伝統工芸

5月と11月年に2回の「益子大陶器市」でお得に益子焼をゲット!

2018-08-02

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日本には伝統工芸と呼ばれる芸術品がいくつもあります。焼き物はその中でも多くの種類があり、「益子焼」もその一つです。 ここでは現在でも多くの窯元や販売店がある益子焼を紹介していきたいと思います。

1、益子焼の歴史

益子焼は江戸時代の終わりごろの嘉永年間に常陸国笠間藩で焼き物の修行をした大塚啓三郎が益子に窯を築いたのが始まりとされています。

益子(現在の栃木県)の陶土は豊富に産出しましたが、キメが荒かったために精巧な芸術品を作るには向いていないとされていました。しかし大消費地である東京に近いということもあって、水がめ・火鉢・土瓶・壺などの日用品を作っていきました。

その後1927年に「民芸運動」をすすめる芸術家の濱田正司が益子にやってきたことで転機を迎えます。濱田正司はのちに人間国宝にも選ばれる陶芸家で、日用品の中にある美しさ、「用の美」を推奨していきました。

1959年には加守田章二が窯を開き、それまでの益子焼の印象を大きく変えていきます。彼は新しく独創的なデザインを益子焼に取り入れていきました。このころから作風も多種多様に分かれていきます。

1979年には伝統的工芸品として指定され、現在でも多くの窯元と販売店を維持しているのです。伝統的工芸品として認められるには「長年変わらない主材料と手法」「高い芸術性」という条件の他に「日用品であること」という条件があります。益子焼は長く日用品として使用されてきましたのでこれらの条件をすべて満たしていたのです。

現在では様々なイベントなども行われており、それらは「益子町観光協会」が管理運営していますので、そちらを参考にしましょう。

益子町観光協会
〒321-4217 栃木県芳賀郡益子町大字益子1539-2
TEL:0285-70-1120

2、益子焼の特徴

益子焼の陶土は決して良い質とは言えません。砂っぽく、鉄分が多く含まれているためにキメが荒くて割れやすいという特徴があります。

そのため最近ではこの付近の土に他の場所の土を混ぜることで特色を出すということも行われています。また、この重さと割れやすさが益子焼の味わいだと捉えることもあります。

また、「釉薬」との相性が良いという特徴もあります。木や石を原料とした透明の「並白釉」「糠白釉」、重厚な厚みを出す「漆黒」、柿とも呼ばれる「赤茶色」、なめらかな飴色になる「鉄釉」など深い味わいが魅力となっています。

これらの石材や鉄粉を釉薬にしたものに、犬の毛筆で色付けを行っていくのが益子焼です。濱田正司が得意としていた「杓掛け」「流し掛け」「掻き落とし」などの技法を使って模様を描いていきます。最近では信楽焼きの絵付けを模した「山水土瓶」なども人気となっています。

3、益子焼の作り方

益子の陶土は砂っぽさがあるために適度な粘り気にするところから始まっていきます。粘り気が弱すぎると乾燥した時に割れてしまったり焼いたときに変形してしまうためです。

陶土を乾燥されて細かく砕いて水槽に入れます。そこでゴミや砂などの不純物を取り除いてから別の水槽に入れて沈殿させます。

それを取り出して乾燥させると益子焼に使える陶土となります。

益子焼ではロクロを使うのが主流です。ロクロに乗せる前に陶土を揉んでおくと空気やゴミを取り除くことができ、ロクロの上で形を整えやすくなります。

そして形成されると素焼きします。素焼きしておくと釉薬を吸収しやすくなり、絵付けもしやすくなります。温度は700~800℃です。

その後、釉薬を使用したり絵付けをしたりします。そして本焼に入ります。この時は、1200~1300℃の高温で焼かれます。釉薬に鉄分やコバルトなどの金属が使用されていますので、これらが化学変化を起こして鮮やかな色合いになります。

4、現在の益子焼

現在、ゴールデンウィークと11月3日ごろの年に2回、「益子大陶器市」が栃木県益子町で開催されています。
これは1966年(昭和41年)から始まったイベントです。関東地方で陶器に興味がある人で訪れない人はいないというほどの大規模なもので、毎年50を超える店舗と500ほどのテントが出店して大賑わいを見せています。この時は、有名な陶芸家によるかなり高額なものから、お手軽な値段で手に入れることができる日用品まで幅広く取り扱われています。テントでは窯元の職人さんと直接話ができたりします。さらにここでは地元の特産品や農産物もお手頃な値段で販売されています。年2回を合わせて約60万人が訪れるというビックイベントなのです。

2018年度の秋は11月2日(金)~5日(月)に「第102回益子秋の陶器市」が開かれる予定となっています。この時は益子町内を巡回する「巡回バス」が運行しており、1回100円で利用できますので便利です。

また、益子には現在も多くの窯元と販売店があり、それらでは益子焼の陶芸体験ができ、茶わんや絵皿、湯呑などを作ったりすることができます。濱田正司が使用していた家屋も益子参考館上台として見学可能となっています。
近くには国の指定文化財である普門院西明寺もあります。
こういった場所は年中利用することができますので、益子焼に興味を持たれた方はぜひ益子を訪れましょう。

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