は、花びらを持たない花だというのを知っていますか。十字型に見えるものは花ではなく本当はガクとなっています。内側は白、外側は紅紫色のガクです。

こうしたことを知ると、ガクが美しい沈丁花の花をしっかりと間近で観察したくなりますよね。

また、沈丁花には雄株と雌株があり、雌株は赤い実を付けますが、日本の沈丁花はほとんどが実を付けない雄株となっています。私達はほとんど雄株のみを見ているという事になります。

赤い実を付けた沈丁花を見た人は日本ではあまりいないのではないでしょうか。この赤い実には有毒があるため気を付ける必要もあります。

また、沈丁花の花の煎じ汁は、昔から歯痛・口内炎などの民間薬としても活用されてきたという事実もあります。知らないことがいっぱいです。

沈丁花の花言葉を知っていますか

そんな不思議な沈丁花の花言葉は、「栄光」「不死」「不滅」です。常緑樹で冬も葉っぱが落ちないことからそういった花言葉になったのでしょう。

また「歓迎」と言う花言葉もあります。春の訪れを香りで漂わせることから春の走りとして、春を歓迎すると言ったイメージの花言葉のようです。

葉や花の双方から縁起が良かったり、いいイメージに受け取られている沈丁花です。

沈丁花の花の色は濃い紅色や白、淡い紅色なども

沈丁花の花の色は、ガクの外が白くなって白い花に見える「シロバナジンチョウゲ」やガクの外側が淡い紅色の「ウスイロジンチョウゲ」などもあります。

濃い紅色の沈丁花は落ち着いた感じですし、白や淡い紅色は清楚で可憐な沈丁花の美しさを感じるものです。

たくさんの花を咲かせるには

沈丁花は、手毬のように集まって咲きますが、その花をたくさん咲かせるにはどうしたらいいでしょうか。

肥料のやり方も重要で2月と9月にゆっくり効く油かすと骨粉の肥料を与えます。これらを株元にやることでカリウムを補い、花や実をたくさん付けることができるようになります。カビが生えやすいので株元を掘ってから肥料をやるのもおすすめです。

また、あまり剪定をしなくていい沈丁花ですが、剪定の時期によっても花が咲かなくなることがあります。花芽は、6月~7月にかけて伸びた枝先に付き、翌春に花が咲く性質があります。つまり、夏は翌年の花芽が作られる時期ですので、花芽を切らないように早めに剪定することが大事です。花が終わったらすぐに剪定を行い、夏前に終わってしまいましょう。

また、花をよく咲かせるには、沈丁花は水はけのいい土に植えるのもコツです。土が粘土質や水はけが悪い状態ですと根腐れを起こしやすくなります、少し高くして植えるのもいい植え方です。

根がデリケートな沈丁花

細根が少なく、水の吸収力が弱いのも特徴で、夏場などの乾燥は注意も必要です。マルチングかグランドカバー植物を植えておくのもいい方法と言えます。

また、根がデリケートな沈丁花は、地植えしたことで根に病原菌が入ってしまうこともあり注意をしましょう。鉢植えですとあまり病原菌も入らない点がいいとも言われています。

もともとあまり長寿でない沈丁花ですが5年程で枯れてしまうことも中にはあります。根に病原菌が入ることが原因のようで、そういった面では、鉢で楽しむのもいいでしょう。

沈丁花の特徴を知ってたくさんの花を咲かせましょう

いかがでしょうか。沈丁花の花びらは、実はガクだったということや、あまり剪定をしなくていいこと、剪定をする場合にも花が終わったらすぐやること、そして根がデリケートなことなど、特徴をたくさん知ることができたのではないでしょうか。

地植えや鉢と楽しみ方もいろいろできる沈丁花です。鉢で剪定の時期を間違ないように気を付けることで小さく育てることもできます。小さく育ててベランダから沈丁花の花の香りがしてくるのもいいでしょう。沈丁花鉢植えにも挑戦してみてはいかがでしょうか。

地植えで1mほどに大きくなった丸い樹形の沈丁花も魅力的です。一斉に手毬状の花がたくさん咲く姿はとても美しいものです。蕾の時の色と咲いた時の花の色も異なりガクの色を楽しむことができます。香りと共に様々な不思議な魅力を味わえるのが沈丁花の花です。たくさん咲かせて沈丁花の魅力に包まれてみませんか。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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