ストレス

ストレスによって引き起こされる病気とは?

2018-04-13

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病気をしてしまうと、気分も落ち込んでしまいますよね。「身体が弱くなると、心も弱くなる」またその逆もあり、「心が病むと身体も病んでしまう」といったことは、ドラマ等を通して聞いたことがある方が多いと思います。
身体の健康と心の健康はつながっており、両方がうまくバランスを取ることによって、「心身の健康」という状態と維持、増進しています。どちらか一方が崩れてしまうと、軽い病気でも重症化させてしまう可能性も十分にあり、両方をケアしていく必要があると言えます。
ストレスによって引き起こされる病気は数多くあり、予防できるものも数多くあります。

今回はストレスによって引き起こされる病気の紹介と、対処方法、適切な治療方法について紹介していきたいと思います。

ストレス障害

「障害」という診断名がついていますが、継続的な不快ストレスを受け続けた結果、様々な症状が身体化して現れるストレスが原因の代表的な病気の1つです。

原因は、家族との人間関係、職場や学校のような集団における人間関係、仕事内容、家事負担、育児負担、人事異動、収入減、リストラ、失職、個人的不幸といったものがあげられます。個人個人により、不快ストレスと感じるものは違うため、他にも原因となり得るストレスは多々あります。

症状として、嘔気、嘔吐、倦怠感、感冒症状、消化器症状、めまい、動悸、過呼吸、不眠、意欲低下、無気力、怒り、悲しみ、神経過敏、緊張など様々なものが現れます。仕事によるストレスの場合、意欲低下やストレス回避のため解離症状(部分的記憶が抜け落ちる、心ここにあらずという状態になる。解離性障害とは区別する。)が現れ、仕事効率が著しく低下するといった状態になることもあります。

治療法として、十分な休養をとり(仕事をしながら治療が行える場合から、症状によっては仕事を月~年単位で休むことが必要な場合もあります。)、メンタルクリニックの医師による適切な治療とカウンセリングで原因となっているストレスを認識し、そのストレスに対して適切な対処ができるようにしていきます。ストレス障害の治療には、その症状の程度にもよりますが、とても時間のかかる治療になります。
慌てず、ゆっくり時間をかけて、少しずつ回復させていく必要があります。
結果を急ぐと、落ち着いてきた症状が再発する可能性は非常に高く、さらに悪化させてしまう可能性もあるため注意が必要です。特に仕事で収入を得て生活している場合は、どうしても復職に慌ててしまいますが、慌てず、休養をとりながらじっくり治療を受けていく必要があります。復職するにもリハビリ出勤から始め、復職に失敗しないよう職場側にも配慮が求められます。
もし、復職に失敗した場合、「ドロップアウト」と言われ、症状の再発、最悪の場合、社会復帰が難しくなるほどの症状悪化、別な精神疾患の併発をきたしてしまう恐れもあります。

ストレス障害は気付き(気付かれ)にくい

ストレスによる病気のほとんどはストレス障害であることが多く、ストレスが身体症状で現れている場合、その身体症状が隠れ蓑となり、ストレス障害に気づかれないことがほとんどです。
日本では特に精神疾患を異端視したり、ダメな奴といった負のレッテル(スティグマ)を付けた見方をされたりと、社会的な理解を得にくい病気であるため、症状を抱えている当事者は「ストレスが原因かも」と思ってもメンタルクリニックの受診には二の足を踏んでしまうのが現状です。
また抱えているストレスは「目を背けたい現実」であることが多く、そのストレスと向き合うにはとても勇気が必要となります。避けて通りたいストレスですが、避けていると症状が治らないのはもちろん、身体症状も精神症状も悪化させてしまうだけのため、勇気を持って治療を受けることが大切です。
現れた身体症状に沿った診療科を受診し、対症療法を受けつつ、「ストレスで症状が出ているかも」という相談をすると、メンタルクリニックを紹介してくれる医師もいます。
自分に現れている症状を「辛い」と受け取るだけではなく、「なぜ?原因は?」と疑問を持ち、向き合っていくことから治療は始まります。
原因が分かれば、対処しやすくなり、症状の緩和、治癒につなげることが可能となります。勇気を持って症状と向き合い、受け入れ、治療を受けていくことが大切です。

ストレス障害は分類しないで捉える

ストレス障害を分類して考えているインターネット情報を多く見かけますが、(急性ストレス障害、適応障害、心的外傷後ストレス障害【PTSD】)これらとは区別して捉える必要があります。診断名と症状は似ていますが、区別して考える理由として、症状の重さにかなりの差があること、また、発症原因となっているストレス要因が、日常感じている不快ストレスとは違うことがあげられます。
ストレス障害は、身体的な病気で表すと「風邪」のようなものであり、「心の風邪」と捉えるのが妥当と言えます。風邪にも色々あるように、心の風邪にも色々あるため、症状の重さと治療期間について、個人個人差があるのです。
身体的な風邪でも放置しておくと、内臓疾患に至る可能性があるのと同じように、心の風邪も放置しておくと、他の精神疾患に至る可能性があると言えます。たかが風邪、されど風邪であるため、大きな病気を引き寄せないようにしていくことが大切です。

