西洋画

大芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチの残した作品たち

2018-02-06

関連キーワード

彫刻家として、画家として、そして科学者として。芸術をさまざまな方面から捉え、この世界に今もなお、語り継がれる悠久の作品を遺した大芸術家、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」。

彼が手掛けた数多くの作品は、芸術家たちだけではなく、人間全てに強い影響を与えていることは間違いなく、この世界の芸術活動は彼無しに語ることはできません。

さて、そんなレオナルド・ダ・ヴィンチなのですが、どのような作品を残してきたのでしょうか。今回、ここではレオナルド・ダ・ヴィンチに手掛けた作品を、解説を含めながら見ていきます。

受胎告知 (Annunciazione)

「 受胎告知 (Annunciazione)」という作品は、1470年代に作成された、レオナルド・ダ・ヴィンチが単独で手掛けた作品のひとつとなっています。

サン・パルトロメオ・ディ・モンテオリヴェート聖堂をモチーフに描かれている作品となりますが、かれがヴェロッキオの工房から独立後、初期頃に手掛けた作品として知られています。

大天使ガブリエルと聖母マリアが描かれていますが、色合いのトーンの濃淡の違いからも、この二人の間には何かの差を感じさせるような、非常に厳粛な印象を放つ作品となっています。しかし、祝福のポーズをしながら、妊娠の知らせを行っている大天使ガブリエルの顔つきは大変柔らかく、そして優しい、素晴らしいものとなっています。

この作品が評価されている理由のひとつには、空気遠近法を用いている、というポイントがあります、遠近表現が見事に描かれたことで、この高度な精神世界がより美しく描かれていることがわかります。奥の山は、評論家たちからは「山の中の山」と呼ばれており、イエスキリストを現している、と言われています。

ブノワの聖母(幼児キリストに花を差し伸べる聖母)

「ブノワの聖母(幼児キリストに花を差し伸べる聖母)」は、ダヴィンチが1475年頃に手掛けられた作品、としてしられています。現在では、エルミタージュ美術館に所蔵されています。

これは、まだ幼いキリストを抱きかかえたマリアの姿が描かれているものですが、そのマリアの表情の柔らかさが伝わってくる、何とも美しく微笑ましい作品です。「ブノワの聖母(幼児キリストに花を差し伸べる聖母)」で当筆すべきは、非常に彫刻らしさを感じさせる、硬さと陰影による明暗の表現方法です。

キリストの膝の隆起や、明暗の付け方は一種独特であり、まさに彫刻家として活躍をし続けていた、レオナルド・ダ・ヴィンチらしさを感じさせるデザインです。

一種、レオナルド・ダ・ヴィンチらしくはない、という向きもあるようですが、それであってもこの柔らかな雰囲気がレオナルド・ダ・ヴィンチらしさを良い意味で感じさせないのかもしれません。

ちなみに、白々とした窓の風景は未完成だと言われており、白く塗りつぶされた跡があると言われています。全体的に、スフマートというぼかしの技法が用いられおり、聖母マリアの顔つきの優しさ、神々しさがより伝わってくる作品となっているのではないでしょうか。

白テンを抱く貴婦人の肖像 (Ritratto di dama con ermellino)

暗い背景に浮かび上がるように、凛とした貴婦人の姿が印象的な作品が、『白テンを抱く貴婦人の肖像 (Ritratto di dama con ermellino)』です。1485年に描かれた作品として知られており、彼の手掛けた肖像画の中でも代表的な立ち位置として知られている作品です。

ミラノ公ルドヴィーコ・イル・モーロが寵愛していた、とされているチェチリア・ガッレラーニが作品のモデルとなっており、非常に美しく繊細なタッチで描かれているところが、印象的です。

顔つきとしては、どこか幼さを感じさせるような、成熟しきっていない雰囲気があり、またそこが妖艶さを描き出しているポイントになっています。

また、白テンは彫刻家のように硬さを感じさせ、非常に繊細な描写で描かれているところがポイントです。純潔、ということを象徴しているのが白テンと言われているようです。

岩窟の聖母(Virgin of the Rocks)

レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作のひとつである、「岩窟の聖母(Virgin of the Rocks)」。サン・フランチェスコ・グランデ聖堂に収められている作品であり、中央部分と開口戸となる両脇部分など、各所担当が別の芸術家となっている対策です。

幼児洗礼者聖ヨハネが十次の杖、そして衣を身にまとっています。また、神的人格の象徴と言われている、光輪が描かれていることからも、幼児洗礼者聖ヨハネを中心としている作品として知られるようになりました。

最後の晩餐 Ultima Cena (Cenacolo)

レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた作品の中でも、多くの人々に影響を与えている1枚が、「最後の晩餐 Ultima Cena (Cenacolo)」です。サンタ・マリア・デレ・グラツィエ聖堂修道院食堂の装飾画として、描かれた世紀の大作ですが、さまざまな芸術家が関わっていることでも知られています。

このシーンは、イエスが十二人の使徒に向かい、裏切りものがいる、ということを伝える緊迫したシーンを描いており、その心理描写が巧みなまでに表現されています。

修復作業が何度か行われているこの作品ですが、子羊料理が実は魚料理であったことや、使用した絵の具が湿度に弱かったことなどから、原型にまま鑑賞することが難しい、とされています。

モナ・リザ(ジョコンダ)

レオナルド・ダ・ヴィンチといえば、「モナ・リザ(ジョコンダ)」と、考える方は多いでしょう。1503年頃に制作されたと言われている、「モナ・リザ(ジョコンダ)」は、レオナルド・ダ・ヴィンチの歴史上、非常に重要な作品のひとつであるといわれています。

筆跡を一切残すことがない、スマート技法によって仕上げられていることからも、どこか幻想的でその世界観に入り込んでしまうような、独創的な世界観が描かれています。

この作品が支持されたひとつの理由としては、当時のフィレンツェ派とは大きく違う技法を扱っていたことにあります。非常に手間がかかる技法であったことや、肖像画に関しては、斜めに対象人物を配する構図も斬新だったため、この後の芸術家たちの制作活動に多大なる影響を与えた、ということで知られています。

モナ・リザのモチーフは、未だに憶測の域を脱しておらず、ジュリアーノ・デ・メディチの愛人であるという説や、イザベラ・デステ説、レオナルド・ダ・ヴィンチの理想的な女性象を高次な解釈で具現化したものなど、その意見はわれています。現在でも、科学的な見地から数多くの調査が行われており、絵画の解析が今もなお続けられています。

洗礼者聖ヨハネ (San Giovanni Battista)

『洗礼者聖ヨハネ (San Giovanni Battista)』は、レオナルド・ダ・ヴィンチの晩年の作品、として知られています。
レオナルド・ダ・ヴィンチの愛弟子である、ジャン・ジャコモ・カプロッティをモチーフとして描かれている、とも言われていますが、その独特の笑みや指先、ぼかし技法による柔らかく幻想的な雰囲気など、全てにおいてほかには無い、ダヴィンチならではの世界観が表現されています。救世主キリストの到来を予告している、というシーンでありながらも、どこかレオナルド・ダ・ヴィンチがその天からの誘いを待っているのかのような、奥深さを残す作品です。

レオナルド・ダ・ヴィンチの力を知る

レオナルド・ダ・ヴィンチは、数多くの作品を世に送り出してきました。そして、その全てが美しく、研究に値するテーマとして今もなお、語り継がれています。今後、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品を目にする機会があれば、必ず訪れて、その心と目で鑑賞することをおすすめします。

▲ページトップ