税金

贈与は税金に注意?払わなくて済ませたいならこのポイントをチェック!

2018-09-05

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親族や親しい友人から金銭や使わなくなった土地の寄付を受けることがあります。
特に無償でこうした資産を譲り受ける場合は、贈与という行為になり、その金額が一定限度を超えると納税義務が生じる場合があります。
贈与は相続と共に納税が関係する場合があるのですが、有効に使えば相続税対策になります。よって贈与の基本的な事柄は知っておく方がいいでしょう。

1.贈与と相続、税金に注意

贈与と相続のいずれの場合も、一定金額を超える部分は課税対象となります。

1-1. 贈与とは

贈与は、一方の方から他方の方に金銭その他の自己の所有する財産の一部、または全部を無償で与えることを指します。法律上は契約の1つとして行う行為とされています。最も多いケースは親や祖父母から、子や孫への贈与かもしれません。

こうした贈与は、贈与する側が無償で自己の所有する財産の一部、または全部を与える意思表示を行う、贈与を受ける側がその意思表示を承諾する、つまり受け入れることで成立します。贈与を受ける側がその意思表示を承諾することを要件とする点、および無償であることが特徴と言えるでしょう。

売買などは有償で、成立には売る側と買う側の取引の合意が必要ですが、贈与の場合は無償、かつ贈与する側の一方的な意思表示を、贈与される側が受け入れた時点で、契約書などの書面がなくても口頭で成立する一方で、また贈与する側の一方的な意思表示による取り消しが認められている点に、売買との違いが見られます。

1-2. 贈与に関係する税金

贈与を受ける側は無償であるために、贈与される財産がプラスの市場価値を有する場合には、実質的に利益が生じることとなります。この利益が一定の金額を超える場合には、その部分に対して贈与税という税金が課税されることになります。

贈与される財産は金銭の場合ですと、納税にはそれほど手間も時間もかかりませんが、土地などの不動産の場合ですと、納税はとても厄介なことになります。切り売りできる不動産ならともかく、通常は土地などの不動産は一筆単位なので、法務局で分筆する手続きが必要となり、時間やお金がかかるといったことが問題になります。

1-3. 相続との違い

贈与と相続、大きく違うようですが基本的に無償で財産の所有者が変わるという点は共通しています。違いは贈与する側が在命かそうでないかという点です。贈与する側が在命の場合は贈与になりますし、亡くなっている場合は相続になります。

納税に関しては、贈与と相続で多少の違いがあります。課税の対象となる金額によって次のように税率が違ってきます。20歳以上の子供や孫、ひ孫に贈与する場合の税率は次のようになります。

贈与する金額で基礎控除※を超える部分 税率
400万円以下 15%
200万円以下 10%
600万円以下 20%
1000万円以下 30%
1500万円以下 40%
3000万円以下 45%
4500万円以下 50%
4500万円超  55%

※贈与の基礎控除金額は1年間で110万円まで

これに対して相続の場合の税率は次のようになっています。

相続する金額で基礎控除※を超える部分 税率
1000万円以下 10%
3000万円以下 15%
5000万円以下 20%
1億円以下 30%
2億円以下 40%
3億円以下 45%
6億円以下 50%
6億円超 55%

※相続の基礎控除金額は次の式で計算される金額です。

・相続の基礎控除金額=3000万円+600万円×法定相続人数

金額の区分に違いはありますが、税率そのものの並びは同じといった印象です。

1-4. 贈与と相続はどちらが有利?

