不動産

不動産を相続して困った? よくある3つの問題にはこう対処!

2018-07-29

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親からの相続で、両親とともに暮らしてきた家や土地を相続することがあります。こうした不動産は築年数が相当経過していて、その管理が大変な場合もあります。また土地については定期的に除草しないと周囲に迷惑をかけたり、ゴミの不法投棄場所となってしまったりもします。こうした問題にはどのように対処すれば良いのでしょうか。

不動産を相続して困る3つの問題

不動産を相続する場合、金銭や有価証券といった金融資産と違い、困ることがあります。それは不動産にかかる固定資産税や都市計画税などの税負担以外に、管理をきちんとする義務があるからです。また、売却しても買い手がつかなければ売ることができません。
こうした点で次の問題に遭遇することも少なくありません。

(1)空き家の管理問題
(2)敷地の管理問題
(3)売却の問題

(1)空き家の管理問題
誰も住まなくなった家はそのままにしておくと傷んできます。特に通風や採光を定期的にしておかないとカビやダニなどが発生して住めなくなる場合もあります。しかし、それ以上に深刻なのが外壁や雨樋・屋根瓦といった外気に直接触れる部分で、老朽化によって隣接する道路にその破片が落下して通行人にケガをさせるケースも出てきます。

(2)敷地の管理問題
敷地の管理も深刻な問題となることがあります。舗装されていない場合に起こるのが雑草の繁茂による環境の悪化です。こうしたことが余りにも酷いと、周辺住民に迷惑をかけ、苦情を受けた自治体から改善命令が通知されることがあります。

(3)売却の問題
築年数の経過した建物はすでに耐用年数を超えていることが多く、建物の資産価値は殆どゼロと考えて良いでしょう。よって建物を目当てに買い手が付くということは稀にしかありません。売却の場合、立地や土地の形状・大きさに注目して買い手が付くケースが殆どではないでしょうか。

建物を取り壊して更地にすれば買い手が付くかもしれませんが、地方の過疎地ではそれも難しいかもしれません。また、更地にすれば除草などを定期的に行う必要性がさらに増えるとともに、固定資産税などの軽減も受けられなくなります。

不動産を相続して困る前に対策しよう

不動産を相続した場合、管理や売却の難しさに遭遇することが多く、こうしたことは実際に体験してみないとわからない部分かもしれません。しかし、こうした問題について生じることを予め知っておき、早い段階で準備しておくと対処できる場合があります。

・空き家の管理問題への対策
空き家の管理で注意したいポイント。それは家屋のそばが公道に面している場合、公道を通行する第三者に、空き家の壁面や屋根瓦・老朽化した雨樋の破片などが落ちてケガをさせたりすることがないか、空き家の周囲を目視で調べることです。こうしたことで第三者にケガをさせた場合、管理責任を問われるのは空き家を相続した人になります。また、公道との境界に側溝があり、その側溝に私費で蓋をかけている場合、その蓋が古くなっていてそこに人が乗って側溝でケガをした場合も同様です。蓋の管理責任を問われるのは空き家を相続した人です。

・敷地の管理問題への対策
広い土の敷地は、定期的に除草するなどの管理をしないでいると、夏には背の高い雑草でいっぱいになります。見た目に悪い上に、害虫や蛇などの格好の繁殖場所になりますし、不法投棄のゴミ捨て場になるかもしれません。町の美観を損ねるに留まらず、周辺や近隣のご家庭にも多大な迷惑となります。定期的に空き家のまわりの様子を確認し、必要な管理作業を行うようにしましょう。

・売却の問題への対策
不動産を相続した場合、なんらかの財産価値があるということで相続を受諾しても、その財産価値は不動産を売却してはじめてわかります。売れない不動産は管理の手間や重い管理責任を負うだけでメリットはほとんどありません。また空き家は建物が古いだけでなく、現在の耐震基準に適合しておらず、大きな地震で倒壊するかもしれません。

空き家を売却するのもなかなか大変ということで、建物を取り壊して更地にするにしても、建物を取り壊した瓦礫は産業廃棄物となり、その処分にはとてもお金がかかります。こうしたお悩みに対し自治体によっては、費用の補助を含めた相談に乗ってくれる場合があるので、早めに相談される方が良いでしょう。

不動産を相続した場合に役立つ知識

不動産を相続した場合、次のことを知っていると役に立ちます。

(1)空き家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)
(2)相続や遺贈で取得した不動産の売却に関する税制

(1)空き家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)
空き家法は日本全国で増え続ける、誰も住まなくなった家屋や敷地の管理責任が十分果たされない状況を背景に、近隣とのトラブルや都市環境悪化などの社会問題化に対応して制定された法律です。この法律によって地元の市町村は、管理がされておらず老朽化で不安定となった建物の倒壊や壁面の破片落下などによる通行人への危険を未然に防止するため、空き家等の所有者に対して、必要な是正を勧告・指導および命令することができるようになりました。

管理がされず放置され近隣への迷惑が酷い場合や、放置すれば第三者を巻き込む事故が生じるおそれがある空き家について、地元の市町村は「特定空家」に指定することができます。市町村の求める是正に応じる事で「特定空家」の指定解除はできますが、何もしなければ「特定空家」には固定資産税の軽減措置は適用されず、これまでの数倍の固定資産税を払う義務が生じます。

(2)相続や遺贈で取得した不動産の売却に関する税制
相続又は遺贈により取得した居住用の不動産に関して、一定の要件に該当する場合には売却で生じた譲渡所得について最大3000万円まで所得控除することができます。詳しい内容については国税庁がホームページに掲載していますので、確認されてみてはいかがでしょう。

最後に

住まいは、暮らしの基礎としてなくてはならない財産ですが、金銭や有価証券などの金融資産と比べると、相続時にはいろいろとトラブルが発生することが多いと思います。
不動産は分割して相続するのが難しく、相続人の一人が引き継ぐというケースが殆どでしょう。また、相続が問題なく行われた後でも、物件の状況次第で管理が大変な場合があります。
管理せず放置すると大変な問題が起きる可能性があることや、売却するといってもなかなか難しいということは知っておきたいものです。

監修:Asasei

二級FP技能士(番号:F20321015439号)
二十数年間の行政系公務員生活の後、在職中に取得した金融、投資知識をもとに自宅にて執筆活動、相談業務を実施しています。
経済や金融、外国為替などの知識を生かして株式投資やFXなど資産運用を行っています。

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