盆栽

初心者が盆栽づくりで覚えておきたい「忌み形」の基礎知識

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初心者の盆栽作りで覚えておきたい基礎知識として、「忌み枝」と並んで「忌み形」があります。

「忌み形」は、基本的に好まれない樹形なので、盆栽の樹形づくりで不必要な「忌み枝」と併せて基礎知識を覚えておくと、初心者の盆栽づくりに役立ちます。

「忌み形」とは

* 「忌み形」とは?
盆栽の樹形には、「忌み形」と呼ばれている基本的に好まれていない樹形があります。この「忌み形」の種類は複数ありますが、初心者が盆栽作りに役立つ基礎知識として必要な「忌み形」の主な種類は、7つあります。

「忌み形」の知識は、長い盆栽の歴史を通して、盆栽愛好家たちが試行錯誤しながら習得してきたものなので、初心者の盆栽作りには役立ちます。

* 初心者が覚えておきたい7つの主な「忌み形」
初心者が盆栽作りを始める際に覚えおきたい主な「忌み形」は、「偶数幹」、「悪い幹曲がり」、「棒幹」、「蛙股」、「蛸づくり」、「芯止まり」、「ぶつ切りの幹」の7つです。

―好まれない偶数幹
盆栽の世界で寄せ植え、株立や根連なりなどを仕立てる場合は、偶数の幹数は好まれないので、奇数の幹数で仕立てることが昔からの慣わしとなっています。

例えば、素晴らしい株立の樹姿をしている盆栽でも幹数が偶数の場合は、 昔からの慣習によって名品なることは難しく、あまり好まれないです。逆に、奇数の幹数で仕立てられた盆栽は、基本的に「良い」とされています。

―「悪い幹曲がり」
初心者が盆栽に針金をかけ始めると、幹を曲げることが盆栽づくりの基本だと間違って理解して、色々な悪い幹曲がりの盆栽を仕立ててしまうことがあります。

初心者が間違って仕立ててしまう悪い幹曲がりには、弓を引いたように幹が曲がった「弓曲がり」、ミミズのような形に曲がった「みみず曲がり」、腰が曲がったような「腰曲がり」、くの字のように曲がった「くの字曲がり」、鍋のつるのような「鍋づる曲がり」、らせん状に曲がった「らせん曲がり」などがあります。

このような悪い幹曲がりは、人工的に作られた不自然さや見苦しさが感じられるので、作らないことが大事です。

―短期間で大きく育てた「棒幹」
悪い幹曲がりをした盆樹以外に「棒幹」と呼ばれる「忌み形」があります。この「棒幹」は幹に何の変化や趣が無く真っ直ぐな棒のようなので、好まれない樹形です。

「棒幹」と呼ばれる盆樹は、販売目的のために盆栽の苗木を畑で時間をかけず短期間の間に大きく育てた苗木に多いです。

一方、同じような「棒幹」の苗木でも時間をかけてゆっくりと手間暇をかけて育てられた苗木は、幹に長い歳月による深みや趣が感じられます。そのため短期間で販売目的のために育てられた苗木は、「鉢物」の苗木としては向いていますが、盆栽として育てることは難しいです。

―U字形になっている下品な「蛙股」
「蛙股」も嫌われる「忌み形」の一つです。

「蛙股」は、幹の分かれている分岐点の部分が、U字形をした蛙股のようになっているので、下品と言われています。盆栽の樹形のなかでも「蛙股」のある「双幹」の樹形をした樹木は、特に嫌われています。

一方、幹の分かれている分岐点の部分が、U字形ではなくV字形になっているものは、好まれます。盆栽作りの上で幹の分かれている分岐点の部分をV字形にすることが難しい場合は、針金などである程度L字型にするように整姿をすると、無難です。