ストレス障害の対処法

身体疾患として現れた場合(胃潰瘍、過敏性腸症候群、突発性難聴、嘔吐、頭痛など様々な疾患がある。)、背景にストレスを感じていないか考えてみましょう。
思い当たることはないと感じる人も数多くいます。非常に気付きにくいというのが、ストレス障害の一番厄介な点なのですが、自分の一日の生活を記録していくことで、背景にあるストレスを明らかにできることが多いです。日記のように長い文章を書く必要はありません。
一日の生活の流れを時間的に記入していくだけでも効果を得られます。
例として、0:00~6:00睡眠、起床・朝食・出勤・勤務・帰宅、20:00家事・入浴、0:00入床など。
ちょっと簡単すぎますが、このような要領で、睡眠時間や勤務時間を記載して、目で確認できるようにします。そうすると、どのくらい眠れているのか、家事時間が多すぎないか、などが分かるようになります。
何度も夜間帯に目覚める場合は、目覚めた時間を記載することで睡眠に問題がないかを把握する機会になり、勤務時間の記載は、仕事内容を振り返る機会にもなります。
一日の流れを記載し、目で確認することは、ストレスを把握する情報の一つとなります。
問題と感じる部分があれば、その部分に対して、どのように改善するかを考えることが、対処法の一つとなります。ストレス障害の予防と治療には、十分な睡眠時間の確保と、連続睡眠を取れるようにしていくことが有効とされています。
週50時間睡眠を目標に、平日連続睡眠7時間、休日連続睡眠7時間半を目安にしていくとよいでしょう。できるだけ昼寝は避け、夜間の睡眠リズムを整えることが大切です。

ストレス障害の精神症状

ストレス障害の症状を身体化症状で紹介してきましたが、精神面での症状も紹介していきます。
精神症状として、怒り(イライラ感)が収まらない、悲しくなる、空しい、無気力、強い倦怠感、昼夜問わない強い眠気などがあげられます。身体症状と同時並行で現れることがほとんどですが、自分では苦しい身体症状に意識が向いているため、精神症状は非常に気付きにくいです。精神症状は症状が重くなるにつれ、感情コントロールが難しくなってきます。この症状は、自身では気付きにくいのですが、身近な人はその状態に気付きやすいです。
感情のコントロールができていないことを指摘されても、なかなかメンタル治療に踏み切れず、苦しんでいる人は、明らかにされていないだけで、数多くいるのではないでしょうか。仕事をしている人であれば現在、労働安全衛生法による職場のストレスチェックが義務化されています。
ストレス判定が出た場合、産業医との面談を希望すれば受けることができます。そういった機会を利用すると、治療への第一歩を踏み出しやすいのではないでしょうか。

うつ病

上記までストレス障害について紹介してきました。ストレスから罹る精神疾患と聞けば、「うつ病」という疾患名を思いつく方が多いのではないでしょうか。
うつ病の診断、治療人数は年々増加傾向にあります。国や地方自治体によって、ポスターやリーフレットによる無料の電話相談の受付、相談窓口の紹介、症状の紹介などがされています。こういった取り組みにより、認知度が上昇傾向にあり、メンタルクリニックへの受診者が増えたことが、うつ病診断と適切な治療を受けられることにつながってきています。うつ病診断が年々増加傾向にあるのは、自身で気付くなどでメンタルクリニックを受診した結果によるものであり、診断、治療を受けていないだけで、苦しんでいる人はまだまだ多いと国や地方自治体は予想しています。

症状はストレス障害の精神症状に似たものがあげられますが、強い抑うつ気分、精神活動の低下、激しい倦怠感や過眠、不眠、持続する悲しみが現れます。他にも症状は様々あげられますが、その症状には浮き沈みがあり、少し軽快し動けるようになっても、再び強い症状が現れるということが繰り返されます。
発症の原因メカニズムは不明である部分が多く、個人により症状も違います。そのため、治療に使われる抗うつ薬や抗不安薬も、患者の症状により効果は差があり、薬効を評価しながら時間をかけて調整していくこととなります。
カウンセリングによる認知行動療法と併用して行われます。うつ病は種類、分類の仮説が様々立てられており、複雑なため、別の精神疾患と線引きが非常に難しく、誤診が起こらないよう注意されています。また、軽快、治癒までも長期に渡る時間が必要となります。復職のために、復職訓練(リワーク)やデイケアなどの支援プログラムも行われています。

まとめ

ストレス障害、うつ病について紹介しました。ストレスによる病気は身体疾患だけでなく、精神疾患にもつながっています。
心身ともに健康でいるためには、快ストレスと不快ストレスのバランスを取ること、栄養を十分にとること、睡眠を規則正しく、連続睡眠時間を十分に確保することがあげられます。心と身体はつながっています。規則正しい生活で、心も体も健康に、強い体作りをしていきましょう。

監修:mikkumikupapa
勤務:行政看護師
専門:小児身体疾患及び発達障害

自己紹介

男性看護師として、病棟勤務の経験は15年。専門は小児科領域。特に発達障害を抱える子供が二次的障害を引き起こし、入院治療が必要となってしまったケースへの治療と看護について経験と学びを深めてきました。現在はその経験を活かし、乳幼児に関わる行政看護師として勤務しています。保育園を兼ねた職場であり、日々元気な乳幼児と関わりながら、保護者へ流行りの感染症や予防方法、成長発達に関わることなど多岐に渡る相談を受けています。自身も3姉妹の父であり、1日中元気な子供に囲まれた生活を送っています。

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