日本史

民の平和を脅かす悪事は許すまじ!江戸の特別警察組織「火付盗賊改」とは

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時代劇ファンにはおなじみの、池波正太郎「鬼平犯科帳」。近年アニメ化するなどいまだに絶大な人気を誇る時代小説です。
火付盗賊改(ひつけとうぞくあらため)の鬼平こと長谷川平蔵が凶悪な事件に取り組み、そして人情味あふれるお裁きを繰り広げる人気シリーズですが、その火付盗賊改とはいったいどんな仕事なのでしょう。

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火付盗賊改とは、放火犯や盗賊、賭博などの犯罪を犯した、町人・百姓・無宿人などを取り締まり捕縛する役人のことです。先手弓頭、千手鉄砲頭、持弓頭、持筒頭など決まった役職の中から選出され、部下には、与力5~10騎と同心30~50人、その下に御用聞き、岡っ引きなどが付きます。定まった仕事場はなく多くは自宅や役宅を使いました。時には自宅に牢や白州を仮作りすることもあったようです。

出動時の服装は「火事装束」と呼ばれるいわば制服のような装束で、簡易式の兜である陣笠と、裾を細目に拵え動きやすさを重視した野袴を着用します。

町奉行とは仕事内容が似通ってしまう部分もあり、時には対立することもあったようです。しかし、町奉行との大きな違いがあります。町奉行は基本的に捕縛することが目的ですが、火付盗賊改は捕縛の際に斬り捨てもやむなし、さらに吟味の際には拷問も辞さないという荒っぽい面もあることです。

盗賊を働いたうえに逃亡する際、捜査かく乱のため放火もしていくなど犯罪が凶悪化していったこともあり、火付盗賊改は武装するようになりました。そのため町奉行は文官、火付盗賊改は武官という認識ができて来たようです。火付盗賊改の捜査は荒っぽいので市民たちからは恐れられたようです。また誤認逮捕による冤罪なども多く、一時は役職自体廃止の憂き目もみました。

ところで、先述した鬼平犯科帳の主人公・長谷川平蔵は実在の人物なのをご存知ですか?
火付盗賊改は年中無休の役職で、事件があれば夜中だろうが早朝だろうが時間はお構いなしに出動しなくてはなりません。非常に激務な役職なので通常は1~3ほどで任期が終わりますが、長谷川平蔵はなんと8年もこの職に就いていました。ドラマでの強く聡明で人情味あふれる粋な計らいをする・・・そんな人物像かはわかりませんが、在任中に200件以上の検挙数を誇っています。また長谷川平蔵の大きな功績は、人足寄場(にんそくよせば)を作ったことです。仕事も住処もない、流れてきた人々が生活に困窮して犯罪に走るのを見て、彼らの授産施設として作ったのが人足寄場なのです。

犯罪者を捕まえるだけではなく、防犯や治安の維持にも力を尽くした人物でした。

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