―タコの足に似た「蛸づくり」
嫌われている「蛸づくり」は、幹や徒長した枝に針金をかけて、タコの足のようにむやみに屈曲させた忌み形の一つです。

初心者が盆栽の針金かけに慣れてくると、必要以上に沢山の徒長枝や幹に針金を使って屈曲させてみたくなりますが、むやみに屈曲させるのではなく、自然な形に樹姿を仕立てることが大事です。

―樹芯が枯れてしまった「芯止まり」
「芯止まり」と呼ばれている「忌み形」は、樹木の樹芯が途中で枯れたり、折れたりしてしまった樹形です。

盆栽にとって樹芯は大事ですが、他の頂点のところから伸び出している小枝などを新しい樹芯として仕立てることも可能です。その際、幹筋と樹芯が「くの字」のように曲がらないことがポイントです。

―縁日盆栽と呼ばれている「ぶつ切りされた幹」
「忌み形」の樹姿には、縁日盆栽と呼ばれている「ぶつ切りされた幹」がある樹木があります。

この樹木は、幹の頭部をのこぎりなどでぶつ切りにした跡が残っています。新芽が出て落葉するまでは茂った葉によって隠れていますが、落葉後はぶつ切りにされた幹が表れてしまいます。

このような盆栽は縁日などで良く販売されているので、初心者が盆栽を購入する際は、幹の頂点を確認してから購入することが大事です。幹がぶつ切りされている縁日盆栽は、一般的な鉢植えの植物として育てることは可能ですが、盆栽として仕立て直すことは難しいです。

「忌み形」の直しかた

一般的に幹の頂部の曲がりが小さく、幹元の方が太くて大きい樹木は、良い盆栽と言われています。また、正面から盆栽の樹木を見た場合、樹芯が前方にあって幹が後方に曲がっているものが良いとされています。逆にその反対の樹形をしている盆栽は、好まれない忌み形です。

しかしながら樹木に欠点のない盆栽はないので、既に「忌み形」の盆栽を購入してしまった場合でも樹形の欠点は初心者でも直すことができます。

* 欠点を直すポイント
盆栽は全く同じものをコピーしたように作ることができないため枝ぶりや樹丈などが同じ盆栽は存在しないので、入手した盆栽や育てた苗の中には忌み形をした樹木があることは、自然です。そのため「忌み形」の樹形をした樹木でも個性の異なった樹木の特徴を生かしながら、むしろ欠点がその樹木の魅力になるように、仕立て直すことがポイントです。

また、樹木の改作は思い通りにならないことが多いですが、樹木と一緒に向かい合って焦らず、時間をかけて取り組むことも大事なポイントです。

* 欠点のある盆栽のメリット
欠点を持っていない盆栽の樹木はないので、忌み形になっている欠点の部分を改善して、出来るだけ美しい自然の姿に近づけるように整姿をすることも可能です。また、この作業には、盆栽づくりの楽しさや面白さがあります。

最初から立派な樹姿をした盆栽を購入してしまうと「観賞用」としては良いですが、あまり手入れ作業をする必要がないので、盆栽を育てる楽しさを味合うことが出来ないです。しかし、多少欠点のある忌み形の盆栽は、手直しをする必要があるので、初心者でも楽しみながら改作作業をすることができます。

盆栽は日々生長している「生き物」なので、現在あまり良くない樹形をしていても仕立て直すことにより将来は、見栄えのする盆栽になる可能性を秘めています。そのため欠点のある盆栽は、樹木の欠点を把握したり特性を生かしたりして、自分好みの盆栽に改作できるメリットがあります。

盆栽初心者が「忌み形」の基礎知識を覚えると改作作業もしやすくなるので、盆栽づくりを楽しみながら行うことができます。自分で毎年少しずつでも忌み形をした欠点の部分を魅力的な長所に向上させることは、盆栽づくりの楽しさや面白さです。

また、初心者が盆栽づくりを始める場合は、予め「忌み形」の種類を覚えてから盆栽を購入したり、樹形づくりをはじめたりすると失敗が少ないので、おすすめです。

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