伝統工芸

映画「君の名は」で注目!組紐の歴史と種類

2018-06-26

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日本にはいくつもの伝統的工芸品がありますが、その一つに「組紐」があります。
これは絹糸や綿糸を組み上げて紐にしたもので、四角い「角打紐」、丸い「丸打紐」、平たい「平打紐」と大きく三種類に分かれるものです。そして近年の大ヒット映画「君の名は」で主人公の女の子が組紐を使用していたことで組紐は静かなブームを起こしています。

ここではそんな「組紐」について紹介していきたいと思います。

1、組紐の歴史

世界の各地で古来より糸を組んで様々な道具を作り出して利用されてきました。日本でも古代縄文時代ごろから木のツルや蔦、動物の皮などを組んで紐、縄のようにしたものを土器に押し当てて模様としたことがわかっています。これが縄文土器です。ただ、このころははっきりと組紐としての使用はされていなかったようです。

時代が進んで古墳時代、飛鳥時代ごろになると大陸から仏教の伝来とともに経典や巻物、仏具、仏像などの付属品として飾り紐が伝わってきます。これを元にして細い色のついた糸を組んで紐にするということがはじまりました。

平安時代になるころには日本流の組紐が確立されはじめます。貴族の衣服などには必要不可欠なものとなり、盛んに使われ始めました。このころの組紐は現在のものとそれほど差がないものになっています。

平安時代末期から鎌倉時代、室町時代ごろには武士が鎧や刀に使用するようになり、より丈夫なものが求められるようになっていきます。

そして安土桃山時代には千利休が完成させ、豊臣秀吉などによって大きく普及した茶道において茶道具を入れる箱の飾り紐として使用されるようになっていきます。このころから「実用性」に加えて「芸術性」が求められるようになっていき、より美しく見せるために専門の職人たちが組紐を作り上げるようになっていきます。

それらの職人たちは江戸時代に入ると組紐を作るための専用の道具も開発していきます。これが「唐組台、内規台、高台、丸台、角台、三角台」といった道具で、これらの道具を使うことによって組紐はさらにその芸術性を高めていきます。男性には「真田紐」と共に武具、刀などの飾り紐として使用され、女性には着物の帯締めなどに使用されるようになっていきました。ちなみに真田紐はよく間違えられますが、組紐ではありません。真田紐は分類上は「織物」になります。

しかし明治時代以降は武具や刀を使用すること自体が減少していき、大規模な生産は行われないようになっていきます。

現在は伝統的工芸品として残る他に、西洋の技術と組み合わせることで新たな技術を開発することにも役立っています。

2、代表的な組紐

代表的な組紐としては「江戸組紐」「京くみひも」「伊賀くみひも」などがあります。
特に「京くみひも」と「伊賀くみひも」は現在でも組紐の産地として有名です。

1.京くみひも

京くみひもは794年の平安京遷都ごろから始まったとされています。平安時代には貴族の衣服の紐として、鎌倉時代以降は武具の飾り紐として使用されましたが、このころは貴族や武士、寺社などかなり限られた層でしか使用されていませんでした。一般的な着物の帯留めや髪飾りなどに使用されるのは江戸時代ごろになってからと考えられています。

京くみひもにはおよそ40種類もの組み方があり、それぞれの組み合わせを変化させていくと数千種類の組み方があるとされています。

主な工程としては「糸割り、糸合わせ、経尺等の準備工程、組工程、房付け、湯のし」といったものがあり、それらは組紐専用の道具である「丸台、角台、高台、籠打台、綾竹台、内記台」を使用して行われます。京くみひもは昭和51年に伝統的工芸品として認定されました。「京くみひも工業協同組合」が現在は管理、運営を行っています。

2、伊賀くみひも

伊賀くみひもは京くみひもよりも始まりが古く、奈良時代よりも前から作られていたとされています。これは仏教が伝来した当時、政治の中心が奈良県であったことも影響しています。最初は仏具などの装飾として使用されていました。

平安時代になると本格的に技術性が出てきます。唐組の平緒、経巻、華篭、幡飾など非常に精密で繊細な紐が仏具などに使用されるようになったのです。武士たちの時代になると武具や刀に多く用いられるようになっていきます。江戸時代以降は帯締めや羽織などの紐として広まっていきました。

特に明治時代以降、武具や刀に使用される頻度が減ってくると絹糸や金糸を使い、高台や丸台、角台、綾竹台などの専用の道具を使って非常に芸術性の高い組紐を作るようになっていきました。こちらも昭和51年に伝統的工芸品として認定されています。

その繊細な作業は慎重に行われます。まず糸を量りにかけて、紐の本数分の糸を重さによって分けていきます。組もうとしているデザインに従って染め糸繰りを行い、巻き取っていきます。この際に専用の道具を使用して組んでいくのです。

伊賀くみひもは「三重県組紐協同組合」が管理しており、後継者の育成や広報、普及活動、販売などを行っています。

現在は確かな技術を後世に残していくと同時に他の分野とのコラボレーションも行っています。2001年には世界的に有名なスポーツブランドである「ナイキ」がシューズの紐に「平打紐」を採用したことが話題になりました。

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