贈与に関するイメージとして、「高い税率」をお持ちの方はおられるのではないかと思いますがいかがでしょうか。税率の数字を見ただけでは、そう差はないということがわかります。そこで気になるのが、贈与と相続はどちらが節税面で有利なのかということではないでしょうか。

今一度、贈与と相続の違いを振り返ってみると、相続は大きなお金を一度きりで受け渡しすることで、節税の余地はあまりないと言えます。一方で贈与は税率は相続の場合と同じであっても、「基礎控除金額は1年間で110万円まで」の「1年間」という点に注目したいところです。つまり数年から数十年といった長い期間で少しずつ贈与することで、やり方次第ではトータルで税金をゼロにできるということで、早くから贈与を開始すればそれだけ節税の余地が大きいということになります。

相続が始めれば、期日までに相続税の申告と納税を行う必要がありますが、計画的な贈与を早くから始めることで、子や孫の世代の税負担を大幅に減らせる点は覚えておくといいでしょう。

2.贈与に関係する税金を払わなくてよい場合

贈与に関係する税金を払わなくてよい場合について、いくつかご紹介します。

2-1. 個人ではない法人からの贈与

贈与税は個人の贈与を対象としていることから、法人からの贈与は贈与税ではなく所得税の対象となります。

2-2. 生活費や教育費に使う目的で、扶養義務者と被扶養者間(夫婦間、親子間等)で収受された財産のうち、課税当局が法令等に照らして必要と認めるもの

生活費や教育費に使う目的で、扶養義務者と被扶養者間(夫婦間、親子間等)で収受された財産がその目的に沿って使われた場合は贈与税の対象外となりますが、目的を逸脱して使われた場合、例えばそのお金を貯金していたり金融商品購入など投資に充てていた場合は贈与税がかかります。

2-3. 公益事業を行う個人や団体が寄付等によって収受した財産で公益のために使われることが確実と課税当局が認めるもの

具体的な例として、教会の信者であった故人がその財産の一部、又は全部を教会に寄付し、教会がその財産の一部、又は全部を使って慈善事業や公益事業を行う場合などは、贈与税の対象から外れます。

3.贈与に関係する税金を払う必要がある場合

贈与に関係する税金を払う必要がある場合について、いくつかご紹介します。

3-1. 亡くなった親が保険料を負担していた子や孫を受取人とする生命保険等の保険金を受け取った場合

この場合、保険金を受け取るお子様、お孫様の方が保険金を受け取ることになりますが、この保険金の全部または一部は贈与と見なされ、その金額により贈与税が課されることがあります。また、別のケースとして、保険料を負担していた人と受け取り人が同一で亡くなった親の場合に、相続人として保険金を受け取るご遺族の方には贈与税ではなく、相続税がかかる場合があります。

3-2. 暦年課税に該当する場合

1年(毎年1月1日から12月31日)で贈与を受けた金額が110万円を超える場合、その部分は贈与税の課税対象となります。中長期的に暦年課税に該当しない金額の範囲でお子様やお孫様のために贈与を計画的に行えば、将来の相続税の負担に対する懸念や心配のかなりの部分が軽減されます。

3-3. 相続時精算課税を選択した場合

相続時精算課税を選択した場合で、1年(毎年1月1日から12月31日)で贈与を受けた金額が2500万円を超える場合、その部分は贈与税の課税対象となります。

4.まとめ

贈与は特に保有する資産や財産が多い方で、御自身が亡くなった後の、ご遺族への相続税の負担が心配な場合に活用を検討するのがオススメです。
贈与税の心配から子供や孫への贈与を躊躇されている方、贈与税の税率の高さが気になる方など財産の移転に関する考え方は様々ありますが、贈与せずに財産を御自身の名義とされていたままですと、相続の際に税金はかかる場合には、節税の余地はほとんどないと言えます。

相続税のことでお悩みや懸念をお持ちの方は、シニア世代を中心に増えてきているようですが、今一度、御自身の保有資産の状況を確認され、ご家族で相談しながら、中長期的に取り組む相続税対策として、贈与を上手に活用されることが、将来の税金に対する備えとして有効なことがあるのではないでしょうか。

監修:Asasei

二級FP技能士(番号:F20321015439号)
二十数年間の行政系公務員生活の後、在職中に取得した金融、投資知識をもとに自宅にて執筆活動、相談業務を実施しています。
経済や金融、外国為替などの知識を生かして株式投資やFXなど資産運用を行っています。

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