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初心者が育てるエゾマツの盆栽、育て方のポイントと注意点

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エゾマツは葉が短い樹種なので、葉が長い松の樹種とは異なった美しさを楽しむことができるため、初心者でも色々な樹形づくりを楽しむことができる樹種です。

盆栽初心者が初めてエゾマツを育てる場合は、育て方のポイントと注意点に留意することが大事です。

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エゾマツとは?

エゾマツ(蝦夷松)は、マツ科の常緑針葉高木です。エゾマツが自生している地域は、寒冷地である北海道から千島列島一帯です。
また、エゾマツは気温に順応しやすい樹なので、寒い地域だけでなく暖かい地域でも枯れずに生長します。特に千島列島の国後島や色丹島の湿地帯に自生している矮性のエゾマツは、山取りの種木としては良いものがあると言われていますが、今日では自生しているエゾマツの山取りは難しいので、挿し木や実生で栽培されたものがエゾマツの種木として使われています。

エゾマツの特徴は、短い葉が細かく密生し、黒褐色をしている幹肌にうろこ状の割れ目が入って荒れているところです。また、小枝は繊細で細かく伸び出して力強く枝が分かれ、若木でも短期間のうちに幹肌が荒れてくるので、老木の味わいが感じられます。この幹肌の荒れと葉の特徴は絶妙に調和して、エゾマツの盆栽の魅力となっています。そのため樹が小さなエゾマツの盆栽でも大きな樹の盆栽と同じようなダイナミックさが感じられるので樹の大小に関わらず、盆栽として楽しむことが出来ます。

エゾマツは、文人木、寄せ植え、直幹、模様木、斜幹、懸崖など、色々な樹形に仕立てることができます。近年、エゾマツの盆栽に使われる種木は、八ツ房性のエゾマツが多いです。この樹種は、葉が細かいですが早く太り、芽吹きも良く、空気があまりきれいでない大都市の環境でも育ちやすいので、初心者におすすめです。また、八ツ房性のエゾマツは、葉が短いので小品盆栽や中品盆栽、石付けの樹形などにも仕立てやすいです。

* エゾマツ盆栽の育て方
エゾマツの盆栽を初心者が初めて育てるポイントは、植えかえと整姿の作業を適期に行うことです。

* エゾマツの植えかえ
エゾマツの植えかえの適期は、3月下旬から4月の中頃までです。この時期になると新芽が出始めるので、伸び出した新芽の包みが開かないうちに植えかえ作業をします。しかし、春に植えかえが出来なかった場合は、秋の植えかえがおすすめです。しかし、秋に植えかえをした場合は、気候が秋から冬に向かうのでエゾマツの盆栽の寒さ対策が必用となり、上手に寒さ対策が出来ない場合は、エゾマツの盆栽を枯らしてしまうこともあります。

エゾマツの植えかえは、数年に一度の割合で行います。若木のエゾマツは3年位に一度、成木は5年位に一度の割合で植えかえを行います。

エゾマツの植えかえに使う用土は、赤玉が中心です。赤玉を7~8割と桐生砂を3~2割位混ぜた用土を使って他の松柏類盆栽と同じように行います。植えかえでは、あまり切り根を詰めないことです。

* 整姿
エゾマツを育てる上で植えかえと並んで大事な作業が、芽摘み、針金かけ、枝抜きなどの整姿です。

・芽摘み作業
エゾマツの芽摘みの適期は、4月中旬から5月中旬までです。この時期になると細かい小枝の先の部分に黄緑色の帽子のような膨らみのある新芽が伸び出してきます。

エゾマツは新芽が伸び出すと一層美しさが感じられるので芽摘みをしないで、そのままの状態で眺めていたいと思ってしまいます。しかし、そのまま全ての新芽を伸ばしてしまうと後の手入れが難しくなってしまうので、新芽が7割位伸び出した頃に芽摘みを行います。この芽摘み作業は、最初に伸び出した芽から摘み始めます。

