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日本原産の「椿」の魅力

2018-09-21

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椿は「春の木」と書くように、早春に咲く花木として、誰もが知る花木の一つです。
古くから栽培されていて、花の少ない寒い冬の時期に、鮮やかで大きな花が咲き、美しい光沢のある緑の葉が、通年生い茂ります。

椿の学名は「Camellia japonica」ということからもわかるように、椿は日本が原産の、日本を代表する花木です。
ツバキ属(カメリア属)の木には、日本以外の、東南アジアや中国原産のものも見られますが、日本原産のもの以外は、寒さに弱い品種もあるので、育てるときには注意が必要です。

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日本の野生種の「椿」4種類

椿(つばき)」の名前の由来については諸説ありますが、葉っぱの特徴からつけられた名前が由来になっていると言われています。
葉っぱに、厚みがあるから「あつば木」、つやがあるから「つやば木」、ピカピカ光沢があるから「つや木」などです。
これらの名前で呼ばれていたものが、いつしか「つばき」と呼ばれるようになったと言われています。

椿園芸品種は江戸時代寛永年間に多く作られ、国内では2000種以上、世界中で6000種以上作り出されてきています。
19世紀にヨーロッパに渡った椿が品種改良されて生まれた「西洋椿」は、日本の椿とかなり雰囲気が違っています。

椿園芸品種は多様ですが、その元になった野生種の椿は、「ヤブツバキ」「ユキツバキ」「ユキバタツバキ」「リンゴツバキ(またはヤクシマツバキ)」の4種類になります。

「ヤブツバキ」

椿」の原種というと、ヤブツバキを指します。
椿園芸品種は、主にヤブツバキを元に作られています。
ヤブツバキは本州・四国・九州および朝鮮半島南にまで幅広く分布しています。

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「ユキツバキ」

ユキツバキは、ヤブツバキが豪雪地帯に適応するように生まれた変種と言われています。
東北から北陸にかけて分布しています。

「ユキバタツバキ」

ユキバタツバキは、ヤブツバキとユキツバキ、それぞれの分布地帯の中間地点・境界地域に分布しています。
ユキバタツバキは、ヤブツバキとユキツバキ両方の性質を併せ持っているため、ヤブツバキとユキツバキの雑種とも言われています。

「リンゴツバキ」「ヤクシマツバキ」

主に九州南部~沖縄にかけて分布している「リンゴツバキ」は「ヤクシマツバキ」とも呼ばれています。
「リンゴツバキ」は、厚みが1.5cmもある皮がついた、5~6cmにもなる大きな実が、熟すと真っ赤になってリンゴのようになることから、「リンゴツバキ」と名付けられました。

サザンカやお茶の木も椿の仲間

椿とよく似ていて見分けがつきにくい「サザンカ」や、お茶の木「チャノキ」もツバキ属の樹木です。

サザンカと椿を花から見分ける場合、椿は花が完全に開ききる前に、花がまるごとボトンと落ちますが、サザンカは花が完全に開き、散るときは、はらはらと散っていくことから、容易に見分けられます。

椿もサザンカも常緑樹なので、葉っぱで見分ける場合は、通年見分けることができます。
葉脈がはっきり見え、葉の周りのギザギザがあまり目立たないのが「椿」で、葉脈がぼんやりとしか見えず、葉の周りのギザギザが大きいのが「サザンカ」とわかります。

お茶の木「チャノキ」は、椿とサザンカの交雑種と言われています。

椿は鉢植えでも庭植えでも

椿を庭植えにすると、大きくなると2~3mくらいに育ちますが、鉢植えでは大きくなっても1.5~2mくらいまでしか育ちません。
椿は樹木ですが、生育はゆっくりなので、長くコンパクトな樹形で育てていけます。
樹木を鉢植えにすると、すぐに大きな鉢に植え替えないと、根が鉢の中でいっぱいになってしまいやすいのですが、成長がゆっくりな椿は、2年おきに植え替えていくだけで十分です。
椿は、急に大きめの鉢に植え替えたほうが、花が咲きにくくなってしまうので、植え替えるときはその都度、一回り大きな鉢に植え替えていきます。

椿は日向でも日陰でも育てやすい

椿は日本原産の樹木なので、寒冷地向けのユキツバキを暖地で栽培しようとしたり、暖地向けのリンゴ(ヤクシマ)ツバキを寒冷地で栽培しようとしなければ、あまり手をかけなくても育てやすくなります。
栽培になれていない場合は、お住まいの地域の気候にあった椿を栽培するようにしましょう。

椿を育てるのは、日当たりの方がよく育ちますが、日当たりがよくない日陰であってもよく育ちます。
日本原産の椿は、弱酸性の土を好みます。
ブロック塀やコンクリートの基礎部分のそばに植え付けると、土質がアルカリ性寄りになりやすく、椿の生育が悪くなり、葉色が悪くなってしまうことがあるので気をつけましょう。

椿の苗木は秋口から流通する

椿を育てるには、苗木を購入して育て始めるのがおすすめです。
盆栽や鉢植え椿も流通しています。
椿の苗木や鉢植えが、園芸店の店頭に並ぶのは、主に秋口からになります。

椿の苗木は、夏場を除けばいつでも植え付けが可能ですが、植え付けの適期は、花後の3~6月と、秋の10~11月です。
寒冷地では、冬の寒さで根付かないこともあるので、秋植えしないほうがおすすめです。

秋口から春にかけては苗木にも花がついていることがあるので、花を見て選ぶこともできます。

椿に付きやすい病害虫

椿の葉にチャドクガが大量に発生することがあります。
チャドクガに触ってしまうと痒みの強い湿疹が出るので、素手で直接触らないようにしましょう。
発見が遅れると広範囲に食害されてしまうので、見つけたら早めに、食害された葉の周りの枝を切り落として、ビニール袋に密封した上で処分します。

園芸用の殺虫剤を散布して除去するほうが簡単そうに見えますが、死骸がぼとぼと落ちてくることもあり、高木に広範囲に広がった後で、いきなり散布するときは注意が必要です。
春先と夏など、虫が発生しやすい時期の少し前に、株元にオルトランなどを散布しておき、害虫がつきにくい状態を作っておくのがおすすめです。

椿には、カイガラムシが付くことがあり、そのまま放置していると、ベタベタした液を出して全体にベタついてきたり、すす病が広がってしまうことがあります。
カイガラムシは水に弱いので、強めの流水で洗い流しながら、大きなブラシで擦って取り除きましょう。
カイガラムシは卵と幼虫以外は薬剤が効きにくく、すべてを取り除くのが難しいので、繰り返し除去を試みて、減らしていくようにしましょう。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物多肉植物
ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、
一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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