景勝地

四季とりどりの景観の変化、三段峡

2018-08-07

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1、西中国山地国定公園

中国山地の西部、島根・広島・山口の3県にまたがり、阿佐山から冠山山地の安蔵寺山にいたる一帯を地域としています。北東から南西にかけて阿佐山・臥竜山・深入山・恐羅漢山・冠山・小五郎山・など標高1000m〜1300m級の山々が連なり、これらの間を柴木川・匹見川・宇佐川などの河川が流れ、三段峡をはじめ、匹見峡・寂地峡・深谷峡などの特異な渓谷を形成しています。

この山地の大部分は流紋岩・斑岩・花崗岩で占められ、これらの火成岩類はいずれも後期中生代あるいは第三紀初期に活動したもので、また冠山を中心とする玄武岩類は第四紀火山活動を示すものとされています。

2、壮観な三段峡

太田川上流の田代川と柴木川の峡谷一帯を総称し、延長約16km、渓谷北方の八幡高原にまで至っています。石英斑岩・花崗岩の岩盤が深く浸食され、高さ400mにおよぶ大岩壁や、深淵・洞窟・滝などを形成しています。

なかでも黒淵・猿飛・二段滝・三段滝・竜門は三段峡の五大壮観として有名です。

黒淵は三段峡の入り口から徒歩40分のところにある深淵で、長さ110mほどで幅60m、両側を20m〜100mの断崖にはさまれ、名前が示す通り黒々とした水をたたえて静まりかえっています。水深は場所によっては数十mにも達すると言われています。

猿飛は三段峡のほぼ中央にある峡門で、幅5m、長さ85mの水路は両側から覆いかぶさるような断崖にはさまれ、峡中ではもっとも神秘的な雰囲気を醸し出しています。水深は7〜8m前後で、ここに入るためには船を利用しなければいけません。猿飛の名前は峡門の上部がせばまり、猿が飛躍して往来する様子から生じました。

三段滝は高さ30m、三段に分かれ絶壁に囲まれて水煙を巻き上げる光景は壮観です。最奥部に竜門と三ツ滝が続いています。竜門はそそり立つ両岸が鮮やかな節理をみせて傾き、幅約5mの峡門をつくっており、さらにその奥に大小二つの滝が落ちています。

三ツ滝は川が大きく角度を変える付近にかかっており、岩盤の関係で一つの滝が三つに折れ曲がって滝壺に落ち込んでいます。

このほか三段峡には数えきれないほどの景勝地がありますが、それにもまして価値があるのは峡谷一帯を埋める多彩な原生林で、渓谷部にはウラジロガシなどの暖帯性常緑広葉樹、モミ・ツガなどの常緑針葉樹が、上限のブナ帯のあいだには温帯林が、渓谷にはキシツツジ群落が発達しています。

渓谷の周辺には八幡高原・聖湖・深入山などの景勝地があり、ハイキングやキャンプに適しています。また、温泉旅館・山荘・休憩所などの設備も整っています。

三段峡では四季の変化も見所です。三段峡の春を告げるのは4月ごろ原生林に咲くこぶしの花で、フジが続き、深入山の蔵座高原にはフキ・ワラビが芽を出し始め、やがて渓谷は若葉に覆われます。ワラビ狩りは5月〜6月が最適です。

夏になると水遊びや川遊びが楽しめ、川釣りもできます。渓谷一帯や深入山付近は多くの人でにぎわいます。

紅葉の見ごろは10月下旬です。落葉樹の種類が多いので、紅葉・黄葉と色彩にも変化があって見事な景観になります。冬は12月下旬から翌3月ごろまで三段峡周辺の山ではスキーやスノーボードが楽しめます。梶の木・松原・深入山の各スキー場がありますが、本格的な山岳スキーを楽しむのであれば恐羅漢スキー場が良いでしょう。

深入山は三段峡の東側になだらかにそびえる草山で、標高1153mです。高原の上にたっているので、それほどの高さは感じさせません。山腹は放牧に利用されており、ゆるやかな斜面では春はワラビ狩り、夏はキャンプ、冬はスキーが楽しめます。登山口の近くにはレストハウスが設けられています。

山頂からの展望は雄大で、恐羅漢山・八幡高原・三段峡のたたずまいを一望のうちにおさめることができます。

恐羅漢スキー場は町の南西端、標高1346mの恐羅漢山の北東麓に開設されます。国営と民営の二つのスキー場があり、リフトの増設などの整備が進められました。

3、三段峡の近況

三段峡付近は気軽に散策できるようにと遊歩道を設置したりして観光整備がされてきました。これは名勝に指定されたときにできるだけ環境を破壊しないように配慮されて行われたために景観が損なわれることはあまりありませんでした。

しかしその後、柴木川の上流に樽床ダムが建設されると徐々に川の水量が減り、その影響で滝の水量が落ちて迫力がなくなってきているとも言われています。

また、この付近一帯は国有林も多いためにそれらの木が伐採されると環境が変化する恐れがあるとも言われています。

田代川上流はほとんど人の手が入っていない奥三段峡がありますが、ここは手すりや遊歩道、休憩所などの観光整備がされていないために注意が必要となっています。

また、以前はJR可部線三段峡駅が三段峡正面口の近くにあったために観光に利用されていましたが、利用者の減少に伴って2003年に可部駅から三段峡駅間が廃止となりました。ここが廃線となったことで観光客の減少が続いており、観光関係者は頭を悩ませています。

現在は広島バスセンターなどからバスが運行されています。

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