関節痛

尾てい骨が痛いときはどうする?原因と対処法

2018-06-08

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特にしりもちをついた記憶もないのに、座ったり仰向けに寝たりと特定の姿勢を取ったときに尾てい骨が痛いということがあります。
病院を受診するのもなんとなく恥ずかしいし、常時耐えられない痛みがあるわけではないので我慢しながら様子を見ている方も多いようですが、そのような尾てい骨の痛みはなぜ起こるのでしょうか?
今回は聞くに聞けない尾てい骨の痛みについて、その原因と対処法をご説明します。

尾てい骨とは?

「尾てい骨」は正式には「尾骨」と言います。
積み木のようにたくさん積み重なっている背骨の下にある、逆三角形の比較的大きな骨を「仙骨」と言いその下端の部分を「尾骨」と言いますが、個人によって完全に仙骨と癒合している場合と分離している場合があります。
尾骨自体も元々3~5個の尾椎という背骨の一部であったものが退化して癒合したものとされています。
皮膚の表面からは、お尻の割れ目を上部から触れながら少しずつ下がっていくと硬い骨の感触があり、最後のところがとがったようになっています。それが尾骨の先端です。
本来しっぽがあったところが進化したとされており、尾骨はしっぽの名残であるため、自分にしっぽがあることを想像するとおよその位置が分かりやすいと思います。

尾てい骨の痛みの原因

思い当たるはっきりとした原因がないのになぜ尾てい骨に痛みがでるのかということについてご説明します。
・姿勢不良
姿勢不良による尾てい骨の痛みは座位の場合に生じることが多くあります。
本来、理想的な座位姿勢は背筋を伸ばして骨盤がしっかりと起き、左右の坐骨(左右どちらかのお尻の真下に手を挟んで座ると触れることのできる骨の突起)で上半身の体重を支えるという、いわゆる「坐骨座り」です。
しかし長時間座っていると良い姿勢を保持するのが辛くなってきて、背中が丸まり骨盤が後傾し、尾てい骨が座面にあたっているような「尾骨座り」になってしまいます。 そうすることで尾てい骨に圧迫力が長時間加わり、周囲の皮下組織も含め炎症を起こしてしまうのです。

・骨格の変化
転倒によるしりもちで尾てい骨を骨折してしまうことがあります。
また女性の場合、妊娠・出産時に骨盤が一度緩むため、出産後も骨盤の傾きなどが変化したままになることがあります。
そのようなきっかけで尾てい骨の傾きや形状が変化すると、座位や臥位(仰向け寝)での尾てい骨に対する圧が増加してしまうことがあります。

・急激な減量
急激に体重が減少すると、自ずと臀部周囲の脂肪や筋肉量が減ってしまいます。
特に女性の場合、脂肪は大敵と思ってダイエットを行う方もおられるかもしれませんが、座位でも臥位でも圧力のかかることの多い臀部には、腰部を保護するためにクッションの役目をする脂肪や筋肉がある程度必要です。
減量しすぎて脂肪や筋肉が減ってしまうと坐骨にかかる圧力が増加し、痛みを生じることがあります。

・尾てい骨周囲の疾患
特に疾患なく、尾てい骨への圧が問題となって痛みが生じている場合もありますが、実は気づかないうちに尾てい骨周囲の疾患に罹っている場合もありますのでいくつかご紹介します。

1.仙骨滑液包炎
長時間座り続けるようなことが頻繁に起こると、座面と尾てい骨の間に挟まれている皮膚の下にある滑液包という組織が炎症を起こすことがあります。
これを「仙骨滑液包炎」といいます。
滑液包自体は本来あるべき組織ですが、一度炎症を起こすと圧がかかる度に炎症を再燃させてしまいなかなか治らないので、座ることを控えたり、ドーナツクッションを使うなどして患部に圧がかからないように対処する必要があります。

2.馬尾腫瘍
「馬尾」は脊髄神経とそれより上位で脊髄神経から枝分かれした細い神経が束のようになっている部位のことであり、通常第2腰椎から下位で見られます。
その部分に腫瘍ができる疾患を「馬尾腫瘍」といい、尾てい骨周囲が痛むことがあります。
初期症状としては、夜間、臥位時の痛み(立っているよりも横になっているときに痛むことが特徴)があり、進行すると神経の圧迫が進んで歩行障害などの下肢症状や排尿障害がでてくることもあります。
馬尾腫瘍に対する主な治療は、外科的手術によって腫瘍を取り除くことで経過は良好である場合が多いので、上記のような特徴的な症状が気になる場合は整形外科を受診してみるとよいでしょう。

尾てい骨の痛みの対処法

尾てい骨の痛みに対して、自分で行うことのできる対処法をご紹介します。

・良姿勢を保持する
座位時は、背筋を伸ばして骨盤を起こした良姿勢を保持することを心がけましょう。
ただし、良姿勢は最も尾てい骨への負担がかかりにくい肢位ではありますが、あまりにも長時間ではその姿勢でさえも痛みがでてくる場合があります。
よって、良姿勢を基本として時々骨盤を動かしたり立って腰を伸ばすようにするなど、姿勢を固定しすぎないようにする努力も大切です。

骨盤矯正を行う
出産やしりもちなどの外力によって骨格が変化し、痛みが生じるようになってしまった場合には骨盤矯正を行うことが効果的である場合があります。
骨盤矯正により仙骨・尾骨の傾きが修正され、座面などへの当たり方が変わってくることがあります。
また、治療院などの骨盤矯正を行うことに不安がある方は、骨盤ベルトを使用して骨盤をしめるだけでも仙骨・尾骨の傾きが変わることもありますので試してみてください。

・臀部周囲の筋肉をつける
臀部の自前のクッションとなる筋肉や脂肪が少ない方は、臀部の筋肉をつけるためのトレーニングを行ってみてください。
両膝を立てて仰向けに寝て、手の力は使わずにお尻の筋肉を意識しながらゆっくりとお尻を浮かし、数秒キープしたらゆっくりと下ろすということを繰り返します。
また、筋肉をつけるためにはたんぱく質をはじめとしたバランスの取れた食事が必要です。
良質なたんぱく質や野菜を取り、必要なカロリーを摂取しながら運動を行うことで効率よく筋肉をつけることができます。

・ドーナツクッションを使用する
皮下組織・筋肉・骨膜などどの組織であれ、一度炎症を起こしてしまったら、炎症が治まるまでにさらなる圧刺激を加えてしまうといつまでたっても治りません。
決まった姿勢で痛みがあることが分かっている場合には、その姿勢を取る際にドーナツクッションを使用するなど刺激を回避できるようにし、炎症の鎮静を待ってください。

おわりに

今回は、尾てい骨の痛みについて、その原因や対処法をご紹介しました。
名前がつくような大きな疾患ではありませんが、痛みという点において本人の苦痛は変わらないと思いますので、ぜひご自身があてはまる原因や対処法がないか参考にしていただければと思います。

著者:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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