筋肉

内転筋ってどんな筋肉?その役割と鍛え方

2018-07-04

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手足にはたくさんの筋肉があり、それぞれの筋肉が協調して働きながら手足や体幹の動きを支えています。
その中でも重要な役割を持っているにもかかわらずあまり一般の方に知られていない下肢の筋肉として「内転筋」という筋肉があります。
今回は「内転筋」についてどのような役割を持っているのか、またどのようにすれば鍛えられるのかをご紹介します。

内転筋とは?

股関節は大腿骨(太ももの骨)の上端にある大腿骨頭という球体に対して骨盤側の関節面が大腿骨頭を受ける受け皿の形状になっており、「球関節」と呼ばれる関節です。
膝が主に曲げ伸ばしのみの運動を行う関節であるのに対して、股関節は球関節であるため動きの方向が制限されておらず、曲げたり伸ばしたりする「屈曲伸展」、横に開いたり閉じたりする「内外転」、内や外に捻る動きの「内外旋」とたくさんの種類の動きが可能です。

その中で股関節を閉じる動きを「内転」といい、その動きを担っている筋肉を総称して「内転筋群」と言います。
内転筋群は内ももに沿うように走行しており、大内転筋、小内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋、恥骨筋があります。
どれも股関節の内転に作用する筋肉ですが、起始停止の位置の多少の違いにより働きが少しずつ異なります。

内転筋の役割

内転筋が全身に及ぼす役割をご説明します。
・足を閉じる
股関節の内転という作用のとおり、足を閉じる役割です。
日常生活の中で、意識的に足を閉じるということに筋力を必要とする機会はあまりないかもしれませんが、座って足を閉じるとき、左右の脚で物を挟むときなどに力を発揮します。
サッカーでは、足の内側でボールを蹴るときには特に内転筋の力を発揮することになります。

・まっすぐな脚にする
内転筋には股関節を内転させる作用がありますが、それとともに股関節の外側には股関節を外転させる役割をもつ中・小殿筋や大腿筋膜張筋があります。
これら外転筋と内転筋が協調して働くことで、股関節を中間位(内外転0度)に保ち、まっすぐな脚にすることができます。
逆に内外転筋の筋力のバランスが崩れるとO脚やX脚になってしまい、まっすぐな美脚を保つことができないだけでなく、股関節や膝関節に負担がかかり、中高年以降変形性関節症になるリスクが高くなってしまいます。

・骨盤を安定させる
立位や歩行の際には左右の二本の足で骨盤を支えています。
股関節を中間位に保つために内転筋と外転筋のバランスが重要であることは先ほど述べましたが、歩行時のように片脚で骨盤および上半身を支えることが繰り返される場合には立った姿勢以上に内外転筋がきちんと機能するかどうかが重要になってきます。
片脚立ちのときにも内外転筋が上手く機能して股関節の中間位を保てるようであれば、骨盤は傾かずまっすぐな状態を保ちながら歩行することができるため、効率よく安定した歩行を行うことができます。
また骨盤は全身の中心にあり、骨盤の安定性が体幹の安定性に直結しているので、歩行以外の動作においても左右の内転筋がきちんと機能しているかどうかは全身の安定性に密接に関与していると言えます。

内転筋の鍛え方

内転筋はどのように鍛えられるのか、具体的なトレーニング方法をご紹介します。

・ボール挟み
負荷が少なく、トレーニング初心者でも行いやすいトレーニング方法です。
両膝を立てて仰向けに寝て、膝の間にドッジボール程度の大きさのボールを挟みます。
ボールが落ちないように軽く挟んだ状態からボールをつぶすように3秒程度力を入れ、また元に戻すという動きを繰り返します。

・開脚スクワット
自重を使ったトレーニングなのである程度の負荷がありますが、道具なども使わず身一つでできるのでいつでもどこでもできるトレーニングです。 四股を踏めるくらいの幅に足を開いて立ち、つま先を軽く外向きにします。
重心を真下に落とすようにゆっくり膝や股関節を曲げて腰を落とし、太ももが床に平行になるあたりまで腰を下げたらまた元の高さまで上げるという動作を繰り返します。

・横歩き
比較的難易度が高く、体幹や下肢の筋力がしっかりしているトレーニング上級者向けのトレーニングです。
足を骨盤の幅に開いた状態で立ち、トレーニング用チューブをその幅に合わせてループ状に結び左右の足首にかけます。
左右の膝は伸ばしたままつま先は正面を向けた状態で、どちらかの足をゆっくりと外に踏み出して着地したら、踏み出した分だけ反対の足もついていくように進んで再び両足が骨盤の幅になるようにします。
繰り返し同じ方向に進んでも、左右交互に踏み出して常に定位置で行っても構いません。
このトレーニングでは踏み出す方の足は外転筋を使い、チューブで引っ張られながら軸足として立っている方の足が主に内転筋を使っています。
踏み込みに伴って上半身が倒れてしまうと股関節の内外転も変わり、使う筋肉も変わってしまうので股関節や体幹をある程度安定させておく筋力が必要になります。

おわりに

今回は、内ももにある「内転筋」についてその役割や鍛え方をご紹介しました。

大腿四頭筋や大殿筋のように筋力アップの効果を直接動作の中で感じにくい筋肉であるためなかなか必要性を感じられないかと思いますが、動作の安定性という点では間違いなく重要な筋肉です。

今回の内容を参考にしていただき、是非ご自身の内転筋の機能にも目を向けていただきたいと思います。

著者:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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