睡眠

睡眠障害とはどのような障害か?睡眠障害を知ろう!

2018-10-08

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睡眠障害とはどのような障害なのか?
「睡眠障害=不眠症」を想像してしまいがちですよね。実は睡眠障害と不眠症はその定義が明確に分かれています。

今回は、不眠症の定義については割愛させていただきますが、睡眠障害について、厚生労働省が提唱しているメンタルヘルスより具体的な症状などを抜粋し、睡眠障害の症状と治療について事例を交えてお話していきたいと思います。

睡眠障害とは

厚生労働省はメンタルヘルスの中で、以下のように睡眠障害について提唱しています。

・睡眠障害とは様々な病気の総称
・不眠の原因には、環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気からくるもの、薬によって引き起こされるものなど様々
・不眠だけでなく、昼間眠くてしかたないという状態や、睡眠中に起きてくる病的な運動や行動、睡眠のリズムが乱れて戻せない状態など多くの病気が含まれる
・睡眠の問題は1つの原因や病気だけでなく、いくつかの要因が重なって起こってくる

上記のような様々な要因が重なり合い、引き起こされる睡眠に何らかの問題がある状態を睡眠障害といいます。睡眠障害があると日常生活や社会生活を送るに当たって何らかの支障が生じてくる場合があります。睡眠障害によく挙げられる症状として、日中の眠気やだるさ、集中力低下、気分がすぐれない、過眠といったものがあります。このような状態が長期間続くことにより、日々の生活に支障をきたし始め、交通事故などの重篤な事故の引き金になってしまうことも考えらます。

日本における睡眠障害の割合

日本では一般成人のうち約21%が不眠に悩んでおり、約15%が日中の眠気を自覚している(厚生労働省調査結果から)と考えられています。長期間睡眠障害が持続することで、生活習慣病やうつ病などになりやすくなることがあるとされており、睡眠に何らかの問題があると感じたら、改善できるように対処していくことが望ましいといえます。

睡眠障害の事例

年齢 :14歳 中学生男児
診断名:不登校 広汎性発達障害 強迫性障害 不眠症

具体的な症状と経過
本事例の中学生男児は、インターネットゲームやチャットにのめり込み、夜間帯は常にパソコンを使っていました。学力が低く、学校の授業に追いつけないという自覚があり、強烈な眠気を登校時間になると感じ、次第に不登校になっていきました。そのことを問題に思った保護者が、パソコンとインターネットを使えない状態にすると、パニックを起こして自宅で大暴れし、外へ裸足のまま走り出していってしまうこともありました。学校には登校できない状態となり、パソコンを使って常にチャットをしていないと落ち着かない状態となり、自室から出るのも拒否するようになってきてしまいました。男児自身も自分の状態に異常を感じ、保護者とともに児童精神外来を受診することとなりました。

外来受診にて上記診断名を受け、入院治療と治療登校のため病院付属の学校へ転校する運びとなりました。病棟での生活の中で、「自分の学力が低いからバカにされた。相談できるのはチャットでだけ。誰も信じられない」といった思いが明らかになりました。クラスメートとの人間関係悪化インターネット世界へ逃避するようになり、次第にサーカディアン・リズムが崩れ、パソコンとインターネットに触れていないと強い不安を感じるようになったと考えられました。

治療経過
入院にてインターネットができない環境となり、内服治療と病院付属学校への登校が始まりました。他に病院付属学校に通う生徒達から、自分と似たような症状で入院治療を受けていることや、同じような思いで不登校になったという話を聞き、少しずつ症状が緩和されていきました。入院当初は睡眠導入剤を使用しないと「眠れない」と不眠を訴え、深夜に何度もトイレを訪れ、職員の所に来ていました。しかし、少しずつ「夜中になると眠たくなるようになったから薬はもういらないかな」と話すようになり、内服時間前に入眠し、朝までぐっすり眠る姿も見られるようになったことから、不眠の治療が終了となりました。ただ、学力が低く、クラスメートとの関係がうまくいかない点について、元々の広汎性発達障害が影響していると考えられ、普通学級から特別支援学級に転入し、進学先も特別支援を行っている高校へ決まったことから、「自分を理解してくれる環境になった」と社会生活に安心感を持てるようになり、退院の運びとなりました。
(本事例は実際にあった内容を多少変更し、本人が特定されないように配慮しています)

まとめ

事例で紹介した症状と治療、経過はほんの一例であり、原因は人それぞれ様々にあります。原因に対しての対処方法は個人によって違いがあり、これを治療の定義として一本化することは難しいといえます。本事例の場合、自覚症状があったため外来受診を受けるに至りましたが、中には自覚症状がなく、対人恐怖が強く自室から出る・外出することができないことから適切な治療が受けられないといった事例も存在します。睡眠の問題は、本事例のように、別の問題から引き起こされている場合もあり、問題を特定し適切に対処していくことが重要であるといえるでしょう。

監修:mikkumikupapa
ライセンス:看護師免許(正看護師)
勤務:行政看護師(乳幼児施設)
専門及び経験分野:
小児
脳外科、循環器内科外科、呼吸器内科、てんかん、先天性疾患、指定難病、小児がん、児童精神疾患及び発達障害、強度行動障害など。
成人
呼吸器内科、耳鼻科、消化器内科、婦人科、整形外科、救急搬送傷病者の救命治療処置など。

自己紹介:男性看護師として、病棟勤務の経験は15年。専門は小児科領域。特に発達障害を抱える子供が二次的障害を引き起こし、入院治療が必要となってしまったケースへの治療と看護について経験と学びを深めてきました。現在はその経験を活かし、乳幼児に関わる行政看護師として勤務しています。保育園を兼ねた職場であり、日々元気な乳幼児と関わりながら、保護者へ流行りの感染症や予防方法、成長発達に関わることなど多岐に渡る相談を受けています。自身も3姉妹の父であり、1日中元気な子供に囲まれた生活を送っています。

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