仏像

無間地獄とはどんなところ?

関連キーワード

人間生きていれば、何かしらの苦しみはつきものです。比喩的な意味で「地獄だ」と称する人もいますが、本物の地獄は凄まじい場所であり、責め苦の内容を聞かされても凄まじすぎて却ってピンと来ません。伝承に記された地獄とはいかに恐ろしい場所なのでしょうか?

全部で八層、仏教地獄

地下を意味する「ナラカ(奈落)」が元となっている仏教地獄ですが、全部で八層あります。人間界を有する膽部州の下層に存在。閻魔大王の下で地獄行きが言い渡されるわけですが、罪の重さによって行き先や刑期は変わります。一番下は無間地獄(むげんじごく)と称される、極悪人の執着地です。

「無限」ではなく「無間」

地獄の最下層なので「無限地獄」とする人もいますが、「無間地獄」が正しい表記です。間がない、つまり絶え間ない苦痛だけの場所とされます。またの名を阿鼻地獄。

他の地獄とは色々とスケールが違う

無間地獄は他の地獄と比べて色々とスケールが異なります。罪状からして「ホントにこんなことやったの?」と眉をひそめて聞きたくなるものばかりです。
大まかに言えば殺人、強盗、詐欺等々。聖人、親なども見境なく殺し、口に出すのもおぞましい所業の数々をこなせば誰だって無間地獄へ行けます。無間地獄とは、善良な心をひとかけらだって持っていないような物の行く所なのです。
また、容量が他の地獄の500倍とこちらもスケールが違います。何故なら、それだけ無間地獄に堕ちる不逞の輩が多いとされた為です。ちなみに無間地獄行きが決まったら真っ暗な闇を落下するわけですが、到達するのに2000年かかります。
その後、火の車に乗せられて「おいでませ」とばかりに責め苦の世界へ案内されるのです。仏教の地獄は刑期がありますが、無間地獄の刑期は682京1120兆年ほど。兆を超えています。刑期を付ける意味があるのでしょうか。

責め苦も罪状もおぞましい地獄の集大成

無間地獄を取り仕切るのは、64の目と火を噴く能力を持った巨大な鬼です。無間地獄に到達すると、まず舌を引っ張り出されて、釘を100本打ち込まれます。どんだけ細い釘なんだろうかというより、舌をのばすようです。後は焼けた鉄の山を上る、毒蛇、火を吐く動物に終われる、「他の地獄がまるでパラダイス」と言いたくなるほど、ただもう苦痛があるのみとされます。地獄は八層に分かれていますが、罪状によって小地獄と呼ばれる場所も存在。これまたバラエティに富んでいます。いくつかをご紹介しましょう。

【烏口処】
阿羅漢と言う、上部座仏教の最上位の僧侶を殺すとここに来ます。鬼に口を引き裂かれて、煮えたぎる泥にドボン。口が閉じないので、ダイレクトに内臓が熱した泥で焼かれてしまう責め苦です。

【野干吼処】
悟りを開いた人物や高僧を馬鹿にするとここに落とされます。火を噴き、鉄の口を持った獣に食べられる所です。食らう場所は罪深い部分とされており、舌や足などが狙われる模様。

【鉄野干食処】
仏像や僧侶関わりのある品を燃やした人の行き先です。人体発火現象が起きて空からは瓦の雨が降り、火を噴く動物に追い回されます。

まとめ

682京年という年数がまずピンと来ません。そもそも、色々な責め苦に遭っていたら何も感じなくなるのではとの錯覚も起きます。
しかし、地獄は甘くありません。一番罪の軽い所でも鬼が「生き返りなさい」と言えば復活し、再び責め苦を受けるのが地獄です。一番下の、極悪人共が行く場所なら尚のこと。刑期を待たず抜け出すには追善供養の度に再審を受けるか、悔い改めて並阿弥陀仏と唱えれば極楽往生も叶います。しかし、追善供養をしてくれる人がいるでしょうか?また、悔い改める人がいるでしょうか?無間地獄とは恐ろしいという形容すら生ぬるい場所ですが、そこに堕ちる人間の方がよほど恐ろしく、救いようがないものなのです。
それでも助けようとしてくださる仏様をよく拝み、道を踏み外さないようにしましょう。生きている間に自己反省等をすれば、地獄に堕ちるような心根もなくなっていきます。

▲ページトップ