女性に多い反り腰の原因は?その影響と対策方法

2018-07-09

関連キーワード

人間の骨格は多少の個人差はあれ基本的に同じ骨で構成されています。
しかし、同じ骨で構成されていても良い姿勢の人や猫背姿勢の人など、人の姿勢はそれぞれ異なります。

その中でも、比較的女性に多い反り腰姿勢について原因や影響、正しい姿勢に修正する方法などをご説明します。

背骨と骨盤の仕組み

人間の身体は中心に骨盤があり、その上に背骨(脊柱)が並んで上半身の胴体部分を構成し、骨盤の下側に下肢の骨が連なって下半身を構成していますが、その中で人間の姿勢を最も左右しているのが骨盤と脊柱です。
骨盤には主に前に傾く「前傾」と後ろに傾く「後傾」の動きがあり、腹筋群や脊柱起立筋、骨盤底筋などでその傾きを調整しています。
脊柱はたくさんの椎体(背骨の一つひとつ)が積み重なっていますが、正常な場合でもまっすぐではなく「生理的弯曲」を持っています。
「生理的弯曲」は、頸椎部分が前弯、胸椎部分が後弯、腰椎部分が前弯となっており、脊柱全体で見るとS字カーブを描いています。

反り腰の人の姿勢とは?

「反り腰」は一般的に女性に多い姿勢で先に述べた骨盤や脊柱の動きで表すと、正常よりも骨盤の前傾が強まり、腰椎の前弯が強まった状態です。
骨盤と腰椎は、腹筋が強く働くと骨盤後傾かつ腰椎が後弯する方向に動き、脊柱起立筋が強く働くと骨盤前傾かつ腰椎が前弯する方向に動きます。
よって、反り腰の方は腹筋筋力が低下し脊柱起立筋の緊張が過度になった状態と言えます。

特に妊娠・出産経験のある女性は、妊娠中にお腹が大きくなるにつれてお腹の重みで重心が前方に引っ張られて骨盤前傾、腰椎前弯が強まった姿勢になりやすくなります。
そして、出産後もその姿勢が戻らず、骨盤を後傾方向に動かすのが苦手なままになってしまうという方が多いのが現状です。

反り腰の影響

それでは、反り腰姿勢になるとどのような影響があるのかご説明します。

腰痛になりやすい
反り腰は腹筋筋力が低下して脊柱起立筋の緊張が過度になった状態であると述べましたが、そのアンバランスにより脊柱起立筋の方に負担がかかり、腰痛になりやすくなります。
また、重い物を持ち上げるといった腰を曲げている状態から起こす動作などでも、腹筋筋力が不足していると腰の一部に負担が集中してしまい、腰椎の関節を傷めやすくなってしまいます。

・手足の力が入りにくい
手や足は体幹(胴体部分)についているので、基盤となる体幹がしっかり安定していなければ筋力が発揮しにくくなります。
腹筋が抜けて腰が反った状態では手足の力が入りにくくなり、手足のケガにもつながりやすくなってしまいます。

反り腰を修正する方法

反り腰を修正するための方法をご紹介します。

・膝抱え
まずは、反り過ぎた腰を丸めることで骨盤と腰椎の可動域を確保する体操です。
仰向けに寝て、両膝と股関節を曲げて両手でしっかりと膝を抱えます。
可能な場合は、頭も上げて背骨が丸まるようにします。
お尻や腰に伸張感を感じられたらしばらくその状態で筋肉をストレッチしてください。

骨盤後傾腹筋
次に、腹筋で骨盤を後傾させる練習を行います。
両膝を立てて仰向けに寝て、両手を甲が上になるようにして腰と床の隙間に入れます。
息を吐きながらおへそを引っ込めて腰の下に入れた手を腰で押しつぶすように腹筋に力を入れます。
しっかり息を吐いたら、息を吸いながら腹筋の力を緩めて元の状態に戻します。
この動きをゆっくり何度も繰り返します。
呼吸と腹筋の力だけで骨盤を動かすのが難しい場合は、息を吐きながら頭を上げるようにすると頸部の動きとともに腰椎や骨盤の動きが出しやすくなります。

腹式呼吸
反り腰の方に対して骨盤を後傾させることに意識を置いてきましたが、骨盤を後傾しすぎると反対に猫背姿勢になってしまいますので、前傾と後傾の間のちょうどよいところで安定させなければなりません。
腹式呼吸体幹トレーニングでもよく使われる方法で、骨盤を正しい位置で安定させるトレーニングです。
両膝を立てて仰向けに寝たら、ウエストラインよりやや下方で骨盤の骨に触れることのできる左右の突起(上前腸骨棘)と、おへそからそのまま下方に下がっていくと股のところで触れることのできる骨(恥骨結合)の3点を結んだ三角形の面が床と平行になるように骨盤の前後傾を調整します。
これが寝た状態で骨盤がちょうどよい傾きになっている状態です。
息を吸うときにお腹を膨らませ、吐きながらゆっくりおへそをへこませるようにして息をできる限り吐き切ります。
このとき、骨盤の前後傾が変わらないように意識しながら呼吸を行ってください。
日常生活内で立ったり座ったりしているときにも、この腹式呼吸を思い出しておへそをへこませた状態を維持できるようにするとよい姿勢が保ちやすくなります。

おわりに

今回は女性に多い反り腰姿勢について、その姿勢が与える影響や姿勢を修正する方法についてご説明しました。

自分にとって自然である姿勢を変えるということは難しいことですが、筋力のバランスを整え、普段から正しい姿勢を意識し続けることで無意識に正しい姿勢をとれるようになってきます。

腰痛予防のためにも姿勢は重要なポイントになりますので、是非心がけていただきたいと思います。

著者:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

    ▲ページトップ