ストレス

過食の原因はストレスにあり?ストレスと食欲の関係

2018-04-13

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ストレスを感じると「甘いものを食べたい!」と感じられる方は多いのではないでしょうか?
「太るから」「ダイエット中だから」と無理をして食べないと、逆にストレスを溜め込んでしまい、いわゆる「ドカ食い」状態を引き起こしかねません。
ストレスを感じて甘いものを摂取したいと感じるのはむしろ自然なことと言えます。理由として、脳の活動は糖分をエネルギーとしているため、ストレスによって脳活動が過剰に活発化されると糖消費が著しく増えるためであることがあげられます。
そのため、無理をして食べないことは逆に心身の不具合を起こしかねません。
しかし、ストレスによる明らかな食べすぎは生活習慣病を招いてしまいます。なぜストレスを感じると過食してしまうのでしょうか?
ストレスと食欲の関係、過食が起こる原因、もし過食と感じた時の対処方法について紹介していきたいと思います。

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ストレスと過食の関係

ストレスと過食の関係について、脳活動が活性化されると糖消費が増えることについて少し触れました。
発達が著しく基礎代謝が激しい乳幼児は低血糖を起こしやすく、適宜食事やおやつを摂取することが望ましいと言えます。赤ちゃんが3時間おきに母乳を欲しがり起きることや、10時、15時はおやつの時間として果物やおやつを食べることは、とても理に適っており、成長発達を促す目的と同時に低血糖を予防するためにも必要なことです。
食欲自体は人間の基本的生理的欲求であり、生命、健康維持のため必要なものであるため、大人も同様に食べることはごく普通のことと言えます。しかし、不快ストレスを感じ続けると自律神経が乱れ始め、情緒が乱れ始めます。するとその情緒を安定させようと、必要以上のカロリーを取るよう脳が要求を始めます。
食べることは栄養補給と同時に脳内の精神安定に関与するセロトニンなどのホルモン分泌を促す効果があります。特に高カロリーの味が濃く刺激的な食べ物は、より精神を安定させる脳内ホルモンの分泌を促進させるため、より食べたくなってしまいます。脳のメカニズムを考えると、ストレスから身を守るための防衛反応として当然のことと言えます。
しかし、この状態が長期間に渡って続いてしまうと、より精神安定のため、少しずつ食べる量が増えてしまい、過食の原因となってしまうのです。高カロリー食品を食べすぎると当然肥満体型となってしまいます。
食べる以上に身体を使う力士のような方達であれば問題はないのですが、一般の方達は自分の肥満体型を見ると、食べすぎてしまったことについて、罪悪感や自己嫌悪を持つようになっていきます。するとさらにストレスがかかり、より食べてしまうという悪循環が生じてしまいます。
問題は過食で精神を安定させようとすることが慢性的に続くことと言えます。際限なく過食が続いてしまうと、肥満体型では済まず、メタボリックシンドローム、糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病を生じさせ、更には体重増加による足腰への負担が増え、痛めやすくなったり、転びやすくなったりという状態になってしまいかねません。
そのため、食べること以外にも、ストレスを発散し、情緒を安定させる方法を見つけ出すことが望ましいと言えます。

食べすぎてしまっても自分を責めない

食べることは人間の基本的生理的欲求であり、ごく自然なことです。また、ストレスによる自律神経の乱れを整え、精神を安定させる効果があります。
そのため、食べすぎてしまっても自分を責めないようにしましょう。
自分を責めないことで、過食の悪循環を防ぎ、ブレーキをかける一つの手段となります。慢性的に食べすぎることを避けるため、たくさん食べてもいいのは週に1回にする、イラっとしたときは少し食べられる程度の物にするなど工夫して、過食にならない食べるストレス解消法にしましょう。
太ってしまったと感じ、「ダイエットしなきゃ」と思っても、急激に炭水化物を抜いたり、食事を取らないようにしたりするといったダイエット方法は逆にストレスがかかり、過食の原因となってしまいかねません。食べた分の仕事や勉強をしていれば、大抵は問題ないと言えます。参考までに一日の必要カロリー量を紹介します。

・成人女性:約2000kcal
・成人男性:約2500kcal

食材やお菓子にもカロリー表示はされているため、目安にしていただければと思います。健康の維持増進や体型を整えるためには、食事の質にとても気を使わなければいけませんが、今回はあくまでストレスによる過食をテーマとしているため、自分が食べすぎているかいないかの目安としてみてください。

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病的な過食

仕事から帰宅し、夕食や入浴を済ませた後、テレビ、パソコン、スマホなどを操作しながら、お菓子やパンをダラダラと食べ続け、「どうしてこんなに食べちゃうのだろう?この食べすぎは病的かも?」と感じることはありませんか?
ほとんどの場合、ストレスによって食べすぎてしまっただけと考えられます。しかし、慢性的に食べすぎが続いており、肥満体型、イライラして落ち着かない、常に眠い、眠ろうと布団に入ってから入眠までに数時間がかかる、倦怠感が強いといった症状が伴っているのならば、ストレス障害やうつ病の疑い、もしくはそういった疾患になりかけている状態であることが考えられます。
もし当てはまるのであれば、メンタルクリニックに一度相談されてみることが望ましいと言えます。ストレスから生じている慢性的な過食であれば、適切な治療を受けることで、改善が期待できます。食生活を改めて見直してみたり、職場のストレスチェック結果をみたりなどの情報を目安にしてみるとよいでしょう。

