税金

相続とは?!知っておきたいルールと注意点を解説

2018-10-07

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相続は人の一生の終わりとともに生じる手続きです。亡くなった人の財産を相続人が引き継ぐことがその主な内容になりますが、相続人が複数人いるときはその分配を巡ってトラブルになったり、相続に伴って納める税金が期日までに支払えないといった状況が生じる場合があります。
そうしたトラブルや問題を未然に防ぐためには、相続に関する基本的なポイントを知っておくといいでしょう。

1.相続の際に知っておきたいルール

相続の意味と知っておきたいルールを確認します。

1-1.相続とは

日本では個人に財産権があることを憲法で規定しています。こうした権利に基づいて個人で資産を保有することができますが、その人が亡くなった場合は、その財産の所有者が不在となってしまいます。

財産にはプラスのもの、借金のようなマイナスのものの他、預貯金などの金銭や証券、不動産など様々ありますが、いずれの財産も所有者が不在の状態が長く続くと、様々な問題が生じることになります。

相続とはこうした様々な問題で、社会全体の経済活動が支障をきたさないために、全世代から次世代へと財産の引き継ぎを行う一連の手続きと言えるでしょう。

1-2.知っておきたいルール

相続には次の4つのことを明らかにすること、それがルールと言えるでしょう。

・相続の対象となる財産を明らかにする
・相続人を明らかにする
・個々の相続人ごとに、相続する財産の内容や分配割合を明らかにする
・相続税の金額を明らかにする

2.相続の手続きの流れ

前述の4つのルールが相続の手続きの流れの基本となります。具体的にどういったないようなのかについて解説します。

2-1. 相続の対象となる財産を明らかにする

「相続の対象となる財産を明らかにする」ということは、具体的には亡くなった人が生前に所有していたプラスの財産、マイナスの財産を全て明らかにする作業となるでしょう。プラスの財産は比較的把握しやすいですが、マイナスの財産、特に明らかにされていない借金や、知人友人に頼まれて借金の保証人になっていたということが、後になって明らかになることがあります。

2-2. 相続人を明らかにする

「相続人を明らかにする」ということは、法律に基づき相続人の特定を行い、相続の意思を確認することです。法律に基づいて相続することができる人であっても、一定の期間は相続できる権利を行使するか、行使しないかを選ぶことができます。相続する権利を行使しない場合、相続放棄という手続きを家庭裁判所で行い、手続きが完了すれば最初から相続人として存在しなかったという扱いになります。

2-3. 個々の相続人ごとに、相続する財産の内容や分配割合を明らかにする

「個々の相続人ごとに、相続する財産の内容や分配割合を明らかにする」とは、具体的には亡くなった人が生前に所有していたプラスの財産、マイナスの財産に関して。個々の相続人が相続する部分を協議して決めることです。法律上で一定の割合が定められていますが、実際には相続人の間の利害関係から、相続人全員が協議し、合意できる相続財産の内容や分配割合を決め、それを文書化して各人が保有するという形がとられます。

2-4. 相続税の金額を明らかにする

亡くなった人が生前に所有していたプラスの財産、マイナスの財産の全てを合算し、次の算式で計算される基礎控除金額を超える部分については、相続税の課税の対象となります。

・基礎控除金額=3000万円+600万円×法定相続人の数

相続税の申告手続きは、個人で申告することに慣れない部分もあって煩雑と感じる部分が多いかもしれません。相続税の納税は申告と期限は同じで、相続を知った日(相続される方が亡くなった日)の翌日から10か月以内(相続税法29条)となっています。期日から遅れると延滞税がかかりますので、期日内に手続きと納税を終える必要があるでしょう。

3.相続において注意しておきたいこと

相続において注意しておきたいことは税金のことと、遺産分割に関する話し合いの2つではないでしょうか。

3-1.相続税

相続によってプラスの財産が一定以上あり、その財産を引き継ぐ場合は税金がかかる場合があります。贈与税が生前の人からの財産の一部の移転に伴う税金であるとすれば、相続税は故人からの財産の一部の移転に伴う税金であると考えることができます。

相続財産が預貯金や証券などの金融資産の場合、その財産としての評価額を把握するのは比較的容易かもしれません。しかし、不動産に関してはその形態によって難しいことがあります。特に亡くなった方が家主として収益物件を多数所有していた場合、財産としての評価は外部の専門家の方に依頼する方が良いでしょう。

3-2.遺産分割協議

相続の手続きで難関の1つとなるのが、この遺産分割協議かもしれません。相続人同士のこれまでの関係から利害の争いを生じて、相続が争族となるケースも考えられ、そうした場合には家庭裁判所に相談したり、弁護士など外部の専門家に調整を依頼することが必要になるでしょう。

遺産分割協議が整わないことを理由に、税務署が相続税の申告や納付の期限を延長するということは可能性としてはかなり低いです。相続人同士の争いはマイナスとなることはあってもプラスとなることはないでしょう。遺産分割協議が整わない間は、故人の相続財産は相続人全員の共有ということになり、1人の相続人が財産を処分する場合は他の全員の同意を要します。

4.相続税を節税するには

相続する財産が多くなれば、相続税を納付する必要がそれだけ高くなるということなので、相続する以前から計画的に財産を、相続人になると想定される子供や孫に早いうちから少しずつ移しておくことが節税対策となります。

具体的には預貯金の一部を毎年、贈与税のかからない金額である110万円以内の範囲で贈与する、将来相続人となることが考えられる子供や孫を貯蓄型生命保険に加入させ、その保険料を毎年払う形で贈与するなどの手段が有効です。相続税を節税するためには早いうちから生前贈与などを有効に使って準備することが重要と言えます。

5.まとめ

相続は亡くなった前世代の人から次世代を担う人への財産の引き継ぎ手続きです。引き継ぐ財産の大小やその内容によって、相続税の支払い義務が生じたり、遺産分割協議が難航することが考えられます。そのためこうした問題への対策を生前のうちに行っておくことは重要と言えます。

相続税対策には生前のうちから計画的に贈与を活用することが有効ですし、遺産分割協議の難航が予想される場合は、遺言書などの形で遺産の配分に関する基本的な考え方を文書の形で残しておくことが良いのではないかと思われます。いずれにしても相続は必ず訪れると考えて早めに対策しておくほうがいいでしょう。

監修:Asasei

二級FP技能士(番号:F20321015439号)
二十数年間の行政系公務員生活の後、在職中に取得した金融、投資知識をもとに自宅にて執筆活動、相談業務を実施しています。
経済や金融、外国為替などの知識を生かして株式投資やFXなど資産運用を行っています。

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