仏像

阿羅漢が本当の呼び名。羅漢様とはどんな人?

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仏像の中には「羅漢様」と呼ばれるものがあります。この羅漢様とは、一体どのような方々かご存知ですか?
如来、菩薩、明王、天部、そして高僧というのが大体の仏像の種類になります。
「羅漢様」とは高僧、或いは菩薩に当たる存在なのです。

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煩悩を殺した者

「供養を受けるほどに素晴らしい聖者」といった見方をされる阿羅漢ですが、元々はサンスクリット語のアルハットになります。
直訳すると「煩悩を殺した者」です。煩悩は賊にも例えられており、阿羅漢は時に殺賊とも呼ばれます。
字面だと殺伐とした雰囲気ですが、人間である以上どうしても断ちがたい煩悩を滅して殺したと言うのは尊敬に値しますね。

初期仏教ではお釈迦様、小乗仏教では修行僧の最高位

初期の仏教ではお釈迦様の尊称でした。
教えが広まり信徒や修行僧の数が増えると、「もうお釈迦様は別格」との考えが生まれて、部派仏教においてはさおうりょの最高位とされました。お釈迦様は仏陀、悟りを開いた者と名が変わります。
そして、「皆阿羅漢にはなれるけど、仏陀にはなれない」との考えに至るのです。何故お釈迦様だけが別扱いかと言えば、自力で解脱(最高級の悟り)に至った為。
仏教徒はお釈迦様の教えを実践するだけなので仏陀にはなれないと言うのが部派仏教の主張です。僧侶たちは阿羅漢となるべく出家をし、修行をしますが、あくまで目標は自身の解脱でした。
これに疑問を呈し、「誰でも仏陀になれる」との考えを持って大乗仏教が生まれます。大乗仏教では部派仏教を「小乗」と呼び、「自分たちだけ悟れればいいなんて間違っている」と批判しました。

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初弟子の阿羅漢は元修行仲間

お釈迦様に次いで阿羅漢となったのが、五比丘、つまり五人の僧侶です。
お釈迦様は悟りを得る為に命の危険すらある苦行という修行に身を投じていました。「苦行は意味がない、辛いだけ」だとしてやめ、その後菩提樹の下で悟りを得ます。
その内容を説法しようと、かつての苦行仲間の下へ向かいました。「何かシッダールタ(お釈迦様の本名)が戻って来るらしい」「苦行をやめた奴の事なんか無視しよう」と示し合わせ、徹底無視を決め込みます。
ところが、そんな嫌がらせめいたことはできませんでした。お釈迦様がとてつもない威厳というオーラを放っていた為です。お釈迦様は彼らに初の説法を行い、この五人は後に阿羅漢となりました。

十六羅漢、五百羅漢とは何か

阿羅漢には「羅漢」という別名が存在します。羅漢と言えば羅漢像。大タウが「十六羅漢」「五百羅漢」といったように、やたら数が多いです。寂しがり屋さんというわけではなく、ちゃんと意味がありました。

【十六羅漢】
十六羅漢とは、お釈迦様から「仏の教えを守って、衆生を正しく導いてね」という遺言を受けた16名の羅漢です。いわば、お釈迦様直々の選抜メンバー。非常に長い寿命が与えられています。これに二名を加えた十八羅漢も存在。

【五百羅漢】
お釈迦様の入滅後、初の仏典の編集に集まったとされる500名です。

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まとめ

時代が下るにつれて、阿羅漢たちは衆生の救済よりも仏典の編纂の方に力を注いでいる。そんな風に見られるようになりました。
こうして大乗仏教が誕生し、阿羅漢に相当する菩薩が誕生します。これも時代の流れによるものです。お釈迦様は言いました。
「この世界は移ろうものだからね。それでも、怠けないで修行をしなさい」この遺言、変化を受け入れることこそが、阿羅漢の成すべき第一の、そして一番の修行だったのかもしれません。

監修:えどのゆうき
日光山輪王寺の三仏堂、三十三間堂などであまたの仏像に圧倒、魅了されました。寺社仏閣は、最も身近な異界です。神仏神秘の世界が私を含め、人を惹きつけるのかもしれません。

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