仏像

インドから帰化した神様、天部

2018-01-26

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仏像の中には「〜天」と名の付くものがあります。大体中国風の武装をしていますが、この面々、実は中国どころか、仏教オリジナルの存在ではありませんでした。
出身はインドであり、人間ではなく神様です。ヒンドゥー教などの神話に、天部のオリジナルが見られます。

天部のお役目

天部、もしくは天と呼ばれるこのメンバーは、如来菩薩、明王、天といった四つの位の一つに数えられます。
それぞれにお役目がありますが、大きく二つに分けると如来菩薩悟りに関する仏であり、衆生救済を目的とします。明王と天の役目は煩悩を祓い、仏法や信徒を守ることです。明王との違いは、明王が密教由来であること。つまり、完完全に仏教から生したのが明王で、インドの神様が仏教に入ったのが天というわけです。
純粋な仏教由来ではない為か、一応カーストでは一番下ではあります。だからといって下っ端というわけではありません。

始まりの梵天

仏教を作ったと言っても過言ではないのが梵天です。元はインドの哲学で言う所の宇宙の真理、ブラフマンを神格化したもので、ブラフマーという名前でした。
ヒンドゥー教の創造神です。仏教に入ると創造神というよりも宇宙の真理としての側面が強調されたのか、悟りを得て解脱を果たしたお釈迦様に「悟ったことをみんなに教えて、衆生を伝えなさい」との言葉を贈りました(梵天勧請)。

元雷神の帝釈天

帝釈天は梵天と一対で祀られることが多いです。インド時代はインドラの名で雷神の性格を持って武闘派でならしていました。
やんちゃな武勇伝も数多くブラフマーとはあまり絡みがないのにもかかわらず、早い段階から「梵釈」と一対で語られています。
お釈迦様修行中の段階から見守り、悟った後に説法を聞くと言った点から重要視されている模様です。インド時代の武刀身の性格もあって、武装した護法神として祀られます。

四方を守る四天王

帝釈天の部下で、東南西北の四方を守護します。インド時代から帝釈天(インドラ)に仕えており、一緒に仏教入りを果たしました。
リーダーの多聞天は時折独尊で祀られることがありますが、その時は毘沙門天という名前になります。
片手に宝塔という小さな塔を持っているので一目で分かります。広目天は筆を持っていることが多いです。増長天、時刻点は特にこれと言った決まりがありませんが、四天王は四方を守る存在なので、立ち位置で分かります。仏教の世界には須弥山という山がありますが、仏殿内部は時に須弥壇と呼ばれ須弥山に例えられます。
ご本尊を中心に東南西北の定位置に立っているので見分けは可能です。ちなみに東が持国天、南が増長天、西が広目天、北が多聞天となります。「じ・ぞう・こう・た」と覚えましょう。ちなみに彼らの部下は鬼であり、足元の邪鬼はともに仏敵を払う存在との説があります。

仏舎利を奪い返した韋駄天

色々な神様がいますが、足の速さではこの韋駄天に勝る神様はいないでしょう。
インド時代はシヴァ神の息子、スカンダという名前でした。インドラと競走をして、この時周った山から「インドラの勝ちじゃないの?」と言われて怒って山を削ったとのやんちゃ武勇伝も持ちますが、仏教入りをした後はその俊足で手柄を立てました。お釈迦様の遺骨、仏舎利が分配された時、足の速い鬼が颯爽と一部を奪い逃げました。
韋駄天は「待てやゴラァ!」と引ったくりを負う警官のごとく走って追いつき、物の見事に仏舎利を奪い返します。このエピソードが元で、速い走りを「韋駄天走り」と呼ぶようになりました。

美女神吉祥天と弁財天の見分け方

天部全員が武装をしているわけではありません。美しい女神もいます。中でも有名なのが、吉祥天と弁財天です。
一説には同一の神であるとも言われますが、インド神話の美女神ラクシュミー(吉祥天)、川の女神サラスヴァティー(弁財天)が元になっているとも言われており別の神とする向きもあります。吉祥天の場合は宝珠と呼ばれる先の尖った球を持ち、弁財天は琵琶を持つのが特徴です。

まとめ

仏教に入って同じような役目を続ける神様もいれば、まるっきり違った正確になる神様もいます。
人間でいう転職に似ていますね。仏教では神様も転職を行う時があるのです。インドの時代から経典の変遷で役割を変えられている神様までいます。そう考えると、神話、宗教もより身近に思えてきませんか?

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