ことわざ

虎の威を借る狐の意味・使い方

2018-06-07

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意味

権力をもつ者のかさにきて、威張る小者のこと。

由来

古代中国の書物である「戦国策」に記載があります。
戦国時代に楚という国がありました。非常に広大な領土と強力な兵を持つ楚には宣王という王が居ました。
そのころ楚にはある噂が流れていました。楚の国王よりも楚の宰相である昭奚恤の方が他国からは怖れられているというものです。そのことについて宣王は家臣たちにその噂が本当かどうかを聞きました。
しかし家臣たちはすぐに答えることができませんでした。「事実だ」と言えば、宣王を軽く見ているということを言いきってしまうようになります。「嘘だ」というには昭奚恤の実力が高いのは事実であったのです。そうして誰も答えることができなかったときに答えたのが江乙というものでした。そこで話したのが以下のことです。
『あるとき虎が狐を捕らえて食べようとしている時に狐が言いました。「自分は天帝から百獣の長に任命されたものである。もしあなた(虎)が自分(狐)を食べるとそれは天帝の命令に逆らうことになる。それでも良いのか?」と。
もし自分が言っている言葉が信じられないのであれば証明してみせます。自分があなたの前を歩いていくので、その後をついてきてください。他の動物たちは私の姿を見ると必ず恐れおののいて逃げ出していくでしょう。虎はそれを信じて狐を後ろからついて歩いていきます。
他の動物たちは狐とその後ろを歩く虎の姿を見て慌てて逃げ出していきます。もちろん虎を恐れたからです。しかし虎は動物たちが虎を恐れて逃げたとは気づかずに、狐を見て逃げ出したと思ったのです。
楚の国は国力も兵力も豊かです。人が昭奚恤を恐れるのは実際には宣王の持つ兵力を恐れているのです』ということです。

これが「虎の威を借る狐」の由来です。実はこの話には続きがあります。このあと、江乙は昭奚恤を陥れる内容のことを次々と述べていきます。江乙は本当は敵国である魏の間者だったのです。なんとか実力者である昭奚恤を除こうとしてのことでした。そしてたとえ話に出てきた狐も最終的には虎に食べられてしまうという結末を迎えます。

意味の変遷

現在でも同様の意味で使用されています。上司や先輩などに気に入られているものが、その権力をかさにきて偉そうにする、威張るという態度をとっているときに使用されます。
その内容から、ほぼ否定的な意味でしか使用されません。「虎の威を借る狐」と言われているということは周囲からは「小者」「卑怯者」と評価されているということになるのです。

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