ことわざ

年寄りの冷や水の意味・使い方

2018-03-30

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意味

老人が年齢にふさわしくない出過ぎた振る舞いをすること。
老人が高齢にもかかわらず危険なまねを行うこと。

由来

江戸時代の江戸の町に関連していた話が由来となっています。江戸という町は元来海が近く、飲み水に困ることがありました。井戸を掘れば塩水が出たりして飲めなかったのです。江戸時代も後期になってくると小石川上水や神田上水などの上水道が引かれるようになって少しはましになりましたが、江戸前期は飲み水を売る「水屋」という商売があったほどでした。これはせっかく引いた水が大名たちの屋敷に優先して使用されたことから庶民にまで十分に行きわたらなかったことが影響しています。

特に夏の暑い時期は冷たい水を欲しがる人が増えますが、そのような飲み水はなかなかありません。そこで「隅田川の水は川の中央部分が冷たくて綺麗だ」と言われ始めます。この部分の水を汲んできて一杯を数十円で売るという商売があったのです。これを若者たちは喜んで飲んでいたようですが、所詮は川の水です。もともと隅田川の水は水質的にも衛生的に良いとは言えない水です。若者ならばともかく高齢者が飲むと胃腸がやられてしまったりして体調を壊すことが多かったようです。ここから「年よりの冷や水」という言葉が生まれました。

英語表現では、
An old sack asketh much patching.
(古い袋はあちこちほころびを直す必要がある)
となり、「古い」が「高齢者」と同意義で使用されています。

意味の変遷

現在では昔よりも元気な高齢者が増えてきています。その分だけ気持ちも若く、「まだまだ自分も」と頑張る高齢者も多くなっています。そういった高齢者に対して「また年寄りが出てきた。引っ込んでおけばいいのに」という否定的な意味合いで使われることがほとんどです。

また逆に、依頼されて出てきた老人などが「年よりの冷や水だけどな」と自虐的に言い、謙遜する意味で使用する場合もあります。この場合は周囲がどう思っているかはわかりませんが、本人は自分が老人であることを認識しているためにそれほど危険な行為に及ぶことはありません。

このようにこのことわざは周囲が言う場合はかなり否定的な意味合いで、自分で使う場合は謙遜の意味合いで使用されているのです。

使用法、使用例

「おいおい、またあの爺さん出てきたよ。前にも出てきて怪我をしただろうに」
「年よりの冷や水だな。気持ちだけは若いんだよ」

類似した意味のことわざ

「年寄りの力自慢」「老いの木登り」・・・ほぼ同じ意味で使用されています。

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