また、エゾマツの芽摘み作業をする際は、ハサミを使わないで必ず手で新芽を摘み取ることが大事です。新芽を摘む際は、新芽の半分位のところを指先の腹の部分で摘んで引き抜くようにすると、初心者でも簡単に芽摘みをすることが出来ます。

・針金かけ
エゾマツの盆栽の針金かけができる適期は、3月下旬、10月から11月中旬、1月から2月の3つあります。しかし、初心者は、できるだけ春と秋の適期に針金かけをすることがおすすめです。冬の1月から2月に針金かけをすると葉を傷めて、葉が落してしまうことがあります。また、エゾマツの針金かけは他の松の盆栽に比べてかけやすいですが、葉を一緒に巻き込んでしまいやすいので、針金をかける際は、注意が必用です。

針金をかける際は、枝が二股になるように左右に針金をかけると樹形が作りやすいです。また、エゾマツの枝は針金をかけて下げる場合は、枝が強いのでやりやすいですが、逆に枝を上に挙げたりねじったりしたい場合は枝が弱いので、枝枯れを引き起こす恐れがあります。そのため、初心者が枝を上げたりねじったりする場合は、ゆっくりと時間をかけて、注意をしながら丁寧に針金かけをすることが大事です。

・枝抜き
エゾマツの枝抜き作業をする適期は、10月下旬から翌春のお彼岸頃までです。しかし、寒さが厳しい真冬の時期に枝抜きをすることは避けます。初心者が初めてエゾマツの枝抜きをする場合は、10月の終わり頃から11月の初め頃、あるいは3月の中頃からお彼岸頃にかけて行った方が比較的無難です。

エゾマツの枝抜き作業をする際は、一度に枝を切り詰めたりしないで、少しずつ詰めて行くことが大事です。

エゾマツの盆栽を育てる4つのポイント

エゾマツの盆栽を育てるポイントは、水やり、置き場所、病害虫対策、施肥の4つです。

1つ目のポイントであるエゾマツの水やりは、たっぷりと水をあたえることです。エゾマツは湿地に自生している樹なので水を好むため、鉢土の表面が乾燥して白くなってきたら鉢底の穴から水が流れ出て来るまで、水やりをします。

また、エゾマツは、枝や葉が多い樹種なので雨が降っても雨水は、鉢土の中に浸みて根まで届くことはあまりないです。そのため雨が降った日でも鉢土が乾燥していたら、水やりをすることがポイントです。雨が降ったので水やり怠ったりすると枯らしてしまうことがあるため、必ず鉢土の乾燥具合を確認してから水やりをします。さらにエゾマツは霧の多い北海道から千島列島に自生している樹種なので、冬の寒い時期以外、葉水を忘れずに与えると、エゾマツの盆栽の成長も良くなります。

2つ目のポイントである置き場所は、陽あたりや風通しが良い場所です。北海道や千島列島の寒い地域に自生している樹種ですが、北風や冬の乾燥には比較的弱いので、風除けや寒さ対策を充分にして、冬越しをさせることもポイントです。

3つ目のポイントである病害虫対策は、アカダニとシンクイムシに対する注意です。エゾマツは、比較的病害虫の心配が少ない樹種ですが、新芽を食べてしまうシンクイムシと葉の裏側に付着するアカダニの防虫対策が必要です。防虫対策には、「ロテゾール」を適量に薄めたものを散布すると効果的です。

4つ目のポイントである施肥は、新芽が伸び出して成長し始める4月と5月、秋の9月、10月と11月です。この時期に固形の油粕を鉢の四隅に置くと、生長が良くなります。

エゾマツは、葉が短くて密生しているので同じ松の樹種でも異なった美しさを楽しむことができ、色々な樹形づくりも楽しむことができる樹種のため、育て方のポイントと注意点に留意しながらエゾマツの盆栽を一鉢育ててみませんか。

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