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背中の痛みを治したい! 背中の筋肉をほぐすストレッチ方法とは?

2018-08-13

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肩こり腰痛と同じように慢性的な背中の痛みに悩む方がいます。
むち打ち症やぎっくり腰のように背中の関節を傷めている場合もありますが、背中の筋肉に由来する痛みがほとんどで、それらは生活スタイルや姿勢など普段何の気なしに行っていることが原因となっています。

そこで今回は、背中の痛みの原因をご説明するとともに、背中の筋肉を自分でほぐすためのストレッチ方法を詳しくご説明します。

背中の構造は?

まずは背中の骨格や筋肉がどのようになっているかご説明します。

■背中の骨格構造
脊柱は頸椎、胸椎、腰椎というように続いており、頸椎部と腰椎部に挟まれた胸椎部の背面側を一般的に「背中」と言います。
胸椎は12個あり、それぞれ左右に肋骨が付いています。
胸部にある「胸骨」と12対ある「肋骨」、「胸椎」で樽状の「胸郭」という骨格を形成し、肺や心臓を中心とした臓器を守っています。
また背中には、胸椎の左右で肋骨に沿うように「肩甲骨」が存在し、肩関節の動きにとって大きな役割を果たしています。

■背中にある筋肉
脊柱起立筋:脊柱の左右両側で脊柱に沿うように縦方向に走行している筋群の総称です。脊柱を支えることを主な役割をしており、脊柱の伸展(反らす動き)に作用します。

僧帽筋:頸椎から肩甲骨、胸椎から肩甲骨というように広く背中に走行しています。
肩甲骨を動かすことが主な作用となっています。

菱形筋:胸椎から肩甲骨の内側に向けて線維が平行に走行しており、菱形の形をした筋肉です。肩甲骨を内転させる(内側に寄せる)ことを主な作用としています。

背筋:胸椎や腰椎から始まり、背中から腰を覆うように外側に走行し脇の下を通って最終的には上腕骨の近位に付く筋肉です。
背部で最も大きな力を発揮する筋肉で、座位から立ち上がったり、重たいものを持って身体を起こしたりと体幹を支えることを主な作用としていますが、上腕骨に付いていることから肩関節の動きにも関与しています。

背中の痛みの原因は?

背中の痛みの原因として主なものをご紹介します。

■姿勢不良
本来、脊柱は横から見るとS字カーブを描いています。
胸椎部は後ろに凸の「後弯」があり、軽く丸まった形になるのが正常ですが、猫背姿勢を中心に不良姿勢になると後弯が正常よりも強くなってしまいます。
そうすると、脊柱起立筋や僧帽筋、菱形筋といった背中の筋肉は本来よりも引きのばされた状態が続いてしまい、痛みの原因となってしまいます。

■長時間同じ姿勢の作業
長時間同じ姿勢で過ごしていると動かしていない筋肉の血流は悪くなります。
パソコン作業や書字、裁縫などといった作業を始め、人間が行う作業は手を身体の前側で使うことが多く、自ずと背中が丸まった姿勢になってしまいます。
背中の筋肉が引き伸ばされている上に、長時間動きがなく血流が悪くなることが背中の痛みの原因となってしまいます。

■重労働
重たいものを運んだり、持ち上げたりというようなことを行う際は、脊柱起立筋や広背筋を中心に背中の筋肉を使います。
自身の持っている筋力や筋持久力以上の作業を行うと、これらの筋肉に疲労が蓄積したり、緊張が高くなり(いわゆる「コリ」)痛みの原因となります。

背中をほぐすストレッチとは?

背中の筋肉をほぐすためのストレッチやエクササイズをご紹介します。

■脊柱起立筋ストレッチ
脊柱起立筋を伸ばすことで、伸張性を高め血流を促します。

1. 座って背筋を伸ばし、頭の後ろに両手を組みます。

2. 脊柱を上から丸めていくような意識で、あごを引いて頭を下げたら背中も丸められるだけ丸めます。

3. 首から背中に伸張感を感じたらそのまま20秒程度静止します。

■菱形筋ストレッチ
菱形筋を伸ばすことで、伸張性を高め血流を促します。

1. 座った状態か立った状態で背筋を伸ばします。

2. 肩の高さで両手を組み、背中を丸めるように後ろに下げながら両腕をできるだけ前に伸ばします。

3. 肩甲骨の内側に伸張感を感じたらそのまま20秒程度静止します。

■広背筋ストレッチ
背筋を伸ばすことで、伸張性を高め血流を促します。

1. 椅子に腰かけて足を開くようにして床に足をつきます。

2. バンザイした状態から、左手で右の手首を持ち引っ張りながら身体ごと左斜め前に倒します。

3. 右の脇腹・背中から腰にかけて伸張感を感じたらそのまま20秒程度静止します。

4. 左右を入れ替えて反対側も伸ばします。

■肩甲骨内転エクササイズ
肩甲骨を内側に寄せる動きを行うことで、背中の痛みの原因となる姿勢不良を修正することができます。

1. 手を身体の横につけた状態で、胸を張りながら肩甲骨を内側に寄せます。

2. 楽な肢位に戻しては肩甲骨を寄せる動きを繰り返し行います。

腕を後ろに引きながら行うと肩甲骨を寄せずに肩関節だけを後ろに引いてしまう場合がありますので、腕の位置は変えずに行うように注意してください。

■キャット&ドッグ
脊柱の動きと肩甲骨の動きを協調させながら脊柱を自在に動かす練習になります。

1. 両肩の真下に両手、両股関節の真下に両膝をつくようにして四つ這いになります。

2. 手で床を押して肩甲骨を外転し(外に開き)ながら、おへそや胸を引き上げてゆっくりと脊柱を丸めます。

3. 丸める方向いっぱいまでいき、背中や腰の伸張感を感じたらゆっくりと元に戻します。

4. 今度は反対に肩甲骨を内転しながら胸やおへそを突き出すようにしてゆっくりと脊柱を反らしていきます。

5. 反らせるいっぱいのところまできたらまた元に戻します。

6. できるようになってきたら丸める動きと反らす動きを滑らかに繰り返します。

今回は、背中の痛みの原因とその対処法として背中の筋肉のストレッチ方法をご紹介しました。
一回行ってすぐに効果を感じられる場合と、長期間続けて初めて効果が現れる場合がありますので、根気強く続けていただきたいと思います。
また、背中の筋肉の緊張緩和、伸張性改善によって改善する痛みもありますが、それ以外に原因がある場合や内臓疾患由来の背中の痛みも稀に含まれていますので、これらのストレッチを行っても改善がみられない場合は整形外科や他科を受診することをおすすめします。

■プロフィール
著者:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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