四字熟語

悟りを分かりやすく例える雲外蒼天

2017-12-11

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古代ギリシャで成立したイソップ童話は、非常に分かりやすいです。ストーリーとしても面白いですし、教訓だって分かりやすく構成されています。仏教においても悟る為の方法が分かりやすく、しかも面白い説話やたとえがありました。

意味など

【よみ】
うんがいそうてん

【意味】
苦労を乗り越え、努力を重ねれば青い空を拝むことができる。ここでいう雲とはあらゆる苦難、障害の象徴です「頑張れば、いつか雲の外に出て青い空が見られますよ、努力は報われるますよ」と言う意味になります。

【類語】
開雲見日など。

【用例】
「志望校のレベルが高すぎるって?大丈夫。雲外蒼天で合格できるよ」など。

雲は迷い、迷いは苦しみ

仏教僧の最終目標は悟りです。しかし、一口に悟ると言ってもその道のりは険しく、難しいもの。
常人には理一見理解能な問答の応酬の禅問答や厳しい修行の果てに悟ると言うのが一般的なイメージです。それは確かにそうなのですが、そんな悟りのイメージを分かりやすく表しているのが雲外蒼天という言葉です。
仏教の場合、「雲」は迷いや煩悩の象徴となります。雲は実際には氷の粒が集まった物ですが、イメージとしてはモヤモヤとしており、太陽を隠し、先が見えない状態にするものです。まさに、「どうしたら救われるのか」と前が見えない迷いの段階と言えます。「何もかもが苦しいよ、それが人生、生きることだよ」と一切皆苦の教えを説くのが仏教です。
他ならぬお釈迦様のお言葉なので「そうかあ、苦ばっかりか」と落ち込むかもしれません。しかし、落ち込むことはないのです。

苦しみからの解放が悟り、雲外蒼天

全てが苦なら、いっそそれと真正面から向き合ってみましょう。
仏教では四諦と呼ばれる真実が見えてきます。「この世は苦しいことだらけ」との段階に始まり、「何で苦しいのかな」との段階に移行。実は、苦しみの原因は大抵自分で作っているのです。
「人より良く見られたい」「もっといい暮らしがしたい」「家族を養わなくてはいけない」と、どうでもいい悩みから切実な悩みまで無数にあります。
仏教ではこれらを「苦の原因」と見、「いろいろなことに執着するから苦しい。執着を捨てれば楽になる」と言っているのです。そうは言っても実行は難しいですよね。
執着を捨てるには八正道と呼ばれる「正しい行い」をきちんと行わなくてはなりません。そうすれば、いつの間にか執着は消え、悟りの境地に達することもできるのです。
極端な話ですが、実はこれも大概「ちょっとしたことで何とかなる」ものです。「言うは易く行うのは難し」の典型ですが、「ちょっとずつ、できることからやる」だけで大概解決に向かいます。

傑作漫画に見る「悟り」

手塚治虫氏の傑作、『火の鳥鳳凰編』には仏師が登場します。
片や才能を見込まれて朝廷付きの貴族がパトロンになった秀才型。
片や物心ついた時から村中に疎まれて、盗人から盗賊の頭になった男。秀才型の仏師はパトロンによりもたらされた権力などに目がくらみ、次第にアイディアが出なくなっていきます。一方の盗賊は、高僧の出会いが元で少しずつ仏師としての才能を表していきくのです。その人生には様々な苦難が降りかかりますが、生と死について考えるうちに盗賊は悟りを得ました。そして自然の美しさに涙します。望んだ苦労ではなかったものの、それらを乗り越えあらゆる雲が晴れたのです。

まとめ

一休和尚は言いました。「大丈夫、何とかなるから」と。これは何かしらを行っている人の為の励みです。
『火の鳥』の元盗賊の仏師は問題に立ち向かい、結果悟りを得ました。もう一人は自分の地位に固執するあまり仏師としても、人としても負け最後には死んでしまいます。逃げずに立ち向かうのが一番の近道なのです。しかし、それが難しいのもまた事実。逃げたくなるのが人情です。一休和尚の言葉を胸に、出来ることから始めてみましょうか。努力とは常に休まず精進することではないのです。少しの遊び、休息が、人生には肝要とされます。何事も段階と、バランスなのです。

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