盆栽

初心者におすすめの丈夫で耐寒性のあるイチイの盆栽

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イチイの盆栽は、寒冷地域以外ではあまり見かけることが少ないですが耐寒性があるので、盆栽の冬越しに不慣れな初心者におすすめの盆栽です。

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「イチイ」の特徴

盆栽の樹種の中でイチイは、一般的に盆栽初心者にはあまり知られていない樹種の一つです。しかし、山に自生している多くの樹種の中では一番良い樹と言われているので、「一位」(イチイ)と言う名前が付けられた説や仁徳天皇の時代において正一位の貴人の持つ笏がイチイの樹から作られたことから一位と言う名前が付けられたという説もあります。また、イチイはアララギやオンコとも呼ばれています。

イチイは、イチイ科の常緑針葉高木で盆栽ではネズミサシの樹種が使われ、北海道や東北地方の寒い寒冷地の山に自生しています。日本以外では、中国や朝鮮半島でも自生しています。そのため北海道や東北地で盆栽を育てている愛好家の多くは、少なくても一鉢位のイチイの盆栽を持っていますが関東地方から南の地域では、あまり見かけない盆栽の樹種です。

また、イチイは耐寒性がある樹種なので、盆栽だけでなく庭木としても植えられています。国の特別天然記念物になっている鳥取県の大山伽羅木(ダイゼンキャラボク)は、このイチイの変種であるキャラの一種です。

イチイには雌木と雄木があり、秋になると雌木は赤くて丸い実が付きます。種を覆っている肉質の皮の部分は食べることができますが、種は有毒成分が含まれているので食べることはできないです。イチイは松柏類盆栽の仲間ですが、赤い実が付く樹種は他にないです。

イチイは幹が固くて年数が経つと赤褐色に変色し、幹肌は縦に浅く割れています。また、イチイは、腐りにくく耐寒性に優れているので樹勢の良いイチイは、思い切った剪定をしても胴吹きの芽を期待することができます。

イチイの葉は、先端が尖った扁平形でエゾマツの葉より若干大きい葉型をして、密生しています。葉は互生で左右の2列に付き、葉の色は、濃い落ち着き感のある緑色なので落ち着きと貫禄感が漂っているため、例え樹が小さくてもしっかりとした趣が感じられます。また、イチイの幹は太く丈夫なので、色々な樹形に仕立てたり、シャリやジンなどを入れたりすることも出来ます。

イチイの新芽は4月の終わりから5月の連休頃に伸び出した新芽の葉が開き始めます。イチイの新芽は、淡緑色なので新芽は、初心者でも一目でわかります。

イチイの樹は、今まであまり培養されたりすることが少なかったですが、環境に順応すると育てやすいので、挿し木などでも増やすことができる樹種です。

初めて育てるイチイの盆栽

イチイの盆栽を初めて育てる場合は、植えかえ、水やり、病害虫対策や施肥が必要です。また、陽当たりの良い場所での管理も必要です。

* 鉢土はあまり変えないイチイの植えかえ
イチイの植えかえは、3月の下旬頃から4月の初め頃までが適期です。イチイの新芽が膨らんできたら植えかえの時期が到来した合図です。また、これより少し早くても樹に勢いがある場合は、植えかえをすることができます。イチイの植えかえをするサイクルは、他の松柏類盆栽と同じように若木は2~3年、成木は4~5年に一度の割合で行います。

イチイの盆栽を植えかえする際は、基本的にはあまり土を新しくしないで、古い土を使って行うことがポイントです。鉢土の排水が悪くなってしなったり、株元の粒土が崩れて細かくなってしまったりした時などは、その部分だけを新しい用土に替えますが、出来るだけ古い土を使って植えかえをした方が無難です。

植えかえに使う用土は、基本的には他の松柏類盆栽と同じように赤玉と桐生砂を7:3の割合に混ぜたものです。

* 水を好むイチイ
イチイは水を好む樹種なので、「水松」とも呼ばれています。しかし、水を好むイチイですが、あまり水を与え過ぎても根腐れを起こしてしまいます。そのため鉢土の表面が乾いてから水やりをします。また、水を好むイチイは、葉水を与えると、生育も良くなります。

* カイガラムシとハマキムシに注意が必用な害虫対策
イチイは、病害虫に強い樹種なのであまり心配は不要ですが、カイガラムシやハマキムシに注意が必用です。カイガラムシには、冬の時期に石灰硫黄合剤を指定の量に薄めて散布すると予防効果があります。

また、ハマキムシには、夏の時期に発生しやすいので、この時期にハマキムシを見つけたら捕殺します。ハマキムシは、新芽の先や葉を食べてしまうので、この虫が発生していると葉がぐったりとしてしぼんできます。

* 春から秋にかけて行う施肥
イチイの施肥は、春の新芽が出始めた頃から秋の終り頃まで月に1回のペースで行います。しかし、梅雨時期や夏の酷暑時期の施肥は避けます。

施肥は、固形の油粕を与えますが、秋になったら油粕に骨粉が混じっているものを与えると、効果的です。

* 夏と冬の置き場所がポイント
イチイの盆栽は夏と冬の置き場所がポイントです。一年を通して陽あたりや風通しが良い場所で管理をしますが、夏は梅雨明けから8月末ごろまで寒冷紗や簾などをつかって半日陰の環境で管理をします。また、午前中は陽が当たる場所で管理をしても午後の強い日差しが当たらない場所に移して管理をします。

根が十分に張って樹勢が旺盛なイチイの盆栽は、冬の時期でも外の盆栽棚などに置いたまま管理をしても心配ないですが、あまり樹勢が良くないものは軒下や室内で管理をします。

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春と秋に行う整姿作業

イチイの主な整姿作業である芽摘み、針金かけ、枝抜きは、春と秋に行います。

イチイの芽摘みは指を使って行います。新芽が8割位伸び出してきたら固くならいうちに指で摘み取ります。イチイの芽摘みのコツは、弱い枝から伸び出している新芽を少し長めに摘み取り、強い枝の新芽は短めに摘み取ることです。このように摘み取ると枝先の勢いが調整されるので揃ってきます。

イチイの芽摘み作業は、確実に行わないと樹形を乱す原因となってしまいます。また、幹を太くしたり樹形を変えたりしたい場合は、芽摘み作業を数年行わないで、ある程度枝が伸びたり幹が太く生ったりしてから芽摘み作業をして、樹形を整えていきます。

イチイの針金かけは他の松柏類盆栽と同じように10月頃から3月の終わり頃までに行います。イチイの樹は、冬の時期になると枝や幹などの木質の部分が固くなるので針金で矯正しにくいですが、逆に木質が固いので樹を傷めたりすることが少ないです。比較的新しい枝は、古い枝より柔らかいので、針金で矯正がしやすいです。針金をかけたイチイの盆栽は、外に置いて管理をしないで寒さ除け対策をして管理をします。また、イチイを盆栽に仕立てる場合、この樹に向いている樹形には、直幹、模様木、斜幹、懸崖などがあります。

イチイの枝抜きの適期は、10月の終わり頃から春の新芽が伸び出す前までです。この時期はイチイの成長が止まっているので、枝の切り込みに適しています。特に強めの枝抜きは、新芽が伸び出す前の2月の終わり頃に行います。また、春から秋にかけて、樹形から飛び出している枝は、整える程度の剪定をしておくと、秋からの整姿作業がしやすいです。

イチイは寒冷地域に自生していますが、関東から南の地域でも育てることが可能なので、耐寒丈夫で性のあるイチイの盆栽を今年から育ててみませんか。

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