病的な過食に当てはまる症状として、食べた後に自ら吐いたり、下剤を飲んだりして、食べたことを無くしようという行動をしてしまい、その行動がやめられないといったことが思い当たったらそれは摂食障害の可能性があります。
また、普通の人より多量に食べても満腹感が得られない、太らないといった場合は腸の吸収不良症候群や、サナダムシといった寄生虫に寄生されている可能性もあります。
満腹感を得られない理由として、脳にある満腹中枢の異常があげられますが、認知症があると、この満腹中枢もうまく機能せず、食事をしたことを忘れ、さらに食べてしまうという場合もあります。また、糖尿病の場合、血糖のコントロールができないため、満腹中枢に刺激がうまく伝わらず、食欲増減、体重増減といった症状が出てくることもあります。

上記のような病的過食症状があれば専門医の診察を受け、適切な治療を受けることが望ましいと言えます。

摂食障害

摂食障害は食欲や食行動の異常ではなく、体重に対する過度のこだわりがあること、自己評価への体重体形の過剰な影響が存在するという心理的要因に基づく食行動の重篤な障害です。
上記、病的な過食に当てはまる症状として紹介しましたが、摂食障害は中枢性摂食異常症とも言われ(嚥下障害による摂食困難とは異なります)、厚生労働省が病状により医療費助成を行っている指定難病としています。
大きく分けると、拒食症と過食症に分類されます。罹患率は女性の方が多く、10歳代から発症する例も多いという統計が出ています。発症原因は複雑で、社会・文化的要因、心理的要因、生物学的要因、遺伝子・環境因子がそれぞれに関与し、発症させていると考えられています。罹患率について、受診率が低いことから、明らかにすることはできませんが、現在確認されている人数よりも多いことが予想されています。複雑に絡み合う要因について、それぞれに分けて説明していきたいと思います。

・社会的・文化的要因
摂食障害は体重や体型へのこだわりや、自身の体型への評価の低さが背景にあり、発症要因となっていると考えられています。現代社会では、スリム体型が理想とされ、メディアで紹介される美形男女の体型、様々なダイエット方法の紹介や広告、理想とする体型が数字や画像含め様々な形で目にすることができます。それに比べると肥満体型は『だらしない、自己管理ができていない』というように見られてしまいます。自分の理想体型を様々な形で目にし、イメージできるだけの情報が増えている社会が少なからず、発症要因となっていると考えることができます。

・心理的要因
こだわりが強いとされる自閉症スペクトラム障害圏の心理的要因が合併しているケースも多いとされていますが、自身の体型について他者から批判的な言葉を聞いたことにより、完璧主義、自尊心が低い、抑うつ、不安、緊張が強いなど自身の心理的傾向があると、発症要因となりえると考えられています。
発症してしまうと、さらに飢餓状態から起こる心理的変化(抑うつ、易怒性、感覚過敏など)からさらに症状を増悪させてしまうという悪循環が起こってしまいます。

・生物学的要因
摂食障害を発症する過程において、脳内ホルモンであるセロトニンとドーパミンの分泌障害が起こっていると考えられています。薬の副作用で食欲の増減が起きることもあり、この場合、本人の意思は関係なく摂食障害を起こす可能性が考えられます。

・遺伝子・環境因子
摂食障害は家族性があることを研究や統計にて認められています。また養育環境によっても発症するケースがあります。例として、両親の不仲による離婚や、過度な期待をされるなどのストレスが発症要因であると考えられています。

症状として、肥満恐怖や体重数値への異常なこだわり、自己誘発嘔吐、食べ物に対する執着、短時間で大量の食事を摂取とその後の罪悪感などがあげられます。治療は摂食障害を専門に治療できる医療機関で、家族や学校、職場などとも協力し合い進めていくことが必要となります。
治療期間は症状の重さによってことなりますが、少しずつ目標を設定して進めていきます。

まとめ

ストレスによる食べすぎは、脳の防衛反応であり、ストレス発散方法の一つであるため、慢性的な食べすぎがなければ問題ないと言えます。しかし、肥満になると様々な生活習慣病リスクが高くなるため、食べること以外にもストレス発散方法を見つけておくことが望ましいと言えます。
過食にはただの食べすぎと、病的な過食に分けられます。病的な過食は専門の医療機関での治療が求められます。
楽しく食べて、ストレス発散と健康増進していきましょう。

監修:mikkumikupapa
勤務:行政看護師
専門:小児身体疾患及び発達障害

自己紹介

男性看護師として、病棟勤務の経験は15年。専門は小児科領域。特に発達障害を抱える子供が二次的障害を引き起こし、入院治療が必要となってしまったケースへの治療と看護について経験と学びを深めてきました。現在はその経験を活かし、乳幼児に関わる行政看護師として勤務しています。保育園を兼ねた職場であり、日々元気な乳幼児と関わりながら、保護者へ流行りの感染症や予防方法、成長発達に関わることなど多岐に渡る相談を受けています。自身も3姉妹の父であり、1日中元気な子供に囲まれた生活を送っています。

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