ガーデニング

野趣あふれる小ぶりのアジサイ「ヤマアジサイ」

2017-12-08

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ヤマアジサイはアジサイの一つで、本州の太平洋側に広く自生していて、福島県から四国・九州まで分布しています。沢など水辺によく生えていたので「サワアジサイ」とも呼ばれています。ヤマアジサイの花は一般に「アジサイ」として園芸店で流通しているガクアジサイより小ぶりで、葉っぱも大部分が小ぶりです。

ヤマアジサイの花も、中心の小さな粒々の周りに鮮やかな色の花をつけていますが、鮮やかで花に見える周りの大きなもの方が「装飾花」と呼ばれている「ガク」で、中心部に寄り集まっている小さな粒々のようなものの方が本当のヤマアジサイの花になります。

ヤマアジサイはガクアジサイより全体的に小さめに育つので、鉢植えや盆栽として育てやすく、野趣あふれる姿に人気があります。

花色がpHで変わるものと変わらないものが

アジサイの花の色がpHで変わるのはよく知られており、土が酸性寄りだと青色に、アルカリ性寄りだと赤色に花色が変わります。

酸性雨の影響もあって、庭植えにしていると、徐々に酸性寄りになるので青色が強くなっていくこともあり、鹿沼土など酸性寄りの土に植えると青色が強く出る傾向があります。これに対して、苦土石灰を少量まいてpHを調整しておくと、赤色の花を楽しむことができます。土壌のpH調整が中途半端の場合、アジサイが色とりどりの花を咲かせてしまうこともあります。

ヤマアジサイは、pHによらず花色が変わらない品種「紅(くれない)」のようなものもあれば、pHによってアジサイらしい色変わりを見せる品種「藍姫(あいひめ)」のようなものもあるため、色が変わるとも変わらないとも一概には言えません。

ヤマアジサイの日当たりと置き場所

ヤマアジサイは本来、木の下などのやや明るい、日当たりがそれほど良いわけではないところに育ちます。水辺の近くで育つので水切れにはとても弱く、水切れや強い直射日光に当たるとすぐに枯れたようになってしまいます。

ヤマアジサイに限らず、アジサイは花に見える部分も含めて株全体を覆っている大部分が「葉」なので、水やりするときは下からではなく、上から水をたっぷりかけるようにすると、真夏でも葉焼けなしで育てることができます。

真昼に水やりすると花が傷んでしまうと躊躇していると、それだけでもあっという間に枯れ始めるので、真昼でもぐったりしているときは上からしっかり水やりする方が葉焼けや花が傷むのを防ぐことができます。

ヤマアジサイも鉢植えより庭植えがおすすめ

ヤマアジサイはアジサイとしては小ぶりの方ですが、庭植えにすると水切れしにくく、冬越しも容易になるので、鉢植えより庭植えにする方が育てやすくなります。

庭植えの場合は、植穴にしっかりと有機堆肥や腐葉土を混ぜてから植え付けし、冬に入る前に、敷き藁などして寒さ除けするとき、株元に穴を掘って有機堆肥を埋めて土をかぶせておく「寒肥」をしておくと翌年の花つきがよくなります。開花前や花後に株もとに緩効性化成肥料をまくこともあります。

鉢植えにするときは、鉢が小さい方がより水切れしやすいことを念頭に置きながら、水切れに十分注意して栽培しましょう。真夏は鉢皿に水をためておく「腰水」をして管理すると水枯れしにくくなります。また、鉢が小さいと、冬の寒さで根が凍って枯れてしまうこともあるので、よりしっかりとした鉢の防寒対策が必要になってきます。

鉢植えのヤマアジサイの植え付けと植え替え

鉢植えのヤマアジサイの植え付けには、赤玉土鹿沼土と言った粒状の土のみを用いるか、粒状の土に腐葉土ピートモス・川砂・バーミキュライトなどをブレンドして水はけや水持ちを改良させたものを用います。植え替えは2〜3年ごとに行い、花後に剪定するときに一緒に行うのがおすすめです。

肥料は花が終わった6月ごろ、緩効性化成肥料を株もとに置き、冬になる前にペレット状になった完熟発酵肥料を寒肥として与えます。完熟発酵肥料は施肥してから徐々に分解されて効果を発揮するので、ゆっくりと長く効いてきますが、株もとに置いただけでは虫が寄り付きやすくにおいもするので、用いる場合は浅くてもよいので土に埋めるようにしましょう。肥料によっても土壌のpHが変化して、ヤマアジサイの色が変わることがあります。

ヤマアジサイの花殻摘みと剪定

アジサイは翌年の花芽を8月ごろにつけるので、それ以降に剪定すると花芽まで切り取ってしまいがちで、翌年花が咲かなくなってしまうことがあります。この性質はヤマアジサイも同じです。剪定するなら花後すぐに、7月末までに剪定を済ませます。

鉢植えで育てている場合は、大きくなりすぎないように・形を整えるために、絡まった枝を整理し、枝分かれしたところから2、3節残してその上を切り落とします。

切り落とした枝は、挿し木に使ってヤマアジサイを増やすこともできます。剪定枝の2〜3節分を挿し穂にして、葉先を半分ほど切り詰めてから30分ほど水の中に入れて水揚げさせます。湿らせた鹿沼土赤玉土を敷き詰めた苗床を用意し、棒で穴をあけたところに挿したら涼しいところに置いておいて、水を切らさないように管理します。新芽が伸びてきたら挿し木に成功しています。挿し木後3か月くらいは苗床で育て、その後は新しく植えつけて、新しい苗木として育てます。

ヤマアジサイを自然放置にすることも

7月末までに剪定を済ませたくても、まだきれいに咲いているとなかなか剪定しにくいものがあります。また、ヤマアジサイはあまり大きくならない上に、剪定しなくても花つきが悪くなりません。

剪定のタイミングを逃した時や、剪定したくないときは、剪定なしで育てます。まったく剪定しないで花殻摘みもせず、自然任せにした場合は、翌年春に枝先に花芽がついているのを確認してから花殻や生育の悪い枝を剪定するようにします。

枯れた花をつけっぱなしにするので、冬の間中、全体的に枯れたような姿になって見栄えはしませんが、アジサイの装飾花は「ガク」なので、秋になるとガクが真っ赤に紅葉します。剪定しないでヤマアジサイを育てると、花後にも、いつもとはまた違ったアジサイの秋花を楽しむことができます。

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