血圧

めまいや疲れやすさに要注意!起立性低血圧はどんな病気?

2018-03-06

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高血圧が体に悪いことは知っている人も多いですが、実は低血圧も体によくないといわれています。
低血圧の原因はさまざまですが、立ち上がった時や起き上がった時に血圧が下がってしまうことを起立性低血圧とよびます。起立性低血圧の症状は、全身倦怠感、めまい、ふらつきなどです。

今回は低血圧が起きる理由や体への影響、起立性低血圧のメカニズムなどに関してわかりやすく説明します。

そもそも低血圧は体に悪いの?

健康診断や自宅、ジムなど、血圧を測定する機会はたくさんあります。
では、血圧とはどのようなものなのでしょうか。血圧は字を見るとわかるように、血液の圧力のことです。具体的には、血液が血管の壁を押す力をさします。血圧には、収縮期血圧と拡張期血圧があります。収縮期血圧は最高血圧、または上の血圧とよばれます。拡張期血圧は、最低血圧または下の血圧とよばれます。血圧は、心臓が全身に血液を送る力と全身をめぐる血管が伸び縮みする力によって成り立っています。

高血圧は140/90mmHg以上とされており、高ければ高いほど合併症の発症や死亡のリスクが高まります。高血圧は、心筋梗塞や脳卒中、腎臓病の原因になると知っている人も多いかもしれません。では血圧は低ければ低い方がよいのでしょうか。

現時点で低血圧は、はっきりとした診断の基準がありません。一般的には、収縮期血圧つまり上の血圧が100mmHg以下の時に低血圧とすることが多いです。血圧は、血液が血管の壁を押す力なので、低血圧の状態では全身を流れる血液の勢いが弱いことを意味します。
私たちの体には、脳や心臓、肺、肝臓、腎臓などさまざま臓器がありますが、これらの臓器は全て血液のめぐりがよいことで正常に機能しています。
つまり、低血圧の状態では全身へ十分な血液を送ることが難しいので倦怠感や頭痛、立ちくらみなどのさまざまな症状が出ます。血圧は高すぎても低すぎてもよくないということです。

低血圧が起きるメカニズムは?

低血圧では、全身への血液のめぐりが悪くなっているようです。
では、低血圧はなぜ起きてしまうのでしょうか。低血圧の原因は、遺伝、神経やホルモンバランスの異常、脱水、出血、心臓病、薬の副作用、がん、アルコール、糖尿病、加齢などさまざまです。血圧は、心臓が全身へ血液を送る力と全身の血管の収縮する力によって決まります。つまり、低血圧が起きる状態は心臓や血管の機能が低下していることを意味します。神経やホルモンバランスの乱れ、心臓の病気、全身をめぐる血液量の減少、薬の副作用などの理由で、心臓や血管が正常に機能しないため血圧を維持することが難しくなります。

人が寝ている状態から立ち上がると、重力の影響で約500-800mlもの血液が上半身から下半身へと移動します。心臓に流れている血液は約30%減少するといわれています。心臓から全身へ送り出される血液の量が減ると体は血圧を上げようと対応します。具体的には大きな血管にあるセンサーのようなものが反応して、血管を収縮させて血圧を上げるように指令を出します。しかし、センサーに異常がある時やセンサーが正常に機能していても血液量が足りていない時に血圧が低下します。

めまいや疲れやすさは起立性低血圧の可能性

低血圧とひとことでいっても、原因がはっきりしないもの、原因となる病気や薬などが明らかなもの、体を起こした時や立ち上がった時に起きるもの、というように分けることができます。
体を起こした時や立ち上がった時に血圧が低下することを起立性低血圧とよびます。
高血圧に比べると、あまり注目を集めないかもしれない低血圧ですが、めまい、疲れやすい、頭痛、ふらつきなどの症状が出ます。もちろん典型的な症状が出ない人もいますので、起立性低血圧が疑われた場合には病院で診断のための検査を受けた方がよいです。起立性低血圧を放っておくと、意識を失って思わぬ事故に遭う可能性もあります。
日本は高齢化社会となり、65歳以上の高齢者の割合が増えています。起立性低血圧は加齢でも起きることが知られていますし、高齢者はたくさんの薬が医療機関から処方されていることも多いので副作用で血圧が低くなる可能性が高いので要注意です。

起立性低血圧は気付かれていないことも多いです。
朝起きるのが辛い、疲れやすい、体のだるさなどの症状があっても我慢していたり、たいしたことではないと見過ごされていたりします。さらに、症状が他人に伝わりづらいこと、同じ症状が毎回出るわけではないこと、などの理由から起立性低血圧の診断が遅れる可能性もあります。 起立性低血圧は原因によって治ることもありますし、薬の内服や規則正しい生活習慣で改善することもあります。
原因のわからない倦怠感やめまい、ふらつき、頭痛などがある場合には起立性低血圧の可能性があるので要注意です。放っておくと失神を起こして命に関わることもあるので、気になる症状がある時にはなるべく早めに医療機関を受診するとよいです。

まとめ

血圧は低すぎても、全身をめぐる血液量が不十分になるので体に悪影響をおよぼすことがわかりました。起立性低血圧は、立ち上がった時に調節がうまくできず血圧が低下してしまう病気です。起立性低血圧では、めまいやふらつき、倦怠感、頭痛などの症状が起きます。起立性低血圧の原因はさまざまなものがあり、なかには治療可能な病気である可能性があります。今回、起立性低血圧の症状として挙げたものに当てはまる人、または上の血圧が100mmHg以下の人は医療機関に相談するようにしましょう。

監修:大塚真紀(医師・医学博士)
学歴:東京大学大学院医学系研究科卒。
専門:内科、腎臓、透析の専門医。

自己紹介
現在は育児の傍ら、医師という職業を生かし、医療系記事の執筆・監修、最新医学論文の翻訳、医療コラムの作成に従事。

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