伝統工芸

大人なら知っておきたい伝統的な『紬』6選

2018-10-06

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紬(つむぎ)は古来より日本で着られていた絹織物です。
蚕の繭から糸を繰り出してそれを紡いで糸として織っていくもので、高級な和服として使用されてきました。

ここではそれぞれの地方に伝わる伝統的な紬を順に紹介していきます。

1、置賜紬

置賜紬は山形県米沢市近郊に伝わる紬です。
その起こりは非常に古く、奈良時代には作り始めていたとされています。
大々的に作られるようになったのは江戸時代初期にこの地に越後から移ってきた藩主の上杉景勝がこの紬の生産を奨励したのが始まりです。
この紬の特色は着物の他に袴や帯、袋などにも使用されているように素朴でありながらも丈夫であるということです。
伝統的な技法で作り出される白鷹板締小絣、米琉板締小絣、緯総絣、併用絣などの他にベニバナなどで色を染める草木染紬、紅花紬の6品種が生産されています。
米沢市で草木染、長井市で緯総絣・併用絣、白鷹町で白鷹板締小絣が作られています。

主要生産地:山形県米沢市、長井市、白鷹町
産地組合:置賜紬伝統織物協同組合
住所:〒992-0031 山形県米沢市大町5丁目4番43号
電話:0238-23-5044
FAX:0238-23-5044

2、信州紬

信州では室町時代~安土桃山、江戸時代にかけて養蚕が盛んに行われていました。
そのため江戸時代には信州の各藩が紬をこぞって作り、絹織物の名産地として有名になっていました。
その後、勢いはなくなっていきますが昭和中期ごろになって改めて評価がされると高級な反物として再び有名になっていきました。
その最大の特徴は、屋外で蚕がクヌギやナラの葉を食べることで緑色の繭を作るというもので、「絹織物のダイヤ」とまで称される紬は美しさ、軽さ、丈夫さを兼ね備えた最高級品として知られています。
作り方は、先染めした生糸、山繭糸、玉糸、手紡ぎ糸のどれかを経糸とし、緯糸には玉糸か手紡ぎ糸を使って行われます。
緯糸の打ち込みには手投げ杼が使われます。
主に着物用の反物と帯地の生産が行われています。

主要生産地:長野県松本市、上田市、岡谷市、飯田市など
産地組合:長野県織物工業組合
住所:〒399-4106 長野県駒ヶ根市東町2-29
電話:0265-83-2202
FAX:0265-83-2204

3、牛首紬

牛首紬は約1000年ほど前の平治の乱において平氏に敗れた源氏の落ち武者である大畠氏が石川県白山の麓にある牛首村に逃れてきたことから由来しています。
大畠氏に同行していた女性たちが機織りの技術を持っており、その技を牛首村の女性たちに伝えたことで紬の生産が始まったとされています。
江戸時代には大規模な生産が行われ、名産として全国に販売されました。
その特徴は、2匹の蚕が共同で作り出す玉繭からとられる玉糸を使って織りあげられることです。
玉繭の選別から始まって染色仕上げまでのすべての工程を手作業で行っており、その生産には高い技術が要求されています。
玉糸独特の美しい光沢は優雅さと気品に溢れており、しかも丈夫であることから幅広く使用されています。

主要生産地:石川県白山市
産地組合:石川県牛首紬生産振興協同組合
住所:〒920-2501 石川県白山市白峰ヌ17
電話:076-273-2400
FAX:076-273-4414

4、塩沢紬

新潟県塩沢地方ではかなり古くから織物が行われてきました。
奈良時代に織られたという麻布が東大寺正倉院に今も保管されていることからもそれがわかります。
その織物の技法に絹織物が取り入れられてできたのが塩沢紬です。
入念な摺り込みや括りの作業によってできる蚊絣と呼ばれる細かい十字絣や亀甲絣によって組み立てられている絣模様は落ち着いた気品があり、その品物の存在感を出しています。
作り方は先染めによる平織で、経糸に生糸や玉糸を、緯糸に真綿の手紡ぎ糸を使って作られます。
着物に仕立てるときに軽く湯通しすると生地の色合いが一層鮮やかになるとされています。

主要生産地:新潟県南魚沼市
産地組合:塩沢織物工業協同組合
住所:〒949-6435 新潟県南魚沼市目来田107-1
電話:025-782-1127
FAX:025-782-1128

5、小千谷紬

産地は塩沢紬に近い場所ですが、作られている紬の特徴が大きく違っているのが小千谷紬です。
こちらの紬は、繭を裂いて綿状にしてから糸を紡ぐために糸に膨らみがあって軽く、しかも暖かい織物になります。
柄模様は、織る前の糸に木場定規を押し当てて糸に直接染料を摺り込んでいきます。
色止めの後に織幅の目印となるように端部分に「耳じるし」をつけて、それに合わせながら織っていきます。
柄は民芸調のものが多く、真綿ならではの優しさが評判の紬です。
着物の他に財布などにも利用されています。

主要生産地:新潟県長岡市、小千谷市、十日町市、北魚沼郡
産地組合:小千谷織物同業協同組合
住所:〒947-0028 新潟県小千谷市城内1-8-25
電話:0258-83-2329
FAX:0258-83-2328

6、大石紬

起こり自体は非常に古く、平安時代初期の孝謙天皇のころにこの甲斐地方(山梨県)に養蚕と織物が伝わったとされています。
後に御坂山麓に大量の桑畑が作られ、養蚕地となっていきました。
江戸時代にはこの地の織物は租税として現物でも徴収されており、富士山の見物客や行商人などに好んで購入されました。
さらに改良がくわえられて現在の大石紬に至ったとされています。
この紬は経糸は本繭、緯糸は玉繭から手引きしたものを使用しており、そのために丈夫で軽く、柔らかく、なめらかな手触りという珍しい紬となっています。
現在では着物に使われているほか、大石紬の素材でできている大石シルクによる美顔パフなどは女性に大人気の商品となっています。

主要生産地:山梨県南都留郡富士河口湖町大石
産地組合:大石紬伝統工芸館
住所:〒401-0305  山梨県南都留郡富士河口湖町大石1438-1

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