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当時大爆発的大人気になっていた『北斎漫画』の魅力は現代でもブーム!

2018-01-24

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「北斎漫画職人1」

漫画が大好きという人も多いのではないでしょうか。江戸時代から漫画は、人々に愛されてきました。特に北斎の描く「北斎漫画」は、爆発的な大ヒットになっています。そこで、「北斎漫画」の魅力について詳しくご紹介していきます。

大ヒットから続く「北斎漫画」のシリーズ化

「北斎漫画」

「北斎漫画」は、今日のような1巻2巻と物語が続いていく漫画の世界とは違い「北斎の絵手本」という形式になります。北斎の絵手本にもそれぞれテーマがあり、文字がたくさんあるわけではないのですが、見ていて楽しくなるような絵が数多く描かれています。

「北斎漫画」は、計15編あり、初版は名古屋の東壁堂永楽屋東四郎が刊行しています。2編から10編までは、江戸の角丸屋甚助のところから刊行されました。なぜ、2編から版元(出版社)が変わったのかについては、角丸屋と北斎は、昔ながらの知り合いのような縁があったとことが関係していたのではないかと言われています。

11編以後はまた、永楽屋が刊行しているのですが、角丸屋で刊行した分も永楽屋が版木を譲り受けている経緯があり、永楽屋で再び摺りなおしています。現在、「北斎漫画」が残されているのは、永楽屋のもので、角丸屋で刊行した2編から10編までの作品も、永楽屋の後刷りによるものです。

北斎が名古屋の牧墨僊(まきぼくせん)の所に滞在した時に300以上の絵を描いたとされその時の絵が「北斎漫画」の初版になります。牧墨線とは、北斎の門下の絵師です。ここから「北斎漫画」はさらに続いていきます。

北斎漫画の中身とは

「北斎漫画11」

初版の中の絵には、人物、七福神、一休、芭蕉、海女、漁師、大工、左官、釣り、喧嘩、動物、鳥、虫、魚、山水、富士、滝、橋などが描かれています。

二編では、鳳凰、竜、蛇、釈迦、釈仏門人物、諸職人、維摩、土器、塚碑、石段、山水、花、鳥、獣、魚、虫、などがあります。3編になると、四天王、町人、農民、力士、踊り、神農、人物、支那人物、花、橋、かご、風神雷神、亡霊、などがありここでは、遠近法もつかわれています。

「北斎漫画」6編

4編では、歴史人物、鳥、花、梅、木、四季、馬、風景などです。5編は、鳥居種々、鐘楼(しょうろう)、厨子(ずし)、天蓋、経堂、和堂、寺門、堀、阿部仲麻呂、富士山、三尊窟など、6編になると弓術、弓具、馬歴尊神、摩利支尊神、鉄砲、武具など。

7編には、鶴、山、関屋、巴山、住吉、稲佐弁天、義経腰掛松、紅葉、隅田川雁、生月島など動物がほとんど出てこなくなります。8編は、天地根元造(日本最古の建築様式)、神社、建築具、体の諸態、象、人面諸態、狂画葛飾振、名所類などです。

9編は、日本武尊、武者、おかめ、美人、やもめ、仁田四郎(平安終頃から鎌倉初期の武将)オランダ人、司馬仲達(司馬宣王と『三國志』でなる人物)などここでは人物がメインに描かれていきます。

10編になると、悟空、諏訪水渡、手品、歴史人物、亡霊、嵐雪などが描かれ10編末尾に「大尾(終わり)」と記されています。北斎は「北斎漫画」を10編で最後にする予定だったのですが、爆発的な人気をよんだため11編以降の続編を刊行することになります。

「北斎漫画」続編からのおもしろさ

「北斎漫画」12編

11編の書き出しに注目すると、福禄寿の頭の上に唐子(中国風の格好をした子供)が乗り「漫画新」という字を書きかけた絵から始まります。ここから新たな「北斎漫画」がはじまるという意味を含ませているのです。

中身は、安倍晴明、犬、鶏、天神、相撲、海魔、刀八毘沙門天、天狗など描かれています。11編で天狗が鼻で荷物を運ぶおもしろい絵や洋風の大砲を細かく描いているシーンがあり目を惹きます。

烏をとる場面では、「黐(もち)にて烏をとらふ」という字とその右下に「カラーイホウヘル」という字が書かれています。これは、オランダ語で「烏鳥(からすどり)」という意味です。北斎が、オランダ語を学んでいたことがわかる貴重な絵になります。

そして、最後に再び唐子が登場し、「事たりる足につけても足らぬなり 足らて事たる身こそやすけれ」とあります。これは、続編が出ますという意味を表しています。

「北斎漫画」12編

12編では、達磨(だるま)が、顔を両手で押しつぶした顔の「縦」と顔を横にひっぱった「横」の文字と絵が描かれています。現在の漫画のコマ送りの原点が「北斎漫画」にあったことがわかります。

他にも12編では、ろくろ首、竜、餅つきなどさまざまなおもしろい絵が多くあります。また、12編の最終図枠外には、北斎の絵の多くを手がけてきた彫師の「彫工 江川留吉」の名前が記され、特に彫りが入念にされていることがわかります。

13編は、12編の刊行から15年の月日を経て出版されました。なぜ、15年もの年月が空いたかについては、この間に「北斎女今川」「富獄百景」など北斎の違う分野の出版を行っていたことが関係します。

13編の「北斎漫画」には、『葛飾為一老人筆 北斎漫画十三編 書舗東壁堂梓』とあります。13編では、動物描写が多く、象、ラクダなどがあり中には「鉄眼締(てっぽうわな)」と題があるクマをとる仕掛けについて描かれ、北斎が興味を持っていたことがわかります。

そして、14編は、刊行年がはっきりしておらず、14編15編とも明治に入ってから出版されたのではないかという説もあります。この2編に関しては、北斎以外の絵師が描いたものが追加されて入っているとも言われています。

長い年月をかけて出版され続けている「北斎漫画」は、現在も新たな人気を呼び再び注目されています。ぜひ、「北斎漫画」楽しんでみてください。

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