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元乃隅稲成神社「稲荷」ではなく「稲成」の理由

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元乃隅稲成神社の名前を目にして、「ん?」と引っかかるところはありませんか?そう。「いなり」といえば、「稲荷」の字が普通です。

この稲荷の文字には「稲を荷(かつ)ぐ」との意味が込められています。稲荷神社に祀られる神様は豊受大神といい、五穀豊穣を司る方です。穀物などの食糧関係を生み出す役目を任された、いわば農林水産大臣のようなもの。後に同じく食糧を司る宇迦之御魂神と同一視されました。

ある時、豊受大神は日本神道のトップである天照大神から指令を受けました。日本中に稲穂、米を届けなさいというものです。

豊受大神は鹿とその指令を仰せつかりますが、神様とて雲に乗ってひとっ飛びで任務を遂行できるわけではありません。神道の神様は自然がベースなので、あまり超自然的すぎることはできないこともあります。

そこで、狐を呼んで運ばせたことから、「稲を荷ぐ稲荷神社イコール狐」とのイメージが定着しました。

では、元乃隅稲成神社はどうでしょう。何故「成」の字が使われているのでしょうか。

元乃隅稲成神社は元々太鼓谷稲成神社から分霊された、いわば出張所のような場所です。分霊された系列社は本宮と同じ性格を持つ神社と言えます。太鼓谷稲成神社は「願いの成就」を旨とする為、元乃隅稲成神社も同じ性格と字を受け継ぎました。

ご利益は学業や願いの成就、その他良縁や子宝に恵まれるなどまさに成就の宝庫です。稲荷神社が五穀豊穣を掲げるように、豊富な願いを成してくださるのが元乃隅稲成神社と言えるでしょう。

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自然の息吹も見所の「龍宮の潮吹」

周囲を海に囲まれたこの神社には、独自の魅力、見所が満載です。その一つが龍宮の潮吹。神社ができる前はこちらがメインでした。

ちなみに「龍宮」というのは波により岩が削れた津黄漁港の西北端の、海により削れた地形を指します。

龍宮の潮吹とは、そんな地形で見られる自然の生み出す絶景です。常に見られるわけではなく、適度な強風、波の加減などの条件がそろった時に、初めて見ることができます。

実は龍宮の潮吹きが見られる箇所は洞穴状になっていました。波が削れた岩礁の穴に入ると、洞穴内部の空気が圧縮。外に出ようと空気が漏れ出し、凄まじい波柱を立てるのです。

運が良ければ、崖よりも高い波柱を目にすることができ、その幻想的でありながら力強い風景は一生ものの思い出となるでしょう。

もし波柱が小さなものだったとしても、わずかな霧状となり、涼やかな印象と余韻を楽しむことは可能です。

大きい波柱が見たい時は、冬、それも強い北風の吹く時がおすすめとされます。冬場は海が荒れやすいので、龍宮の潮吹も見られる確率は上がることでしょう。

自然の恩恵を受ける神社

初めに、少し長くなりますが基本的な稲荷神社のイメージ等についてお話します。元々稲荷神社は願いの成就が早い方ですが、願いを叶えたらそこで終わりと言うわけではありません。相応の対価を取られるとも伝えられます。「稲荷神社は祟る」「何回も行かないといけない」「いや、何回もどころか一生お参りをしないといけない」と言う声まである始末です。

ことに、「稲荷」の名を冠する仏教寺院の場合は荼枳尼天(だきにてん)が祀られています。心臓を食らうとの伝承があり、大黒天に調伏されるまでは生きた状態で、人肉を丸ごと食べていたとの逸話の主です。

こうなると、稲荷神社に行くことに二の足を踏む人もいるでしょう。ですが、恐れることはありません。「早く願いを叶えて神様!お願いお願いお願いします!」と頼んでおいて、叶えばころりと神様を忘れる。それはあまりに身勝手です。まさに困った時の神頼み、いや困った時だけの神頼みです。

頼むだけ頼んで、普段は神社に見向きもしない人も多いのではありませんか?

俗なたとえで恐れ多いのですが、稲荷神社は商売も扱っているだけあって、対価に関してはしっかりとしていると考えれば分かりやすいでしょう。

荼枳尼天もインドから入って来たので、日本の神様よりは厳しい方。ただそれだけのことです。無論、これはどの神様にも言えること。何も大仰なお供えでなくとも、感謝の意は大事です。

お礼参りをした方がいい、と言うのは何も神様に物欲等があるのではなく人間の浅ましい心を咎められているのです。怖い人たちによるお金の取り立てではなく、物を買ったらお金を払う、親切にされたらお礼を言う。それと同じことに過ぎません。

感謝を忘れた途端に「ふざけんなゴルァ!全部没収だ!!」とお怒りになって落ちぶれる。それが一般的な稲荷神社です。

元乃隅稲成神社の場合はどうでしょうか。他の稲荷神社同様に狐を使いにしていますし、願いの成就が大きなご利益です。「これは見返りとかが怖いなあ」と思われるかもしれません。

ところが、実際に行ってみると願いの成就よりも美しい自然に心奪われることでしょう。

鳥居の朱色が、岩肌の色や草の緑に映え、海の青も相まって目にも鮮やかな絶景を提供してくれます。先に述べた龍宮の潮吹も自然が織り成す神様からの贈り物と言えるものです。

元乃隅稲成神社に至るまでの道にも、情緒あふれる東後畑棚田などが見られるルートが存在。

自然は時に人の心を洗い流してくれます。世俗を忘れて洗われた心で願えば、神様からお咎めを受けるような願いや態度にはならないはずです。

家に戻ったら俗な心がもたげるかもしれない、とご心配の方は心が綺麗な状態を保てるよう努力をすることも検討してみるのもいいでしょう。ある意味では心洗われることが最大級のご利益です。

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神社周辺のお勧めスポットは?

元乃隅稲成神社で御祈祷をし、自然を味わったら何をするか。神社の周辺にも結構なおすすめポイントがあります。

【東後畑棚田】
長門市油谷地区にある棚田です。広さは600ha。『日本の棚田百選』にも選ばれており、時間帯によって表情を変える様はまさに自然の生み出す芸術と言って差し支えないでしょう。

所在地:〒759−4711
山口県長門市油谷後畑410−1

【妙見山展望公園】
元乃隅稲成神社から3.5kmの所にある展望台です。アジサイ、ツツジ、その他諸々の植物や自然に囲まれており、キャンプも楽しめます。

所在地:〒759−4713
山口県長門市油谷後畑

【千畳敷高原キャンプ場】
妙見山展望公園に比べると華やかさはないかもしれません。しかし、標高300m超えという高所からの風景は気持ちが良く、アスレチックや望遠鏡と言った設備もあり、大いにキャンプを楽しめます。

所在地:〒759−4402
山口県長門市日置中1138-1

【金子みすゞ記念館】
夭折した天才詩人、金子みすゞが少女時代に住んでいた家をベースにした記念館です。みすゞが詩を作っていた部屋などを見ることができます。

所在地:〒759−4106
山口県長門市仙崎1308

【黄波戸温泉】
海にほど近く、大海原を見ながら温泉につかることができます。神社で祈願をする前に身を清めるのもよし、祈願をした後に改めてのんびり浸かるのもよしの温泉です。海の幸にありつけるのも嬉しい所。

所在地:〒759−4100
山口県長門市黄波戸

他にもおすすめスポットはたくさんあります。こうしたスポットを事前に調べ、そこに行けることを縁とし、改めて感謝の意を捧げるのもお勧めです。

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