ことわざ

三人寄れば文殊の知恵

2018-01-07

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意味

特別に優れた人物でなくても三人集まって相談すれば良い知恵がでるということ。

由来

一人で懸命に考えてみてもなかなか良い知恵が浮かばないが、三人集まって相談すればたとえそれぞれが優れた人物でない凡人であっても良い知恵が浮かぶというものです。

ここに出てくる文殊とは仏教の世界において知恵や知識の象徴とされる「文殊菩薩」のことです。文殊菩薩は初期仏教の大乗経典、特に般若経典であらわされています。こういった書物の中で文殊菩薩は釈迦仏に変わって般若の「空」を説く役割を果たしています。

また、様々な書物に登場し、色々な存在を仏の道に導くという重要な役割で描かれていることから、文殊菩薩は仏法において悟りの境地に至る重要な存在であることがわかります。ここで「悟りへと至るために必要な知恵や知識」という象徴である文殊菩薩が一般的な知恵や知識の象徴として考えられるようになったのです。

現在日本では京都の智恩寺、奈良、山形に日本三文殊と呼ばれる文殊菩薩が祀られており、それぞれが知恵の象徴として崇められています。

意味の変遷

日本では個人の力ですべてを成し遂げてしまうよりも組織として、チームワークで物事を成し遂げるということが好まれる風潮があったために「三人寄れば文殊の知恵」という考え方が広く認識されたと言われています。ほとんどがそのままの意味で使用されることが多いこのことわざですが、なかには、うまくいかなかったときに「すべて自分で決めたわけではないから」という責任回避に使われることが多いことわざでもあります。

また、このことわざを使う時は「凡人が三人集まる」ことが前提になっています。もともと優れた人が集まって相談をしているわけではないために、すぐに素晴らしい知恵が出るとは限らないということも実際には多くあります。さらに凡人が三人集まって相談しているために、物事がなかなか決定できずに時間だけが多くかかってしまうという危険性も秘めています。こういった状態のことを「船頭多くして船山に登る」と言い、人数が多くいるためにうまれた弊害とも言えます。もっと端的に言えば凡人がいくら集まったところで「烏合の衆」と切り捨てられることもあります。このように最近は何でも多く人が集まれば良いというものではないという考え方も広まってきています。

使用法、使用例

「だめだ、何もアイデアが浮かばない。明日提出しなければいけないのに」
「三人寄れば文殊の知恵と言うだろう。他の奴も呼んで相談しようじゃないか」

似た意味のことわざ

一人の好士より三人の愚者。

反対の意味のことわざ

船頭多くして船山に登る。

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